今回レビューするスマホは、サムスン電子の「Galaxy S20 5G」。ドコモとauから発売されている5G対応スマホです。ドコモ版、au版ともに基本スペックは共通していますが、5Gのサービスエリアは異なります。5Gエリアでの使用感も試してみたく、両社から端末を借りて、1週間ほど使ってみました。
世界的に人気を集めた「Galaxy S10」からの正常進化
Galaxy S20 5Gは、6.2型の有機ELディスプレーを搭載し、解像度は3200×1440ドットです。前モデルのGalaxy S10は6.1型で3040×1440ドットだったので、画面がわずかに広くなった程度。
筆者はGalaxy S10を使っていますが、Galaxy S20 5Gを初めて手にした時は、Galaxy S10よりも厚く、重くなったように感じました。しかし、スペックを比べてみると、Galaxy S10が厚さが約7.8mmで、重さが約157gであったのに対して、Galaxy S20は約7.9mmで、約163g。そんなに差はないのです。Galaxy S20は背面のカメラ部が出っ張っているので、スペックの数値以上に厚くなったように感じたのかもしれません。
本体のデザインは、カメラの配置が変更されたことを除けば、エッジにカーブを施したディスプレーや、セラミックのような艶やかな質感の背面パネルなど、Galaxy S10のコンセプトを継承している印象。唯一の大きな違いは、Bixbyキーがなくなったことでしょう。Galaxy S10の左側面には「Bixby」というサムスンのAIアシスタント機能のホーム画面をワンタッチで呼び出せるボタンがありました。そのBixbyキーには、ほかの機能を割り当てることもでき、筆者はワンタッチでカメラを起動する設定にしていました。なので、Bixbyキーが廃止されても、困る人はほとんどいないかもしれません。
5月下旬以降に、画面サイズが6.7型の上位モデル「Galaxy S20+ 5G」も発売されますが、片手での操作性を重視する人は、Galaxy S20+を待たずに、Galaxy S20を買っても後悔しないでしょう。しかし、両モデルは、5Gの対応周波数も異なります。5Gに使われる周波数は、6GHz以下の「sub6」と、高周波帯の「ミリ波」に大別されますが、Galaxy S20はsub6のみに対応し、Galaxy S20+はsub6とミリ波に対応しています。通信性能を重視するなら、Galaxy S20+を選ぶべきでしょう。
5Gエリアでの通信速度をいち早くチェックした!
Galaxy S20 5Gを借りて、真っ先に試してみたかったのが、5Gエリアでの通信速度です。しかし、筆者が住んでいる東京都世田谷区には、残念ながらまだ5Gの基地局がありません。ドコモとauのウェブサイトで調べたところ、5Gは商用サービスが始まったといえ、ごく限られた場所でしか電波をキャッチできないようです。しかも、新型コロナ感染防止のために、電波を探してあちこちを歩き回るなんてことは慎むべきご時世です。自分の日常的な行動範囲の中で、5G接続を試してみました。
ドコモ版は、私用で羽田空港に行ったときに試すことができました。各ターミナルのチェックインカウンター付近が5Gエリアのはずですが、ほとんどの場所では「4G+」と表示されました。チェックインカウンターの近くならばどこでもというわけではなく、ごく一部の場所で「5G」と表示される感じでした。5G接続時の通信速度を測ってみた結果、下り150~300Mbps程度で、もっとも速くて541.5Mbpsでした。1Gbps超えを期待していただけに、残念な結果でした。
auは、4月末までに渋谷の一部で5Gが開通すると聞いていたので、渋谷駅の近くで試してみたのですが、「5G」表示にはなりませんでした。そこで、仕事で新宿に行った際に、西新宿のKDDIビル付近に行ってみました。3月26日のサービス開始時点から5Gに対応していたエリアです。速度を測ってみると、200~500Mbps程度の場所が多く、最速で676Mbpsを記録しました。
最初からわかっていたことではありますが、あちこちで5Gの電波をつかめるようになるまでには、まだまだ時間を要しそうです。また、最近は4Gでも100Mbpsを超える速度を得られることもあるので、5Gにつながらなくても不便は感じません。まだ「5G」そのものは購入動機にはならないだろうなぁ、というのが率直な感想です。
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