要するにニコニコで素材庫を作ろう──。
「ニコニ・コモンズ」は、ドワンゴが「ニコニコ動画(夏)」の新要素として発表した、二次創作を支援する著作物の利用ルール、および著作物を管理するウェブサイトのことを指す。
ニワンゴ取締役の西村博之(ひろゆき)氏は、4日に開かれた「ニコニコ大会議2008」にて、ニコニ・コモンズについて冒頭のように語った。8月中旬に始まる予定のこの新しいルールは、ネットユーザーにどういった利点をもたらすだろうか。ニコニコ大会議の内容をまとめていこう。
自由に使える「素材庫」
現在、ニコニコ動画では、ユーザー同士が素材を共有し合って動画を作るというスタイルが確立されている。例えば、音楽を作るのは得意だけど、ビデオ編集やイラストを描くのは苦手というクリエーターの場合、ニコニコ動画内の別の動画やネットの投稿サイトなどから画像や動画を「借りて」きて使うという感じだ。
ニコニ・コモンズは、こうしたクリエーター同士のコラボレーションを後押しする仕組みになる。今のところ、画像、音楽、動画の素材を、プロ/アマ、法人/個人を問わずに受け付けるという。
まず、素材を使いたいクリエーターにとっては、「利用ルールが明確な素材が簡単に手に入る」というのがメリットだろう。
ひろゆき氏は、「今まではどの素材を、誰が使っていいのか、勝手に使うと怒られるのかっていうのが分からなかった。(ニコニ・コモンズは)ニコニコ動画で作品を作るときは自由に使ってもらってかまいませんよ、っていう素材庫です」と紹介する。
ドワンゴ顧問の夏野剛氏は、「コンセプトは公式な黙認」と紹介する。本来、著作権法的には、その素材の著作権を持つ人に許可を取ってから素材として使うのが筋だが、ニコニ・コモンズならそうしたやり取りなしに、登録申請のみで済ませられる。