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十勝地方で「ココイチ」を撤退に追い込んだカレーチェーン「インデアン」の魅力とは

 今や日本人の国民食といっても過言ではないカレーライス。全日本カレー工業協同組合、日本缶詰びん詰レトルト食品協会が公表している統計から試算したところ、1人あたり年間約79回食べていることになるとか。

 家でも外でも食べる機会は多いと思うが、国内最大のカレーチェーンは“ココイチ”の愛称で親しまれる「カレーハウスCoCo壱番屋」。1245店(2024年2月末時点)と圧倒的な店舗数で全都道府県に出店しており、食べに行ったことがある人も多いはずだ。

 だが、そんな同チェーンが二度にわたって撤退を余儀なくされた地域がある。北海道の十勝地方だ。21年1月、帯広に隣接する音更町内にあった店舗の閉店後は、ココイチ空白地帯となっている。

 時期的にコロナ禍ということで飲食店にとっては厳しい状況だったのは容易に想像がつくが、十勝という地域的な要素も影響している。実は、この地域には「インデアン」というローカルカレーチェーンがあり、地元住民から絶大な支持を得ているからだ。1号店のオープンは1968年とココイチ(1978年)より歴史は古く、現在は帯広を中心に十勝地方に11店舗、さらに釧路市内に2店舗の計13店舗を展開。帯広といえば全国的には豚丼が有名だが、地元のソウルフードといえば、このインデアンのカレーなのだ。

 ちなみにルーは、インデアン、ベーシック、野菜の3種類。お家で食べるようなドロッとしたカレーで飽きの来ない味になっており、基本の「インデアンルー」のカレーは550円。トッピングを付けて1000円前後になることも珍しくないココイチに比べてリーズナブルだ。しかも、ライスなしのルーのみのテイクアウトにも対応しており、鍋を持参すれば容器代不要で直接入れてもらえる。

 北海道は函館のご当地バーガーチェーン「ラッキーピエロ」が全国的に知られているが、そのせいでマクドナルドなどの全国チェーンが苦戦を強いられるのは有名な話。コンビニ業界でもシェア1位は、3大チェーンを抑えて地元のセイコーマートだ。

 今では札幌名物として観光客に人気のスープカレーほどの知名度はないが、一食の価値はあるはず。帯広を訪れた際にはぜひ立ち寄ってみることをオススメしたい。

(高島昌俊)

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