この原稿を書いている9月7日は、アメリカでは「レイバーデー」という休日です。日本で言う勤労感謝の日とでもいうべきでしょうか。割とほとんどのお店が閉まっている、土日と合わせた三連休最後の日です。
そして、気温は30度を軽く超える真夏日。普通数日で終わる真夏日も、今週いっぱい続くようで、こちらに来て初めて夏バテに遭遇しそうな気がしています。
もう一つ、今週夏バテの懸念があるのは、Appleのイベントでの発表が盛りだくさんと予測できること。
昨年はiPhone 6/iPhone 6 Plus、Apple Pay、Apple Watchの3つがリリースされましたが、今年はさらにたくさんのプロダクトのアップデート、あるいは新登場が期待されています。
発表されるプロダクトのうち、どれが欲しい?
おそらく登場するであろう、iPhoneとApple TVは、購入したい考えているプロダクトです。
iPhoneは毎年買い換えられるよう、2年縛りではないキャリアに乗り換えるとともに、中古の買取価格が減額されないよう、1年間ていねいに使ってきました。デバイスの中古買取を行なっているGazellaによると、iPhone 6 Plusの64GB SIMフリーモデルは、355ドルで買い取ってもらえるそうで、これを利用したいところです。
Apple TVについては、2011年に購入したモデルをいまだに使い続けており、最近Netflixを再生していると、途中でシャットダウンしてしまうなど、やや力不足を感じています。その前に、32型で留まっているテレビをなんとかした方が良いのではないかと思うのですが、なかなか壊れるものでもありませんしね。
こうした新製品の中で、最も想像がつきにくいのはiPad Proです。
どんなデバイスになるかは十分に予想されています。12.9インチというMacBookより大きく、13インチのMacBook Air、MacBook Proと同じような画面サイズで、感圧タッチパネルを備え、キーボードカバーやスタイラスといったアクセサリとの組み合わせて使うデバイス、と予測されています。
iOS 9によるマルチタスクと画面分割のサポートなど、スペック面ではだいぶ見えてきました。おそらく、薄さが際立つ、新しい操作性を備えた大画面タブレット、という存在になるのでしょう。
しかしまだわからないのが、自分の生活にどのように入り込んでくるかということです。Proとついているため、一般の消費者や筆者のようなフリーランスのライターでは、使う場面を発見できない可能性も大いにありますが、ではどんな用途とターゲットが設定されているのか、気になるのです。
例えばこの原稿をiPadで書いて、送り届けられるか?
筆者はこの原稿を、暑さで逃げてきた近くのカフェで書いています。残念ながら冷房は入っていませんが、自宅の部屋よりは幾分暑さも和らいで感じられます。
使っているのは12インチのMacBook。原稿を書く使い方であれば目の方が先にバテるんじゃないか、というほどバッテリーは長持ちします。使っているアプリはiA Writer ProというMac向けテキストエディタです。
とにかく目立つ機能がないエディタ、という点が気に入っています。全画面化すれば単なる真っ白な紙を広げているような状況。書式もMarkDownと呼ばれる簡単な記号を使った記法のみに対応しており、余計な気をそらす心配はありません。そのくせ、Microsoft Word形式の出力ができ、書式がきちんと反映されるため、共有に便利な点もポイントといえます。
こうした原稿をひたすら書くだけの作業であれば、MacBookでなくても、iPadでもこなせるのではないか、と思います。幸いなことに、iA Writer ProにはiPhone/iPadで動作するiOSアプリも用意されiCloud Driveでファイルを完全に同期して使うことができます。
つまり、原稿を書くだけであれば、iPadに置き換えることができるはずです。画面サイズが大きくなると、タッチディスプレーに再現されるキーボードのサイズも拡大されることから、外付けのBluetoothキーボードなしでも慣れれば素早い入力を会得できるのではないか、と思います。
唯一問題となるのが、ファイルを共有する際のこと。iPhone/iPad版のiA Writer Proでは、Mac版のように、Word形式で出力することができません。そのため、メールにテキストをベタ打ちして送る方法しかなくなってしまいます。
(次ページでは、「iPadに欲しいのは、自由度(というイメージ)」)
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