軽はコンパクトよりどれだけお得!? 軽のルークスとコンパクトのノートを比べてみたら、燃料代はノート有利、税金もわずか1.5万円差だった!
- 筆者: MOTA編集部
「維持費の安さ」が支持され、現在軽自動車の人気が非常に高い。乗用車販売の4割近くを占めている。果たして軽自動車は本当にコンパクトカーよりもランニングコストは安いのだろうか。200万円前後の価格帯に位置する日産の軽自動車「ルークス」とコンパクトカー「ノート」について新車購入時の税金や、燃費をもとにしたガソリン代などといったコストを比較してみた。
安くて広くて便利な軽「ルークス」と、低燃費なハイブリッドカー「ノート」、200万円前後の2台を維持費視点で比べてみる
日産の軽自動車「ルークス」は、現在人気の軽ジャンルの中でも特に人気を集めるスーパーハイトワゴンというカテゴリーに属する1台だ。その名の通り背(車高)が高く室内も広い。そして後席左右にはスライドドアが備わり狭いところでの乗り降りもしやすいなど、非常に実用性の高いクルマとしてファミリー層を中心に支持を集めている。排気量は軽自動車共通の660ccで、ノンターボとターボ付きの2タイプが有る。価格は141万5700円から213万2900円まで(消費税込、以下同)。
いっぽうのコンパクトカー「ノート」も、小型ながら上級車並みに後席は広く、ファミリーカーとしても十分に実用的である。ドアは前後とも一般的なヒンジ式。エンジンの排気量は1200ccで、モーターと組み合わせたハイブリッドシステム「e-POWER」を搭載することで、非常に低燃費に仕上がっている。価格は202万9500円から276万3200円まで。
【燃料代比較】年間8000キロ走行する場合、低燃費なノートは軽よりも1万5000円得をする
それでは、軽自動車の日産 ルークスと、コンパクトカーの日産 ノート(ノート e-POWER)のカタログ燃費を基に、燃料代を調べてみよう。
ルークスの場合、軽自動車規格の限られた排気量(660cc)の低出力を補助するターボエンジン(64ps)タイプが存在する。山岳路や速度域の高い自動車専用道をなどを多用するユーザーはターボも検討したほうが良いだろう。ルークスの場合、カタログ燃費では18.8km/L(WLTCモード燃費・2WD)となっている。
一般的にはターボのないエンジンでも十分に実用に耐えうる性能(52ps)を持つ。また日産の場合、ターボモデルも含めマイルドハイブリッドシステムも搭載し、発進時の加速などを一時的に補助する機能も有している。カタログ燃費は20.8km/L(WLTCモード燃費・2WD)とターボ付きに比べ優れている。今回はこちらのノンターボエンジンで比較してみよう。
ノートは2020年12月のフルモデルチェンジで、全モデルがハイブリッド「e-POWER」搭載となった。カタログ燃費は29.5km/L~28.4km/L(WLTCモード燃費・2WD)。29.5km/Lを記録するのは主にビジネス用途で使われる「F」グレードなので、一般的な標準グレード「S」(202万9500円)や上級グレード「X」(218万6800円)の28.4km/Lで見てみよう。
軽の年間ガソリン代5万8846円に対し、ハイブリッドは4万3098円だった
経済産業省 資源エネルギー庁が2021年6月9日(水)に発表した石油製品小売市況調査によると、6月7日(月)時点でのレギュラーガソリンは152.9円となっていた。今回は端数を揃え、153円で計算してみる。
軽自動車「ルークス」(ノンターボ)と、コンパクトカー「ノート」(e-POWER)の燃料代を比較すると、ガソリンタンク容量はルークスが27リットルで、ノートが36リットルだ。ガソリンを満タンにした場合、ルークスは4131円、ノートは5508円となる。
年間の走行距離を8000キロと想定した場合、カタログ燃費(WLTCモード燃費)で単純計算した場合だが、軽自動車の日産 ルークス・ノンターボ(20.8lm/L)は約385リットルのガソリンを消費し、燃料代は年間5万8846円がかかる。
対する日産 ノート e-POWER(28.4km/L)は約282リットルのガソリンを消費。年間4万3098円がかかる計算となった。およそ1万5748円の差額である。
通勤などでクルマの使用頻度が高く、走行距離も伸びる傾向にあるユーザーにとって、これは決して少なくない差と映るはずだ。
【税金比較】ノートe-POWERはエコカー減税で優遇! 軽のルークスとの差は1万5000円少々でしかない
軽自動車が良いのは、購入時の税金が少ない負担となるところだ。軽自動車ルークス(2WD・ノンターボ)の場合、エコカー減税では環境性能割(旧・自動車取得税)は0%で0円。重要税が50%減税で減税額は3800円(支払いは3700円)。自動車税(軽自動車税・種別割)は年間1万800円となるので、合計1万4600円だ。
ノート e-POWERは、エコカー減税で環境性能割(旧・自動車取得税)は0%で0円。重要税2万2500円が100%免税(0円)となる。自動車税(種別割)は年間3万500円で、税金としてかかるのはこれと消費税のみ。
あとは自賠責保険代やリサイクル費用などが登録時の諸費用となる。軽自動車と、燃費性能の高いハイブリッドカーで比較すると、実は思ったほどの諸費用の差が出ないのだ。
また両モデルとも、満65歳以上を対象にしたサポカー補助金の対象となる。ルークスは最大7万円、ノートは10万円がそれぞれ補助金で交付される。
なお購入時期やオプションの選択などにより差が生じたり、減税の対象から外れるケースもある。詳細は販売店で見積りを取得のうえ、正確に確認して欲しい。
車両価格の差はあるが、低燃費なハイブリッドカーなら軽の維持費とほぼ同等だ
もちろん、今回の日産 ルークス(141万5700円から213万2900円)とノート(202万9500円から276万3200円)の場合、明確に価格差がある。例えばルークスの売れ筋グレード「ハイウェイスターX プロパイロットエディション」(2WD)で184万3600円。ノートの売れ筋「X」(2WD)で218万6800円だが、先進運転支援機能「プロパイロット」はオプションとなる。依然として軽自動車のほうが圧倒的にお得なのは間違いないが、維持費の面ではハイブリッドカーなら意外と軽に負けていないことも、今回の比較で浮き彫りになった。
新車購入の際には、燃料代も含めたトータルのコストを考えながらじっくりと検討して欲しい。
[筆者:MOTA(モータ)編集部]
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