私が理事長を務める郁文館夢学園の1学期の
終業式で、「いじめ」の話をしました。
この日本は「いじめ」で溢れている。
TVで芸能人の離婚を追いかける。
交通事故で亡くなった子どもの御両親に感想を聞く。
あれは「いじめ」。
インターネットに溢れる誹謗・中傷。
名前も名乗らず言いたい放題。
事実を確認することもせず、ただ非難し続ける。
これも「いじめ」。
人の悪口、陰口を言って笑っている。
それも「いじめ」。
いじめの本質。
それは、他人の不幸を喜ぶ“心”。
それは、他人を誹謗・中傷することで他人より自分が優位にいると喜ぶ“心”。
それは、そこにいない誰かを悪口や陰口で自分より下にする事を喜ぶ“心”。
「いじめ」とは、人間が本来持っている悪魔の心が、
素直に表現された行為に過ぎない。
だから、雑草を摘むように、いつもいつも
注意していないと「いじめ」は無くならない。
生徒に話す。
自分の心の中に悪魔がいることを認めよう。
その上で、その悪魔を退治しよう。
もし自分が相手の立場だったら
して欲しいことをやり、して欲しくないことはするのを止めよう。
人間の価値は、どれだけ相手の立場に立ちきれるかで決まる。
自分以外の人の不幸を自らの悲しみに、
自分以外の人の幸せを自らの喜びに、
出来る人間になろう。
「いじめ」は受ける方が悲しいのは当たり前だが、
する方にこそ、大きな害がある。
「いじめ」をする人間は心が卑しくなり、
必ず、人としての成長の機会を失う。
理事長である私も本当に100%、
他人の喜び、悲しみを共有できているかと
聞かれれば、必ずしもそうではない。
ただ、これだけは言える。
そう言う人間になりたいと心の底から思っている。
だから、一緒に頑張っていこう。
自分以外の人の悲しみを喜ぶ人間だけには
ならないでいよう。
そう、1500人の生徒に訴えさせてもらった。