衛星データからメタバースなど仮想世界を自動生成するAI技術を特許化
株式会社スペースデータは2023年3月22日、衛星データから仮想世界を自動生成するAI技術の特許を取得。この技術により、衛星データから現実さながらの仮想世界をAIによって生成可能となり、メタバースやデジタルツインなど高精細なビジュアルが求められる用途にも対応できるとしている。
スペースデータが取得した特許は、衛星データからの3D都市モデルを生成するAI技術。これまでの3D地球儀は、衛星写真や航空写真を3Dモデルに貼り付けた形で提供されることが一般的であり、人間が歩く視点では写真の解像度が足りず劣化してしまい、VR、ゲーム、映像制作、自動運転など高度なビジュアルが求められる領域では活用が進まないという課題があった。
スペースデータが今回特許を取得した技術では、従来の3D地球儀が苦手な人間の視点(一人称視点)での3Dモデルの自動生成を得意とする。距離が近くても景観が劣化しにくく、VR、ゲーム、映像制作などの三次元空間において、人間の視点で動き回るような用途にも活用しやすいメリットがある。
3Dモデルとしての再変換にあたっては、衛星データに機械学習をかけて地上の構造物の意味(物体の種類、形状、色、材質、広さ、高さ、役割など)をシステムに理解させたうえで行っているため、近づいても景観を劣化させずに表現できるという。
スペースデータは、衛星データと3DCG技術を活用し、バーチャル空間に現実さながらの仮想世界を自動生成するAI技術を開発している。人工衛星から取得する地上の静止画像と標高データに機械学習を行い、地上の構造物を自動で検出、分類、構造化。AIに地上の3Dモデルを自動生成させ、3DCG技術を活用して石、鉄、植物ガラスなどの細かな材質も自動再現。こうした技術をひとつのシステムに統合することで実現した。