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発見!Steamおすすめのゲーム 第41回

金の前に道徳は無し!警察署長が私腹を肥やすシミュ「This is the Police」:Steam

2016年11月25日 18時00分更新

文● rate-dat 編集●ジサトラアキラ

 立つ鳥跡を濁さずと言う言葉がある――巣立つときは身綺麗にして見苦しくなく去れ。と故人は言うが、ときにはそんな事も考えられない場面なんて現実でも多々あるものである。

 何事も清い人間なんてそうそう居るわけでもなく、どこか後ろめたいものをおもちの方もいらっしゃるでのはないだろうか?

 今回は、そんな後頭部に哀愁漂う老人の物語を紹介しよう。

「This is the Police」は警察署運営を行なうシミュレーションゲームで、署長であるジャック・ボイドとなって退職金を稼ぐことになる。彼は汚職に伴うスキャンダルで告発されており、既に解雇される事が決まっている(無事に済んではいるが汚職に手を染めているのは事実である。)

そのため、秘密裏にとにかくお金を稼ぐのが目的となるゲームだ。

 

清廉潔白を絵に描いたかのようなフリーバーグ市長ロジャー。「無事に辞めるまで私にトラブルをもち込むな。」といきなり釘を刺しに来る。

 基本としては上記の様な流れとなっており、特にイレギュラーがなければ、その日の20時すぎまで業務をこなすことになる。また、操作自体はマウスのみで、忙しい操作などが苦手な人でも安心してプレイできる。

難易度こそややシビアだが考えられたバランス

 一日の流れをまとめると大体はこんな感じだ。

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 解雇まで既に180日と短い時間であるが、普段やらなければいけない仕事は膨大で、警官達の日々のシフト管理、記者会見、現場への指示と目まぐるしく動き回ることになる。日々の予算は自身のポケットマネーから捻出される上、職務も舞台はアメリカな事もあり凶悪事件ばかりである。控えめに言っても良い職場とは言えない。下記で更に詳しく紹介していこう。

指示を出す部下のシフトは一日毎に人員が丸々入れ替わる。人手が足りないときは翌日も勤務超過を頼むことで疲労を持ち越すことになるが連勤させる事が可能だ(茶色の人物は現場勤務の刑事であり、パトロール専門の警官たちとは別の扱いとなる。)

 共通事項として各個人のもつ数値が高ければ高いほど能力は優秀となる。中にはアルコール依存症で酒を飲んで出勤してきたりするとんでもないやつもいるが、そんな人物に車を運転させる必要がある任務へ向かわせると予想通りの大惨事を起こしたりする。

マップ上でポップアップする市民からの通報に対して時間内に警官を派遣する。

 無事に被疑者を確保できれば問題はないが、一般市民を傷つけてしまったりすると評価も下がってしまう。通報内容から事件の強弱を判断して派遣する必要がある。一度派遣した後はオートで対応してくれるが、指示を出さなければならない場合も発生する。

 画像の例では武装した強盗を発見、正面から突撃するか、拡声器で呼びかけるか、隠れて窓から侵入するか。どの手段を用いるかは署長である自身の判断にゆだねられる。選択肢の結果によっては警官の殉職や一般市民が死んでしまう可能性もあるため戦々恐々とする瞬間だ。

 全てが無事に済めば、画像では伝わりにくいが微妙に数字が上がっている。何かひとつでも失敗があれば逆もしかりである。下げ続けるのは簡単だが、上げ続けるのは非常に難しいのだ。

 警察署内で人員の補充も可能だが、枠にも限りがある。動員されるのは次のシフトからのため、人員管理は非常に悩ましい。サボったり、子供の病気等で急きょ休みを申請してくる場合もあるので常に油断ならない。

必要に応じて解雇も可能だ。

 年を取りすぎていたり、サボったり、酒を飲んで出勤する問題持ちであれば簡単に解雇が出来る。問題がない人員でも強引に解雇を行なえるが、その場合は深刻な事態が起こる可能性がある。  とにかくどんな事があっても解雇しなければならないのなら、裏の世界の方達に「お願い」をする事で「英雄」として世界から退場していただく方法もある(その場合は懐を痛めることになるが。)

 ときには殺人事件の捜査もしなければならない。現場から得られる証拠や証言から事件を解決していく。事件はひとつとは限らない、一度配置すると解決までは専任となるので配置は慎重に行なおう。

事件はFRAMES(事件背景)をSEQUENCE(時系列)にドラッグしてはめ込んでいく。捜査で明かされていく背景も全てが正しいとは限らないうえに、証言も変化する場合がある。

 正しい順番で背景を構築できれば逮捕フェーズに移行する。逮捕出来れば同行した警官にも通常よりも高いボーナスが付与されるため、出来れば積極的に解決していきたい。

本作品のキモ、裏社会からの接触

 ここまでは普通の職務内容であったが、ときにはよろしくない人達から「お願い」が来ることがある。上記の画像であれば、”賄賂を渡すので通報があっても警官を寄こさないでくれ。”と言うお手紙(ただし、高確率で凶悪事件となるため評価は非常に下がる)。

 無論、無視して警官を派遣することも可能だが、その場合は「事を荒立てるつもりなのか?」とお手紙が届くことになる。目的の事を考えれば見過ごすのもアリなのだが、そうとも言えない事情がある。それが5日毎に行なわれる、市長への直訴フェーズの存在だ。

給料もうちょっとあがりませんかね?

 市長に対して実績を示し、自身の給料の賃上げやSWATの装備の拡張。刑事と警官の雇用枠の増加を申請出来る。自身の評価が低ければ承認されず、承認されたとしても後から簡単に取り消されるので、目をつぶり続けるわけにもいかないのが困った所である。

 そして、依頼があるのは彼らだけではない。関係のある企業であったり、お友達からのお願いであったりと、事件以外にも気をもむ必要があるのだが、更には本部からは定期的に抜き打ちで監査も行なわれるため、本来の職務は疎かには出来ない。

 

時折行なわれる監査では、抜き打ちで何人かが数日シフトから外されることになる。

自分の懐と治安はトレードオフ。自身の目的の為に市民には犠牲になってもらおう。

 ときにはマフィアに証拠の横流しも行なえる。マフィアから得た利益は警官たちに分配するか、自分の懐に全て収めらか選択可能。利益を分配する事でもしもの時に自身の立場が守られるのだ。

ランダムイベントや選択肢によっては辛い状況を招く場合も……

 上の画像は「黒人警官を2日以内に全員解雇しろ。」と言うイベント。解雇しなかった場合、差別的なコミュニティからの憎悪が高まり、治安に悪影響を及ぼす。人材にも打撃があるが、自分の評価にも関わる最悪なイベントのひとつでもある。

退廃的な世界観と雰囲気のあるBGM

本作品のグラフィックは実にシンプルだ。

 ダーティーな雰囲気と、退廃的な空気はシンプルがゆえに印象に残る。語りかけるような淡々としたナレーションも相まって素晴らしい。この印象に残るボイドの声は「DukeNukem」のデューク様でお馴染みのJon St. John氏である。力強く太い声でありながらも哀愁の漂う老人の存在を一層際立たせている。正にピッタリな人選だろう。

本作品のグラフィックは実にシンプルだ。

 仕事の始まりはレコード群からBGMを選ぶことから始まる。ブランデーを片手にゆっくりと聴きたいそんな洒落たジャズがメインだ。カタログが届けばレコードを買い集める事も出来るのでポケットマネーから買いあさろう。

練りこまれたバランスと、清濁を飲み込む環境

「This is the Police」のバランスはよく練られた物であり、何度もプレイ出来るリプレイ性があり、ゲーム性も兼ね備えた非常に素晴らしい出来だ。ゲームが進むにつれて増えていく要素も、序盤から数多く出てくるものではないため、落ち着いて状況を判断できる。

 だが、本作は現在日本語に対応していない。英語を読む場面こそ多いが、操作などはマウスひとつで行なえるゲームである。また、必要な部分は太字やアイコンで示されるため、英語が苦手な人でも分かりやすいようにゲーム中でもある程度は考慮されているので安心だ。

This is the Policeのが推奨動作環境は?

 推奨要求でもGeforece GTX 560と非常に低い。また、起動時にDirectX9での起動も出来るためWindowsXP以前の環境でもプレイは可能だ。スペックはそこまで考慮しなくても良い。

『This is the Police』
●THQ Nordic, EuroVideo Medien
●1480円(2016年8月3日リリース) ※価格は記事掲載時点のものです
対応OS Windows、MAC、SteamOS
ジャンル ストラテジー、シミュレーション、アドベンチャー、物語
© 2016 Weappy Studio. Published & Distributed by THQ Nordic GmbH, Austria. All other brands, product names and logos are trademarks or registered trademarks of their respective owners. All rights reserved.© 2016 Weappy Studio. Published & Distributed by THQ Nordic GmbH, Austria. All other brands, product names and logos are trademarks or registered trademarks of their respective owners. All rights reserved.

■著者:rate-dat
・Steamのプロフィールページ:Steam コミュニティ :: ratedat
・Twitter:@rate_dat

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