モバイルノートではないとはいえ、2kg弱となれば持ち運びも十分可能。そうなると気になるのがバッテリー駆動時間だ。デルではXPS 14zのバッテリー駆動時間を、最長6時間42分と称している。計測方法は日本で一般的な「JEITA測定法1.0」ではなく、海外では一般的な「MobileMark 2007」を使用しているので基準が異なる。とはいえ、どちらも公称値と実測値に大きな差があるのは変わりなく(公称値の半分~7割程度が相場)、実測してみないことには実力がわからない。
デフォルトのバッテリー関連設定のまま自動スリープ等をオフにし、定番のバッテリーベンチマークソフト「BBench」を使用して、無線LAN接続状態でのバッテリー駆動時間を計測したところ、満充電から約4時間26分動作した。長いとは言えないが、ちょっとした会議や家庭内モバイルなら十分な動作時間と言えよう。
独自ランチャー「Dell Stage」は存在感が希薄
デルのコンシューマー向け製品には、独自アプリ・コンテンツランチャーが搭載されているのが大半で、XPS 14zにも「Dell Stage」と称するランチャーソフトが導入されている。デルはスマートフォン・タブレットでも同名のウィジェットを提供しているなど、デル製品共通のブランド名とする考えがあるようだ。
とはいえ、XPS 14zのそれはスマートフォンのものとは見た目や操作感も異なるなど、まだまだ模索が続いているようだ。今のところは異なるプラットフォームのUIや操作感を統一させる、という段階には至っていない。
XPS 14zのDell Stageだが、デスクトップ上に「音楽」や「フォト」「ビデオ」といった具合に、パソコン内の各コンテンツにアクセスするパネルと、パソコンの各種設定やドキュメント、さらには各種コンテンツをホームネットワーク内のデバイスやオンラインストレージと同期させる「SyncUP」といった機能が用意されている。なお、SyncUPはCD/DVDライティングソフトで名高いNero社の製品だ。
「雑誌」のパネルは、電子雑誌ビューワー「Zinio Reader 4」を起動するショートカットとなっている。海外発の電子雑誌サービス「Zinio」の閲覧ソフトであり、購読できる雑誌も海外の雑誌が多い点が特色と言えようか。ジャンルにも寄るが、日本語コンテンツはまだ多くはない。
Dell Stageはパソコンを使いやすくし、他社製品との差別化をしようという試みであることは理解できる。ただ、これがあるおかげで素晴らしく使いやすいというほどのものでもない。デスクトップ中央にドンと陣取るほどの価値があるかというと、いささか疑問だ。
★
ノートパソコンの売れ筋であり、多くの製品がひしめくスタンダードノートの中でも、XPS 14zは洒落たデザインにコストパフォーマンスの高さを兼ね備えるなど、非常に充実したお買い得の製品と言える。「MacBook Proに似たデザイン」と言ってしまえばそれまでだが、XPS 14zより見栄えのいいスタンダードノートはまずない。
国内メーカーも最近ではスタンダードノートの低価格化を進めてはいるが、概してそうした製品は、CPUにPentiumやCeleronといった性能が低めのものを採用している。独立GPUや速いが高価なSSDを採用することもない。だがXPS 14zはこれらを選択しても値段は高くない。文句なくお勧めできる製品と言えそうだ。
XPS 14z(スタンダードパッケージ) の主な仕様 | |
---|---|
CPU | Core i5-2430M(2.40GHz) |
メモリー | 4GB |
グラフィックス | CPU内蔵 |
ディスプレー | 14型 1366×768ドット |
ストレージ | HDD 500GB |
光学ドライブ | DVDスーパーマルチドライブ |
無線通信機能 | IEEE 802.11b/g/n、Bluetooth 3.0 |
インターフェース | USB 3.0×1 USB 2.0×1、7in1 メディアカードリーダー、HDMI出力、Mini DisplayPort出力、10/100/1000BASE-T LANなど |
サイズ | 幅335×奥行き234×高さ23mm |
質量 | 約1.98kg |
バッテリー駆動時間 | 最大6時間42分 |
OS | Windows 7 Home Premium SP1 64bit版 |
実売価格 | 7万9980円 |
発売日 | 11月15日 |
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