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高校生に起業家教育が求められる理由

中小機構が起業家教育事業をスタート これからの時代に必要とされる起業家マインド

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 日本の開業率は主要先進国のなかでも低いと言われているが、そんな日本でも全国の学校で、起業家による講演会を開催したり、起業の仕組みを学ぶ授業を行ったりと、教育の場から取り組みを始めているのをご存じだろうか。中小企業やベンチャーのサポートを行う独立行政法人中小企業基盤整備機構(以下、中小機構)は、2022年より起業家教育事業をスタートしている。全国の高校に向けて、起業家教育プログラムの授業支援や、起業家による出前授業などを支援する。

低開業率と創業無関心者層8割という日本の課題

 中小機構は、日本の中小企業政策の中核的な実施機関として、起業・創業期から成長期、成熟期に至るまで、企業の成長ステージに合わせた支援を行っている。全国に29あるインキュベーション施設(創業支援拠点)を運営するほか、創業に向けたセミナーやワークショップ、アクセラレーションプログラムなどを通じた成長支援など、創業に関する情報を提供している。また、ベンチャーファンドへの出資を行っており、将来的に有望なスタートアップ企業へのリスクマネーの供給という役割も果たしている。

 今回、中小機構が高校生向けの起業家教育事業をスタートしたのには、いくつかの背景がある。「創業は、経済とキャリア選択、この2つの視点で重要と考えています」と話すのは、中小機構で起業家教育事業を担当している野﨑知史氏だ。

独立行政法人中小企業基盤整備機構 創業・ベンチャー支援部 創業・ベンチャー支援企画課 主任 中小企業診断士 野﨑知史氏

 まず、経済の視点では、創業者が増えることにより、経済の活性化につながる。創業による新規参入が進むことで日本全体の労働生産性が上昇し、経済が活性化することが期待される。そしてキャリア選択の視点においても、今後の技術革新によって、現存する仕事の約半数がAIに代替される可能性があると言われている現在、仕事の選択肢が広がる点も大きい。

 しかし、日本の開業率は、海外と比較して非常に低い。「アメリカやイギリスの開業率は約10%ですが、日本の開業率は2020年度時点で5.1%。日本は創業に対する評価の低さや周囲にロールモデルとなる起業家がいないため、創業に関心のある人が少ないのです」と、野崎氏は話す。そこで若年層に向けた起業家教育事業を行い、起業家や創業の具体的なイメージをもってもらうことで創業に対する関心を醸成し、将来的な創業の担い手を輩出することをねらいとしている。

中小機構 起業家教育事業

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