⚠WARNING⚠
ウェアウルフパックに登場する特殊シム、
グレッグが登場しています。
勝手な設定を付けているので、
デフォシム弄りが苦手な方や彼のファンは
ご自衛お願い申し上げます。
「やーい、男女!男女!」
「女子に混じって人形遊びやお絵描きばっかりして恥ずかしくないの〜?男らしくな〜い」
ノーマン「ううぅ……」
でも男らしさって何だろう……。
他の子のように“オレ”とか“だぜ”とか言えばいいのか、泥だらけになって遊び回ればいいのか……。
どれもしっくり来ないし……ボクがボクじゃなくなっちゃうみたいだ……。
それが絵を描くこと。
ティーンになる前、学校の先生から褒められて、高校に進学したらクラブに入ったらと薦められて美術クラブに入って沢山勉強したんだ。
今まで誰もボクのことなんて見てくれなかったのに、皆が近づいてきてくれて見てくれて……だから自信がついた。
絵画スキルだけが誇れる能力だった。
ずっとバカにされてきたけど、ようやく認めてもらえた気がした。
キバ(黙々と学期レポートを作成してんな……特に話題もないし、黙っとくか……暇だけど……)
ノーマン「……今回のコンクール……本当に、最後だったんだ。最後の賭けだったんだ。ボクは絵を描くのが大好きさ、でも今までずっとずっと誰にも評価されなくて……気にしないように、と思ってても周りの人が評価されているのを見たら、悲しいし悔しいし、見向きもされなくて報われないのが……虚しくて…………だから、今回のコンクールで……一次審査すらも通らないんだったら……絵の道は諦めようって思ってたんだ」
キバ『おおおいヤテン!!何唸ってんだ、ルームメイト見てんぞ!!』
キバ『はぁ……気をつけろよ、常に気を張り詰めてろ!』
ヤテン(うむ……)
キバ(ヤテンの様子……いよいよヤバいなぁ……)
今日もいつものように講義へ向かい……。
いつものように講義を終えて帰宅。
ヤテン「あぁ、こんにちは……寮生ではないな。遊びに来たのかね」
楓「ええ、遊びにおいでと招かれたの。そういえば貴方ノーマンくんと仲良かったわね。彼を見てない?借りていた教科書を返そうと思ったのだけど連絡もつかないし、講義にも出てないの」
ヤテン「え…………ええと、すまない。ノーマンのことは見かけていないのだ……」
楓「そう……じゃあ、会ったら私が探していたと伝えてくれる?」
ヤテン「了解した」
《おかけになった電話は、電源が入っていないか電波の届かない場所にいる為かかりません》
ヤテン(……電話に出ない……ソーシャルバニーのDMにも既読がつかない……)
ヤテン「……胸騒ぎがするな……」
ピリリ ピリリ
ヤテン「見てみよう!」
流石に命が懸かってるとなりゃあ、お前も動くよなぁ?
我が身可愛さにダチを見すてたりしないよなぁ?
今夜19時、ムーンウッドミルの町外れに来い……1人でな。
ハンターや仲間のヴァンパイアに知らせたら
ピンク頭の命は無いと思え!
コルヌ&デンス
キバ『スキルじゃ動かなかったから、ノーマンを人質にしたってことか!!クソ、ハンターが護衛してたんじゃなかったのかよ!!アイツら何やってんだ!!』
ヤテン「……私が優柔不断だったばかりに……ノーマンの身に危険が……」
キバ『お、お前のせいじゃねえだろ!俺様が……止めたから……』
キバ『そんなもんこっちが聞きたいわ!だがヤバいな……今度はスキルじゃなくて命……流石に命は取り返しがつかない……』
ヤテン「キバ…………危険は承知のうえだ……私が死ねばお前も死ぬとはわかっている……だが……ノーマンを見捨てることは……どうしても出来ない……」
キバ『…………そんなの俺様だって同じだ……お前のダチを、見捨てられるかよ……俺様がお前の立場でも助けに行きたいって言ったわ……』
キバ(ノーマンとヤテンを天秤にかけて、どちらかを捨てることなんて俺様は出来ねぇ……助けに行かなかったらヤテンの体は無事でも心に深い傷は負うし、ノーマンは確実に死ぬ。助けに行けば……両方助けられる可能性がある。ヤテンの力と、理性にかけるしかないな……)
ヤテン「ああ……!」
ムーンウッドミル
キバ『多分そうだな……しかし、ムーンウッドミルか……』
ヤテン「どうした、キバ」
ヤテン「出る……?なんだキバ、ヴァンパイアだというのにゴーストが怖いのかね」
キバ『ちげーよ!シム喰いウェアウルフだよ!!』
ヤテン「シム喰いウェアウルフ……!?」
キバ『いや、ウルフにとってシムだろうがヴァンパイアだろうが肉には変わりねえだろ。無駄な戦闘は避けたいし、注意して進めよ?』
ヤテン「了解した……」
キバ『てか、やっぱり俺様に変われよ。お前じゃ危なっかしいわ』
ヤテン「それもそうだな……よし、では……すまないが頼む……」
キバ『まっ、俺様がちゃちゃっと終わらせてやんよ!!』
ヤテン「……キバ?何故変わらない?」
キバ『……………………………』
ヤテン「キバ、どうかしたのか?返事をしろ」
ヤテン「む……?」
ヤテン「……新月の子?」
キング「おや?新月の子の伝承は存じていないのかね?」
ヤテン(……そういえばノクスが以前に話していたな……新月の日に生まれたヴァンパイアは極稀に強い力を持つと……だがキバはあれはおとぎ話だと……)
キング「ふっ……本当にキバから何も教えてもらっていないのだな。自分のことだというのに気の毒に」
キング「キングの配下?私が……その噂のキングと言ったらどうする?」
ヤテン「…………え?」
キング「当たり前のようにお前の中にキバがいるとわかっていた時点で、只者でないと気づきたまえ」
ヤテン「あ……!」
ヤテン「力を確かめる……?な、何故私なのだ。そもそもお前が探していたのはキバでは……!」
キング「キバ?キバなどどうでもいい……私が本当に探していたのは……キバではなく、キバが憑いているお前だ」
ヤテン「は……」
ヤテン「うっ……」
ヤテン(逃げられそうにない……や、やるしかない……!キバではなく私が……!!)
キング「………………………」
キング「……これがお前の力の全てじゃない筈だ」
ヤテン「いや……全力で、抵抗、したのだが……」
キング「違うな。お前はキバのせいで全力を出せないのだ」
ヤテン「はぁ……?」
ヤテン「……お前が、言っていることが、まったく理解出来ぬ……私は ごく普通の……平凡なシムだというのに……何だというのだ一体……」
ヤテン「…………」
ヤテン「……私や、キバを、殺しに来たわけではないのか……」
キング「言っただろう、殺しに来た訳ではないと。そもそも穏健派だの過激派だの私はどうだっていい……ヴァンパイアの世界征服にこだわっているのは妻だからな」
ヤテン「妻……」
ヤテン「あ……」
キバ『……ふが?あれ、俺様寝てたのか?』
ヤテン「キバ……」
キバ『あっ、ヤテン!俺様寝ちまってたよな!?何があったんだ!?』
ヤテン「………………………」
キバ『そうか……奴らが仕掛けた罠かもしんねーな。気を付けていかねえと……よし、変わるぞ!』
ヤテン「うむ……」
ヤテン『む……キバ、止まれ。そこに看板があるぞ』
キバ「ほう!」
ヤテン『さ……さっき話していた奴か!ま、まずいのではないか?』
キバ「だ、大丈夫だろ。ただの注意書きだし……こんなタイミング良く現れるわけが」
キバ「うっ……」
ヤテン『嫌な予感しかしないのだが』
キバ「でたあああああぁぁぁ!!」
キバ「クソッ、戦闘は避けようと言った矢先にコレかよ!!やるっきゃねえ!!」
ヤテン『おい』
キバ「はぁはぁ……これに懲りたら、二度とシムを食おうとか考えるんじゃねえぞ!」
キバ「まったく、このキバ様を食おうだなんてとんでもねえぜ」
キバ「あっ……」
コルヌ「随分イキるじゃんかキバ樣よ……ウルフに勝ったのは新月の子のお陰だろ!!」
キバ「げっ……!」
ヤテン(……また、新月の子……?)