現在の極楽はぜの愛用 OS は MX Linux と antiX なのですが、その中の一つがアップデートしたとの噂を聞きましたので、早速、入れ替えてやりました。現バージョンの使用者はバージョンアップの必要はないとサイトに書かれていましたが、親切な忠告を無視しての強行です。そんなことなので簡単なメモを作りました。
いつもの distrowatch にこんなことが書かれていました。
「antiX の目標は、Linux の初心者と経験豊富なユーザーに、スワップが事前構成された256MBの古い PIII システムから最新の強力なボックスまで、ほとんどのコンピューターで実行することです。antiX には 256MB の RAM が最小で推奨されます」
使用したものはこれです。もうほとんど使用している人はなく、ハードオフのジャンクコーナーにも出てこないような代物です。が、何故か極楽はぜは愛用しています。
・2008年 5月下旬 発売
・画面サイズ:12.1型(インチ)
・ CPU:Core 2 Duo U7600/1.2GHz/2コア
・ メモリ容量:2GB
今回はこんなことをしています。ISO ファィルは全部入りの antiX-full (1.2GB) 版を使用しました。なお、これにはこんなバリエーションがあります。
antiX-base (700MB)
antiX-core (400MB)
antiX-net (165MB)
32 bit versions use a non-pae kernel.
1. インストール
2. WiFi 設定
3. 日本語化
4. カスタマイズ
5. おまけ
持つと軽そうなものがいいなという方は、こちらをどうぞ。Puppy Linux でお馴染みのフルーガル・インストールです。
それでは焼いた USB からインストールを始めます。インストーラーは分かりやすくシンプルなので、割と短時間でインストールすることができるようになっています。
1. インストール
それではソロソロと始めていきます。
a. 日本語選択
起動しましたら F2 を押して日本語を選択します。次に F6 を押してお好みのデスクトップを選択します。ここでは space+icewm を選択していますが、理由はこれに使用されている SpaceFM ファイルマネージャー が使いやすいからです。
b. ライブ版
ライブ版が起動されますので、サクッと感触を確かめましたら次へ進みます。
c. インストール開始
デスクトップかメニューのインストーラーから開始します。
d. キーボード設定
キーボード設定を念の為に確認しておきます。
e. インストールタイプ選択
いつものようにマルチブートですので、一番下のカスタムインストールを選択しています。
f. パーテーション選択
インストール先と swap は、表示される既存のパーテーションから選択します。その他はそのまま root にしています。
・root : sda1
・home : root
・swap : sda5
・boot : root
g. ロケール、タイムゾーン選択
初期設定のままにしています。
h. ユーザアカウント
それぞれのパスフレーズを入力し、下の3つの項目にチェックを入れオートログインに設定しています。
i. インストール中
インストール中です。なかなかの高速インストールで好感度大です。
2. WiFi 設定
最初にやっておきたいのは WiFi 設定です。一般的なネットワークマネージャとは違いテクニックが必要ですので、あえてここに項目を起こしました。
a. 無線接続
起動はコントロールセンター / ネットーワークの「無線接続」からです。
b. Status
Status タブで Wi-Fi を ON にします。
c. Wireless
次に Wireless タブで基地局を選択し、Connect ボタンを押します。開いたウィンドウでパスフレーズを入力し、ハートマークが出れば接続完了です。
さて、ネットワーク設定が終わればアップデートの時間が来ます。メニュー / antix から Updater を起動します。
3. 日本語化
ようやく基本条件が整いましたので、antiX では避けて通れない面倒な日本語入力の設定に移ります。手順は必要パッケージの追加と起動設定の追加の2つです。
パッケージの追加には下記のように2つの方法があります。1番目の方法は、パッケージインストーラから言語をインストール後、不足パッケージを特定して個々にインストール、2番目の方法は、オプションを使用して推奨パッケージを一括でインストールするやり方です。
A. パッケージインストーラからの方法
B. 推奨パッケージオプションを使う方法
今回は2番目の推奨パッケージオプションを使う、少し簡単な方法を採用しました。
a. 推奨パッケージインストール
この方法は端末からパッケージを直接インストールする方法で、コマンドラインをコピペするだけです。ここでは、推奨パッケージのインストールのため、「--install-recommends」オプションをつけています。
それでは日本語化に必要な fcitx 、fcitx-mozc 及び推奨パッケージを一気にインストールします。
# sudo apt install --install-recommends fcitx fcitx-mozc
b. autostart の設定
次は mozc を起動させるための起動設定を追加します。これをしないと全く起動することが出来ません。起動設定は2つあります。
1つ目は、「コントロールセンタ」のセッションにある「デスクトップセッション」を開き、「startup」の末尾へ下記を追記します。
# fcitx-autostart
fcitx-autostart &
c. gtk / qt IM モジュールの設定
2つ目です。以下の5行を「ユーザーデスクトップセッション」の「desktop-session-conf」に追加します。
# set fcitx
export GTK_IM_MODULE=fcitx
export QT_IM_MODULE=fcitx
export XMODIFIERS=@im=fcitx
# export DefaultIMModule=fcitx
4行目をコメントアウトしていますが、上3行での設定で動かないときは、4行目の追加が必要です。
d. 再起動
追加設定後、メニューからセッション再起動するだけで日本語入力できました。かな入力設定に必要な「mozc-utils-gui」は今回の2番目の方法では既に入っていました。
4. カスタマイズ
日本語入力が出来るようになりましたので、これからは使い勝手を良くする「簡単カスタマイズ」に移ります。
a. Conky 日付の文字化け解消
いつも便利に使っている Conky ですが、インストール直後はいつも文字化けしています。すごく気になりますので、エイヤーと見た目だけを簡単な方法で直すことにします。
変更前
「コントロールセンター」の「デスクトップ」、「Conky の編集」のフォント名を「DejaVu Sans」から「Sans」へ変更します。
27行目
# Xft font when Xft is enabled
#xftfont gentium:size=12
#ftfont DejaVu Sans:size=10
xftfont Sans:bold:size=9
#xftfont DejaVu Sans:size=9
変更後
もののついでに Conky の日付表示容も少し書き換えます。「time」のフォーマットを %X、%F、%a 等の見やすいものに変更します。
105行
${alignc}antiX
${alignc}${color8}${font DejaVu Sans:size=12}${time %I:%M} ${font} ${color}
${alignc}${time %F (%a)}
${alignc}Uptime: $uptime
変更後
b. Tool Bar icon へアイコン追加
タスクバーへよく使うアイコンを追加し、使いやすくします。これはメニューのアプリケーション / antiX の「ツールバーアイコンマネージャー」から操作できます。
アイコンを追加するには「ADD ICON」をクリック、追加したいアプリを選択します。ここでは、Google Chrome を追加してみました。
タスクバーに Google Chrome アイコンが追加されています。
c. スナップショット作成
antiX や MXLinux の便利な機能の一つに ISO ファィルが作成できる「スナップショット」があります。
アイコンをクリックします。
次画面で、デスクトップ関係のディレクトリを全部選択します。
作成中です。
/home/snapshot に ISO ファィルが出来ていました。これがあれば、他の PC へ簡単にカスタマイズ済のシステムを移植することが出来ます。
d. アップデート通知機能
サイトによれば、antiX は上級者向けなので、アップデート通知機能はデフォルトでは装備されていないとコメントされています。しかし、隠しコマンドがあります。
コントロールセンタ、セッション、「ユーザーのデスクトップセッション」の中にある「apt-notifier」をコメントアウトすることで、アップデート通知を登録することが出来ます。
「箱に矢印」のアイコンがアップデート通知です。
クリックしますと、アップデートが開始します。
5. おまけ
今回のおまけはこれ、カーネル変更です。コントロールセンタ、システム、パッケージインストーラー、「カーネル」に変更可能なカーネルが5個ありますので、これを現用のカーネルと入れ替えてみました。
a. k4.9.264
これはデフォルトのカーネルですが、ちょっと古いだろと噂されているものです。骨董品の PⅢ マシンの動作を保証するには、これを使用するのは仕方ありませんね。
$ uname -a
Linux antix 4.9.0-264-antix.1-amd64-smp #1 SMP PREEMPT Thu Apr 15 17:05:11 EEST 2021 x86_64 GNU/Linux
b. k4.19.184
Debian stable で現用中の LTS カーネルです。
$ uname -a
Linux antix 4.19.184-antix.1-amd64-smp #1 SMP PREEMPT Thu Apr 1 18:06:50 EEST 2021 x86_64 GNU/Linux
c. k5.10.27
antiX では最新カーネルになっています。
$ uname -a
Linux antix 5.10.27-antix.1-amd64-smp #1 SMP PREEMPT Thu Apr 1 15:05:32 EEST 2021 x86_64 GNU/Linux
新旧のカーネルを変更してみましたが、オールド PC にはなんの変化も感じられず、違いのわからない極楽はぜは茫然とデスクトップ画面を見ているだけです。最新の機種では最新のカーネルでないと動かないとかの噂を聞くことはありますが、全く未体験の領域です。どうしたらいいんでしょう。
さて、いつものメモリテストです。当たり前のように省エネマシンの仕上がりとなっています。並み居る強豪を押しのけ、光り輝いているのが一目瞭然ですね。もちろん使用感もサクサクなのは言うまでもありません。
# free -h
HDD の使用量は、Debian 系超軽量らしい省エネ OS になっています。もちろんオフィス・不要ブラウザ等は削除し、クリーニングソフト、breachbit で掃除しています。
# df -h
antiX のバージョンアップ版も相変わらずの超軽量・省エネで、安心してオールド PC へインストールできます。これさえあればオールド PC と言えども押し入れで眠っている暇がありません。骨までしゃぶり尽くされてしまいます。
近所のりんごの木は可愛いりんごの果実が顔を出し、いよいよ半年間のスタートを切りました。
ローカル新聞によりますと、
「県の「攻めの農林水産業」推進本部は、新型コロナウイルスの感染が拡大していることを受け、田植えやリンゴの摘果などの作業が本格化し、人が集まる時期を迎えているため、休憩・昼食や乗り合いによる車移動、ハウス内での共同作業時などは感染リスクが高まるとして注意喚起した」そうです。
最近の極楽はぜは、コロナワクチン接種を待ち焦がれています。実は先日、集団摂取のネット申込みを試してみました。と言うのは、個別接種だと7月でないと予約が取れなかったため、もう少し早くならないかと欲を出したためです。ところが、集団接種でも最短は7月にしかならないようで、仕方なく予約を断念しました。では、また。
注射したワクチンソフトパソコンへ