アップルの新スマートフォン、「iPhone 4S」が14日午前8時にいよいよ発売される。それに先立ち約1週間、先行して同機を触る機会に恵まれた(ソフトバンク版のiPhone 4Sを試用)。
iPhone 4は、従来とほとんど変わらない外観でありながら、その中身には「確かに未来がやってきた」と実感させられる機能が凝縮され、ふとした場面でニヤッとさせられる。
確かな違いが内部に盛り込まれた「iPhone 4S」
先週は、アップルに関して同じメディアから2度取材を受けることが多かった。iPhone 4Sの発表と、そのすぐ後に起きた悲しいニュースについてだ(関連記事)。2度目のインタビューの時、「それにしても、今回の新製品は『iPhone 5』でなくて残念でしたね」と言われることが多かったのだが、実際にiPhone 4Sを手にしていた私は複雑な心境だった。
iPhone 4Sは、見た目こそiPhone 4とそっくりだが、触れば確かな違いに気づかされる。iPhoneに詳しい人なら、2008年の「iPhone 3G」と翌年発売の「iPhone 3GS」では、日本語入力を心地よくできるか否かという点など、大きな差があったことを覚えているはずだ。
今回のiPhone 4Sも、単にグラフィックスパフォーマンスが7倍高速化されたというだけではない。カメラの解像度が高くなり、(ただ高くなっただけでは写りが暗くなるので)併せてセンサーと光学系(レンズ)が改善された。通信関係では、ソフトバンクが採用するW-CDMA方式通信をさらに高速化したHSPA通信機能を内蔵。同時に、KDDIが採用するCDMA 2000方式での通信機能も搭載した。アンテナの数を増やし、常にどちらか電波の受信感度がいいほうのアンテナを使って通信を行なう機能も採用されている。
本体が分厚くなったり、バッテリー寿命が短くなったりしてもおかしくないほど新機能をてんこもりにしておきながら、定評ある優美で薄いボディーはそのままなのだ。
またそのおかげで、ほとんどのiPhone 4用のアクセサリーを使える点にも触れておくべきだろう。iPhoneのような年間8000万台以上も売れる機器において、一定期間形状が変わらず、従来のアクセサリーを流用できるのであれば、パッケージなど大量のゴミをそれだけ減らせることになる。