※この記事は新田龍氏のメールマガジン「ブログには書けない、大企業のブラックな実態」(「ビジスパ」にて配信中)から選んだコンテンツを編集しお届けしています。
期待に胸を膨らませて入った会社。しかし入社後、何か雰囲気がおかしいことに気付いたら…ブラック企業アナリストの新田龍氏が、そんなときの対処法を解説。本記事では、すぐにでも移ったほうがよい場合の見極め方を伝える。
たとえ入社後であっても、ブラック企業に取り込まれないようにするにはまだ間に合う。
入社後、後述のリストにあるような事実に直面したとしよう。いずれも法律やモラルを無視するような、ブラック企業に典型的な事象の数々である。しかしまずは落ち着いて、冷静に状況を判断すべきだ。
アドバイスはきれいに二分化
入社した後、入った会社がブラックだと判明した場合にどうすればいいのか。
必死な思いで就職・転職活動をし、期待に胸を膨らませて入った会社。でも不幸なことに、入社後「何か雰囲気がおかしい…」と感じるなど、「こんなはずじゃなかった!」となったときはどうしたらいいのだろうか。
世間では、そのような「入社直後に辞める」ことへのアドバイスがきれいに二分化している。
ひとつは、「会社にしがみついてでも辞めるな!」というもの。このご時世、給料も上がらないし、そもそも雇ってくれるところ自体そんなにない。今の会社のままでも、なんとか生きていけたらいいじゃないか、といった論調である。
もうひとつは「すぐに辞めて、無駄な時間を過ごすな!」という意見。大事な人生、いつ潰れるかわからない会社に賭けるのはキケンだ。ドツボにはまる前にサッサといい環境みつけて行動しよう、といった論調だ。
ちなみに、この原稿を執筆している2012年6月下旬、Googleで「会社辞めるな」と「会社辞めろ」、2つの言葉を検索してみた。結果は「辞めるな」が約 8,710万件、「辞めろ」が約296万件。圧倒的に「辞めるな派」のほうが多勢のようだが、実際のところ、どうしたらいいのだろうか。
私の考えでは、この選択肢はいずれも正解である。ただ、「それが当てはまる状況」が違うということだ。以下にチェックリストを設けてみた。ご覧の通り、皆さんが置かれた状況がどちら寄りであるかによって、とるべき方向性は全く違ってくる。率直に現状と向き合った上で検討されるとよいだろう。
すぐにでも移ったほうがよい場合
その上で今回解説するのは、自分自身の問題ではなく、明らかに環境要素が問題の根源になっている場合である。
チェックポイントをリスト化した。まずはこちらを参照頂きたい。
ひとつでも当てはまる項目があれば要注意。会社を離れることで、あなた自身の安定、安心が確保できる可能性が高まることになる。そしてもし3点以上当てはまる場合は、現在の環境を抜け出すべく早急に行動を起こすことをお勧めする。このような状態に置かれた方にとっては、現在の会社に期待できるものは何もなく、そこに「居ること自体がリスク」になってしまうのだ。「石の上にも三年」といったアドバイスはむしろその人の将来の可能性を摘んでしまう凶器になってしまうだろう。
転職やキャリアについて書かれた本の中では、「不満による、逃げの転職はいけない」というアドバイスを目にすることが多い。「逃げグセがつくし、転職先でも恐らく不満を感じて、今と同じような思いを抱くことになるだろう」というのが理由だ。
確かにそれは正論だし、私だって同様のアドバイスをすることも多い。だが、世の中には「逃げなくてはならない」会社も存在する。まさにこの「辞めるべき会社」のように、「会社環境が自分自身のキャリアと将来に明らかに悪影響を及ぼす場合」がそれだ。
不幸にもそんな会社に巡り合ってしまったときは、自分自身を大切にしてほしい。周囲の意見を気にしたり、そんな会社を選んだ自分を責めたり、ましてやその会社に義理立てするなどの必要は一切ない。時間をムダにすることなく、まず行動を起こしてほしい。
※メルマガ(vol.014)では、上記リストに加え「こんな場合はすぐ辞めるべきチェックリスト」も併せて提示。また、続くvol.015では、辞めないほうがよい場合についても解説している。メルマガをチェック!
【筆者プロフィール】新田 龍
ブラック企業アナリスト 株式会社ヴィベアータ 代表取締役 「ブラック企業ランキング」ワースト企業で事業企画、コンサルタント、新卒採用担当を歴任。日本で唯一の「ブラック企業の専門家」として、TVや各種メディアでのコメンテーター、講演、執筆実績多数。 著書に「伝説の就活」・「逆転内定」シリーズ、「人生を無駄にしない会社の選び方」、「ブラック企業を見抜く技術・抜け出す技術」、「就活の鉄則!」など。
「ビジスパ」にてメルマガ「ブログには書けない、大企業のブラックな実態」を執筆中。
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