[go: up one dir, main page]
More Web Proxy on the site http://driver.im/

2015-06-11

乙女JAZZ系譜

最初に断わっておくと、乙女JAZZって呼び方はおれが勝手にそう呼んでるだけで、一般的ではないです。

で、ここでいう "乙女" がなにを指しているかというと、「聴いていると胸を押さえてうずくまりたくなる」感覚を指します。

まり、おれの乙女心を刺激するJAZZってわけです。

おっさん乙女心なんてキモいだけじゃ!って話ではありますが、まあ、そこらへんは深く追求しない方向で。


Bill Evans - MASH Theme (Suicide is Painless)_

https://www.youtube.com/watch?v=CS71hU5Xsxk

現代ジャズピアノの道を大きく広げた一人であることに異論はないであろうエバンス

上に挙げた曲では、イントロからドラム/ベースが入ってくるところとか、テーマから抜けるところで、胸を握られる感じがします。ドラマチックでわりと大味なテーマからリリカルフレーズに抜ける部分がどれも秀逸。緩急の波があって、甘ったるいだけではないところなんかも素晴らしいのではないかと。

この曲が入ってるアルバム You Must Believe in Spring個人的には好きです。


Enrico Pieranunzi & Marc Johnson - Islas

https://www.youtube.com/watch?v=Xo8bJToO8Es

乙女街道のド真ん中を行く人と言えば、ピラヌンツィ。

ほとんどどの作品でも乙女心を刺激するピアノが聴けます

たぶん、一番知られているのは Play Morricone かなと思うのですが、個人的おすすめしたいのはマークジョンソンとのデュオである Transnoche です。これは最初から最後まで胸を締め付けられっぱなしです。上に挙げた曲もこのアルバムから

ピラヌンツィは一度見たことがあるのですが、すんごいマッチョピアノを弾いていてビビりました。「え?キャラちがくね?」という。でも、改めてアルバムを聴いてみると、タッチはかなりカッチリしていて、速いフレーズでもあいまいさはないんですよね。実は。。


Marcin Wasilewski trio - Hyperballad

https://www.youtube.com/watch?v=nwZazYKOeqo

ecm の現エース。なのか?わかりませんが、マルチンボシレフスキです。

ビョークカバーです。もちろん元曲が良いというのもありますが、アレンジも秀逸です。サビがもう。おれの胸は壊れそうです。

この曲が入っているのは ecm での 2nd ですが、ecm からの 1st ではプリンスなんかカバーしてて、そちらも良いです。ecm 以前の作品もありますが、入手性が悪く(おれが買おうとしたころの話。今は違うかも。)、苦労して手に入れた割にイマイチな印象。なので個人的には ecm に移ってからが好きです。

わりとのっぺりとしたプレイスタイルですが、それが"引き"の強さにつながっていると思います



Ketil Bjornstad - The Sorrow in her eyes

https://www.youtube.com/watch?v=SPNZseT8Ihk

ジャズか?という話もありますが、ケティルを。

個人的に最も聞いたのがこの曲が入っている Floating というアルバムなんですが、多作でいろんなことをやる人なので、興味があれば掘ると非常に面白い人です。

上に挙げた曲は、ジャズジャズしいジャズと比べると、もう少しダイレクトメジャー/マイナー感があり、クラシックぽいなあと思わせる要素が見られます。ケティルはそうした要素をかなり高度に消化しており、明るさを増すところ、暗さを増すところ、それぞれ胸に迫るものがあります



The Song is You - Fred Hersch

https://www.youtube.com/watch?v=jL9zmiz3Glw

個人的には、今生きているピアニストで最も好きな人かもなフレッドハーシュ。

いろんな人とやるし、いろいろなことをやる人ですが、常に自身ピアニズムを強く維持しているように見えます

どんなタイプの曲でも、ある方向だけに傾倒していかない強いバランス感覚があるというか、考え抜かれていると言うか。。

ライブ見る機会がありましたが、ソロの一番良いところでサステイペダルを踏んでコード弾きとか、もう、「殺す気か!?」ってぐらい刺さった記憶がいまでも生々しくよみがえります

おススメは Alone at the Vanguard なんかが順当なところでしょうが個人的に Julian Lage とのデュオ Free Flying なども挙げたいところ(乙女分は少ないので、乙女分を求める向きには Alone~がおすすめ。)。

記事への反応(ブックマークコメント)

ログイン ユーザー登録
ようこそ ゲスト さん