ママ達にとって、「おちんちん」はよくわからないものだと思います。
でも「おちんちん」にまつわる病気も色々とあり
男性医師と「おちんちん」について話合わなければいけない時がありますよね。
なかなか突っ込んで質問しにくい分野じゃないでしょうか?
小児科医師としても、
ママ達と「おちんちん」の話をするのはちょっとやり辛いところはあります
おちんちんというものはこういう構造をしていて。。。などと話始めたら
なんともいえぬ微妙な空気になることもあります
病院では聞きにくいし、こちらもちょっと話し辛いところがあるので
ブログ上で色々説明させていただくことにしました。
今回はおちんちんの、特に「包茎」について書こうと思います。
まずおちんちん(陰茎)の構造は下の図のようになっています
包茎は、陰茎先端の亀頭が包皮という皮に覆われていて露出していない状態のことです
思春期に包茎の子は「ホーケーホーケー」とからかわれてしまうことがありますが
新生児はみんな包茎です
包茎であるのは、将来の生殖活動のために亀頭を保護するためといわれています
(子供の頃包茎であるのには意味があるんですね)
思春期になりホルモンの作用で包皮が柔らかくなり、
だんだんと皮が剥けてきて包茎でなくなります
ですから基本的には自然に皮は剥けるものですから
子供のうちに特別治療する必要はありません
治療は下記の状態になった時に考慮します
①亀頭包皮炎を繰り返す
②尿路感染症を繰り返す
③嵌頓包茎
(亀頭包皮炎は亀頭と包皮周辺が尿や便などによってあれたり、そこに細菌感染を伴ったりすることで炎症を起こす状態です。尿路感染症は、細菌が尿道を通って膀胱や腎臓に感染する状態です。)
包皮輪(つまりおしっこの出口)がとても狭い場合
尿がまっすぐ飛ばず、放射状に飛び散ったり
図のように排尿時バルーニング(亀頭と包皮の間に尿がたまり風船状に膨らむ)
が起こるようなときは、亀頭と包皮の間に細菌感染を起こして
亀頭包皮炎を起こしたり
場合によっては尿路感染症を起こして全身性に発熱します
あるいは、包皮輪が狭いにもかかわらず無理やり亀頭を露出させると
図のように陰茎がキュッと締め付けられて、血流障害が起こる「嵌頓包茎」が起こります
つまり剥いたけど、戻らない!!
このようなパターンの場合は治療として
・ステロイド軟膏による包皮の翻転
・手術治療
が考慮されます。
このように症状があるときの包茎は治療対象となりますが
症状のない包茎は基本的に治療対象とはなりません
では包茎に対して
日頃のケアはどのようにすればよいでしょうか?
その目的は亀頭包皮炎や、尿路感染症を起こさないようにすることです
そのために陰部は清潔に保ちます
とくに気温があがってくると陰部は蒸れやすく、包皮にあせもができることもあります
汗や尿、便をふきとる、洗い流すことで清潔を保つことがひとつと、
もう一つは恥垢のケアです
恥垢はおちんちんを軽く剥くと、くっついている白いものです(2番めの画像の右側参照)
これは包皮と亀頭の間に分泌物や、剥がれ落ちた皮膚の細胞などがたまったものです。
普通の状態で存在するもので、包皮と亀頭をむくための潤滑油的な役割もありますが
たまりすぎていると細菌感染の原因となることもあります
軽く剥いた状態で表面についている恥垢をふきとるか、洗い流すことが必要となります
ここで言う「軽く剥く」は陰茎の真ん中~根もとあたりから皮膚を引っ張って伸ばして
抵抗を感じたらそこでSTOPです。
抵抗を感じたところよりも伸ばそうとすると傷つける可能性があり注意が必要です
陰茎は感覚が鋭敏な部位ですから、力を加えると結構痛いです。
(オトコにしかわからない痛み・・)
時々、しっかり剥いて洗うよう指導されている人もいますが
強く剥くことで出血したりすることがありおすすめできませんし
嵌頓包茎のリスクもあります
******
加えて
3~5歳くらいの子が、夏などの蒸れる時期に陰部をポリポリと掻いていて
亀頭包皮炎を起こすことはよくあることです
陰部の清潔はもちろん、スキンケアでかゆみをコントロールしてあげることも重要です
そして、おしっこをするときに先端に尿が残っていて皮膚炎を起こしていることが多いです
正しいおしっこの仕方を男性に教えてもらってください
つまり
・おちんちんをふる
・ぴょんぴょん飛ぶ
などして、先端に残っている尿を落とすのです(伝わってるかな?)
もらしてもないのに、パンツに尿がついていることありませんか?
もしあればおしっこの仕方の問題があるかもしれません。。
どうでしょうか
夏はとくにおちんちんトラブルが増える時期です
日頃のケアにこの記事を役立てていただけたら幸いです。
まとめ
・子供の包茎は症状がなければ、基本的に無治療でよく自然に剥けるのを待つ
・無理に剥くことで傷つけることがあり、優しくケアする必要がある。
・陰部のスキンケアおよび、正しいおしっこの仕方により予防できるトラブルがある。
参考文献
①浅沼宏:「病院にいったほうがいい?子供の包茎」チャイルドヘルス、1月号(2013)
②吉野薫:乳幼児健診Q&A(小児科診療特大号2012)
でも「おちんちん」にまつわる病気も色々とあり
男性医師と「おちんちん」について話合わなければいけない時がありますよね。
なかなか突っ込んで質問しにくい分野じゃないでしょうか?
小児科医師としても、
ママ達と「おちんちん」の話をするのはちょっとやり辛いところはあります
おちんちんというものはこういう構造をしていて。。。などと話始めたら
なんともいえぬ微妙な空気になることもあります
病院では聞きにくいし、こちらもちょっと話し辛いところがあるので
ブログ上で色々説明させていただくことにしました。
今回はおちんちんの、特に「包茎」について書こうと思います。
まずおちんちん(陰茎)の構造は下の図のようになっています
包茎は、陰茎先端の亀頭が包皮という皮に覆われていて露出していない状態のことです
思春期に包茎の子は「ホーケーホーケー」とからかわれてしまうことがありますが
新生児はみんな包茎です
包茎であるのは、将来の生殖活動のために亀頭を保護するためといわれています
(子供の頃包茎であるのには意味があるんですね)
思春期になりホルモンの作用で包皮が柔らかくなり、
だんだんと皮が剥けてきて包茎でなくなります
ですから基本的には自然に皮は剥けるものですから
子供のうちに特別治療する必要はありません
治療は下記の状態になった時に考慮します
①亀頭包皮炎を繰り返す
②尿路感染症を繰り返す
③嵌頓包茎
(亀頭包皮炎は亀頭と包皮周辺が尿や便などによってあれたり、そこに細菌感染を伴ったりすることで炎症を起こす状態です。尿路感染症は、細菌が尿道を通って膀胱や腎臓に感染する状態です。)
包皮輪(つまりおしっこの出口)がとても狭い場合
尿がまっすぐ飛ばず、放射状に飛び散ったり
図のように排尿時バルーニング(亀頭と包皮の間に尿がたまり風船状に膨らむ)
が起こるようなときは、亀頭と包皮の間に細菌感染を起こして
亀頭包皮炎を起こしたり
場合によっては尿路感染症を起こして全身性に発熱します
あるいは、包皮輪が狭いにもかかわらず無理やり亀頭を露出させると
図のように陰茎がキュッと締め付けられて、血流障害が起こる「嵌頓包茎」が起こります
つまり剥いたけど、戻らない!!
このようなパターンの場合は治療として
・ステロイド軟膏による包皮の翻転
・手術治療
が考慮されます。
このように症状があるときの包茎は治療対象となりますが
症状のない包茎は基本的に治療対象とはなりません
では包茎に対して
日頃のケアはどのようにすればよいでしょうか?
その目的は亀頭包皮炎や、尿路感染症を起こさないようにすることです
そのために陰部は清潔に保ちます
とくに気温があがってくると陰部は蒸れやすく、包皮にあせもができることもあります
汗や尿、便をふきとる、洗い流すことで清潔を保つことがひとつと、
もう一つは恥垢のケアです
恥垢はおちんちんを軽く剥くと、くっついている白いものです(2番めの画像の右側参照)
これは包皮と亀頭の間に分泌物や、剥がれ落ちた皮膚の細胞などがたまったものです。
普通の状態で存在するもので、包皮と亀頭をむくための潤滑油的な役割もありますが
たまりすぎていると細菌感染の原因となることもあります
軽く剥いた状態で表面についている恥垢をふきとるか、洗い流すことが必要となります
ここで言う「軽く剥く」は陰茎の真ん中~根もとあたりから皮膚を引っ張って伸ばして
抵抗を感じたらそこでSTOPです。
抵抗を感じたところよりも伸ばそうとすると傷つける可能性があり注意が必要です
陰茎は感覚が鋭敏な部位ですから、力を加えると結構痛いです。
(オトコにしかわからない痛み・・)
時々、しっかり剥いて洗うよう指導されている人もいますが
強く剥くことで出血したりすることがありおすすめできませんし
嵌頓包茎のリスクもあります
******
加えて
3~5歳くらいの子が、夏などの蒸れる時期に陰部をポリポリと掻いていて
亀頭包皮炎を起こすことはよくあることです
陰部の清潔はもちろん、スキンケアでかゆみをコントロールしてあげることも重要です
そして、おしっこをするときに先端に尿が残っていて皮膚炎を起こしていることが多いです
正しいおしっこの仕方を男性に教えてもらってください
つまり
・おちんちんをふる
・ぴょんぴょん飛ぶ
などして、先端に残っている尿を落とすのです(伝わってるかな?)
もらしてもないのに、パンツに尿がついていることありませんか?
もしあればおしっこの仕方の問題があるかもしれません。。
どうでしょうか
夏はとくにおちんちんトラブルが増える時期です
日頃のケアにこの記事を役立てていただけたら幸いです。
まとめ
・子供の包茎は症状がなければ、基本的に無治療でよく自然に剥けるのを待つ
・無理に剥くことで傷つけることがあり、優しくケアする必要がある。
・陰部のスキンケアおよび、正しいおしっこの仕方により予防できるトラブルがある。
参考文献
①浅沼宏:「病院にいったほうがいい?子供の包茎」チャイルドヘルス、1月号(2013)
②吉野薫:乳幼児健診Q&A(小児科診療特大号2012)