パソコン、検索エンジン、スマートフォン、クラウド……。「デファクト・スタンダード」を握る競争において、日本は負け続けてきた。また一つ、負けてしまうのではないかと懸念されているのが、「量子コンピュータ」だ。 実現は早くても21世紀の後半と言われてきた量子コンピュータだったが、いつの間にか開発が進み、2010年にカナダのベンチャーであるD-Wave Systemsにより商用化され、販売が始まった。 その性能をテストしていた米グーグルとNASAが、2015年12月に「従来型コンピュータより1億倍高速」と発表したことで、北米で熱狂が巻き起こった(関連記事:「D-Waveの量子コンピュータは「1億倍高速」、NASAやGoogleが会見」)。次の覇権を握ろうと、グーグルや米政府も独自に量子コンピュータの開発競争に名乗りをあげた。 日本が先行していたはずなのに…… 日本でも、2000年頃までは量子コンピ