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PROSUME 2010レポート

筑波大も“Make”ずに電子工作系ワークショップを初開催!

2010年08月09日 18時00分更新

文● 佐久間康仁/ASCII.jp編集部

 米国発のはっちゃけ自作系ワークショップ“Make: Tokyo Meeting”は、今年5月に東京で5回目のイベントを東京工業大学の大岡山キャンパスを使って開催した(関連記事)。そんなイベントに刺激を受けてか、8月7日と8日に筑波大学で電子工作系ワークショップ“PROSUME(プロシューム) 2010”が開催されるというので、早速取材してきた。

 Makeは、アイデアの奇抜さや独創性、見た目のインパクトのほうが重視され、一目で笑える、(いい意味で)呆れる、“バカ工作”を自認――といった、どちらかと言えばパフォーマーの集まりというイメージが強い。対してPROSUMEのほうは、産学連携によるベンチャー企業の育成を目指している筑波大学らしく、より実用的でコストや生産性も考慮した内容にシフトした印象を受ける。

 ここでは、記者の独自視点で見つけたユニークな発表をピックアップして紹介しよう(以下敬称略)。


会場を一周取材しても、まだ対戦は続いていた!?
対戦型オセロロボ“LEGO+Plays Othello Ver.2.0”(いま研)

 レゴとセンサー、制御システムを組み合わせて、人間と対戦できるオセロロボットを作った。コマの吸着には電磁石を使い、白黒の判別や盤面の状況をチェックするセンサーで最適な手を選んで“ゆっくりじっくり”指していく。

 写真はコマを操作するための制御系ユニット。これと別に盤面を動かすユニットもある。コマの表裏を入れ替える、自販機のようなコインレールもレゴで作っているあたり、こだわりを感じる。Make:05にも出展したが、改良を加えて新たに展示したもの。


テレパシーならぬ筋肉を動かすための微量電流で家電を操作!
“筋電位計測システムの開発と応用”(西田 惇)

 筑波大学1年の西田氏が、高校3年生時代に研究したという筋電位による入力システム。人は筋肉を動かす際に、神経を通じて微弱な電流(制御信号)が流れる。その信号を皮膚表面から計測して、入力デバイスなどに利用するというもの。

 今年5月には米カリフォルニアで開催された、インテル主催の国際科学・エンジニアフォーラムにも招待され、この内容をプレゼンしたという。実際に手(筋肉)が動かなくても、動かそうとする信号が神経を通じて流れれば計測できるというので、身体が不自由な方にも使えるユニバーサル・インターフェースとしての応用も期待したい!


画面タッチはもう古い? 次は空間タップで操作しよう!
“aeroTAP”(ネクステッジテクノロジー)

 すでに実用化されている技術も展示されていた。aeroTAPは、ユーザーの動きと操作画面(例えばWindowsのデスクトップ)を重ね合わせて、ユーザー自身が画面のアイコンをタップする動きを検知して、ソフトの起動や入力を行なう。

“aeroTAP”

個人利用のデモとして、PCで“Google Earth”を操作することもできた

 応用例として、デジタルサイネージのような公共スペースの大きな地図で、ある地点の詳細が知りたいときに、画面を直接触ることなく操作ができる。ユーザーの動きそのものも人目を引くので、サイネージとしての効果は大きい!


バスがひまわりで動く!?
“バイオディーゼル燃料”(サンケァフューエルス)

 こちらも実用化された技術の展示。サンケァフューエルスは筑波大の研究室から立ち上がったベンチャー企業だ。ひまわりの種を原料にバイオディーゼル燃料を作っている。燃料としての販売だけでなく、品質管理も商品としており、すでに土浦市内の循環コミュニティバス(1台)と一部の公用車に2年半も採用されているという。

 ただ現時点ではひまわりの生産量(生産コスト)と、そこから産出できる燃料が割に合わないなど、課題は多い。しかし、改良を重ねて将来の低炭素・循環型社会の実現に向けて取り組みを継続していくとのこと。

掲載当初、「つくば市内の循環バスにバイオディーゼル燃料が採用」、という旨の記述がありましたが、正しくは土浦市内となります。関係各所にお詫びして訂正いたします。(2010年8月11日)


 (次ページ、「ゆるふわ系展示も……」に続く)

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