海外のホテルの浴室で見かけるアレのこと
このところ、仕事や雑用でバタバタしているせいか、物欲がちっとも湧いてきません。そんな物欲に気合いを入れようと、箱根の温泉に行ったりもしましたが、なんと小雨に降られることに…。まぁ、小雨の露天風呂も、人は少ないし、風情があるといえば、そうなのですが…。
そんな温泉に浸かりながら、「外国のホテルの浴室にあるような、ヒーター付きのタオル掛けが欲しいなぁ…」とヒラメキました。しくみや構造はわかりませんが、タオルを掛ける金属のバーが常に50度くらいの温度になっていて、タオルがいつもフカフカに乾燥しています。入浴後に使ったタオルを掛けておくと、また乾く。なんとも、ラグジュアリーで西洋合理主義的な仕組みであります。「あれが自宅にもあったら良いのになぁ…」と、まさに物欲の神さまからの啓示かもしれません。
英語では「heated towel rails」(暖められたタオルレール)と呼ばれる商品ですが、日本ではあまり見かけません。「タオルレール」でネットで調べると、検索結果は普通のタオル掛けばかり…。
海外のeBayなどで購入もできるかもしれませんが、ヒーターの部類の家電なので電圧や電流など、DIYで改造するにはちょっと不安です。外出時も電源を入れたままにしちゃうだろうし…。
日本名は「タオルウォーマー」。でもそれって飲食店のアレでは…
ネットで悪戦苦闘した結果、日本での商品名は「タオルウォーマー」でした。でも、その名前、飲食店などにある暖かいおしぼりを作る、小さめの冷蔵庫みたいなやつと同じ名前なんですよね…(笑)。
このタオルウォーマー(筆者が欲しい浴室用のヤツ)、いくつかメーカーや生産国があるようで、なかには「浴室のセントラルヒーティングのラジエターをベクトルします。」なんて、謎な商品解説もあって悩みます。
結局、筆者が選んだのはスエーデンのLVI社の製品。その理由は、LVI社はヒーターメーカーの老舗のようで、80年の歴史があること、日本にしっかりとした代理店があることから。後で詳しく触れますが、デザインも超合理的。
最初はアマゾンや楽天などのショッピングサイトで購入しようと思っていましたが、祝日があったせいで納期が1週間ほど。「物欲まみれ」で「すぐに欲しい」筆者としては微妙な納期…。そこで、代理店に電話して、直営サイトで申し込んだら、中1日で自宅に到着しました。ラッキー!代理店の対応も好印象でした。
すべてが絶妙な構造
届いて感心したのは、デザインの超合理性。まず、壁につけるブラケットが回転することで、スイッチとコード部分を右にも左にも設置できます。
商品を持ち上げてわかりましたが、タオルをかけるパイプの内部にオイルが入っていて、それが循環することでパイプ全体やタオルを温める構造になっています。オイルヒーターと同じしくみです。
少し意外だったのは、その重さ。筆者が購入した「TS-K80」は6キロほど。我が家の浴室はコンクリート壁なので問題はありませんが、購入をお考えのかたは要チェックです。ただし、前述したように、小さなオイルヒーターだと考えれば納得な重さです。
秀悦なのは、スイッチ部がさらに水平に90度回転することで、コードを壁に収めることも可能。ただし、この施工方法、スエーデン本社のサイトにはありますが、代理店の説明書には記載がないので、国内では保証対象外になるかもしれません。
強いて悪い点を挙げるなら、漏電防止のアース線が緑なこと。おそらく、日本の法令やガイドラインなどで指定をされている色なのでしょうが、少しダサい。筆者は自己責任で電源コードとともに交換することにしました。
本体が6キロあり、壁付工事なので、大人が2人いると作業がスムーズです。
物欲満足な使い心地
使用して1週間ほどですが、使い心地はほぼサイコー。まさに、物欲魂を満足させる商品でした。入浴と洗髪で使った大判のバスタオルなら、5時間ほどで乾燥します。さらに、タオルが50~60℃に加熱、乾燥されることで生乾きの匂いも発生しない。これは、これからのシーズンではありがたいところです。
使い心地だけでなく、見た目もなかなかラグジュアリーなのも気に入っています。
気になる電気代も、1日に2回シャワーを使ったとして、1日8時間/30日で約436円/月(TS-K80の場合、1kWを26円で試算)なり。
使用中のパイプの温度50~60度は、少し触れてもヤケドはしない温度ですが、手すりがわに使うにはパイプは熱すぎなのでご注意を。
前田知洋(まえだ ともひろ)
東京電機大学卒。卒業論文は人工知能(エキスパートシステム)。少人数の観客に対して至近距離で演じる“クロースアップ・マジシャン”の一人者。プライムタイムの特別番組をはじめ、100以上のテレビ番組やTVCMに出演。LVMH(モエ ヘネシー・ルイヴィトン)グループ企業から、ブランド・アンバサダーに任命されたほか、歴代の総理大臣をはじめ、各国大使、財界人にマジックを披露。海外での出演も多く、英国チャールズ皇太子もメンバーである The Magic Circle Londonのゴールドスターメンバー。
著書に『知的な距離感』(かんき出版)、『人を動かす秘密のことば』(日本実業出版社)、『芸術を創る脳』(共著、東京大学出版会)、『新入社員に贈る一冊』(共著、日本経団連出版)ほかがある。
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