人工知能搭載のレーシングミニカーを支えるテクノロジー
STマイクロのSTM32、iPhoneで操作する人工知能搭載ミニカー「Anki Drive」のプロセッサに採用
2013年11月27日 19時50分更新
STマイクロエレクトロニクスは11月27日、同社の32bitマイクロコントローラー「STM32」が、米Ankiが発売する人工知能搭載レーシングミニカー「Anki Drive」に採用されたと発表した。
「STM32」ファミリーは同社の組み込み型マイクロコントローラーで、ARM Cortex-MプロセッサーをベースにSRAM、ROM、I/Oを備え、クロック数/メモリ/電力消費などさまざまなバリエーションがあり、数100種類がラインナップされている。各種の産業用制御機械への組み込み用途からホビーレベルの自作マイコンボードまで幅広く利用されているベストセラー製品だ。
Anki Drive(アンキ・ドライブ)は、カーネギーメロン大学卒業生たちが立ち上げた会社Ankiの初製品となる対戦型ミニカーレースゲーム。iPhoneなどiOS機にインストールしたアプリから操作し、バッテリー/モーター駆動のミニカーを走らせるのだが、単なるラジコンと違ってコース(シートとして用意される)のレイアウトや同時に走行している他車をセンサーにより毎秒500回計測する。これにより走り込めばユーザーの走行パターンを学習して、コース取りがうまくなっていくという。また、同時に走っている他車を攻撃するといった機能もある。
STマイクロエレクトロニクスは、毎秒500回ものデータ分析、光学センサーの入力や無線通信、モーター制御などをリアルタイム行う2万行以上にもおよぶコードを走らせながらも電力消費を抑えるといったAnki Driveの制御にSTM32マイクロコントローラーが適した製品としている。
Anki Driveは米国およびカナダですでに発売中で、レースコースとなるマット+ミニカー2台のセットが199ドル、車両は1台69ドル。