今回のことば
「講演では、なぜ私がその領域について、一生懸命語っているのかを不思議に思い、クエッションマークが浮かんでいるのを感じるときがある」
(インテルの江田麻季子社長)
シリコンバレーの巨人が売上高を更新
米インテルが発表した2014年通期の実績は、売上高が前年比6%増の559億ドル、営業利益は25%増の153億ドル、純利益は22%増の117億ドルとなった。
インテルの江田麻季子社長は、「過去最高の売上高を達成した。ひとことで、どこの国がいい、あるいはどこの分野がいいのかとはいえない。新興国も成熟国も、コマーシャルもコンシューマも、すべての価格帯の製品においてもよかった」と前置きし、「描いたゲームプランがうまくいっている。データセンタービジネスも、IoTビジネスも、予想通りの結果になっている。チームワークの強さが原動力になっている」と総括する。
2in1のデタッチャブル型PCを含むタブレット向けの出荷台数は、当初見込みの4000万個を大きく上回り、4600万個を出荷。さらに、PCクライアント事業本部は出荷数量が8%増加、データセンター事業本部は売上高が18%増加。そして、IoT事業本部も売上高は19%増加した。
インテルの宗像義恵副社長は、「いままで以上に、プロダクトの市場競争力が高まっている。Edison、Galileoといった開発プラットフォームに対しても評価が集まっている。いまのインテルには、エンジン全開といった表現が当てはまる」と語る。
巨大企業を動かす経営速度
こうしたインテルの好業績に対して、江田社長、宗像副社長、そして、阿部剛士副社長が異口同音に語るのが、経営スピードの向上と社内コミュニケーションの強化による体質改善効果だ。とくに日本法人における変化には自信をみせる。
「私は、社長就任以来、これまで以上に市場の動きや、市場ニーズを取り込める、アウトサイドイン型の会社になることを目指した。そしてもうひとつは、ベロシティ。単にスピードをあげるだけでなく、定めた方向に対して、加速していくことを目指したい」と江田社長。続けて、「どんな企業でもそのまま放置しておくと、スピードが遅くなる。変化がますます激しくなるなかで、その速度に遅れないように、社内を変えていかなくてはならない。社長に就任して感じたことは、日本全体がインテルのようなスピード、同じペースで動けるようになれば、もっと競争力が高まるということ。そうした環境づくりが多くの企業に求められている」とする。
阿部副社長も、「いまのインテルは、朝令暮改ならず朝令昼改。変化に対応するためには、それぐらいの意識が必要。インテルは、10万人の会社であり、大企業の1社である。大きな船が舵を切っても、曲がり始めるのは30分後。そうした企業にならないようにしている」とする。
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