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再婚

セメントベビーとは? 子連れ再婚は連れ子のケアが重要

子連れで再婚した夫婦間に生まれた赤ちゃんを「セメントベビー」といいます。「セメント」とは家庭の絆をつなげるという意味ですが、実際にとても大きな役割があります。一方セメントベビーが誕生することで家庭の中に問題が発生することもあるので、その具体例を見ていきます。

佐竹 悦子

執筆者:佐竹 悦子

再婚ガイド

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<目次>

「セメントベビー」の意味って?

セメントベビーとは

子連れ再婚をした夫婦に生まれた赤ちゃんが「セメントベイビー」

以前の記事「ステップファミリーはうまくいかない?崩壊を防ぐ方法」で、ステップファミリーについて見てきました。今回はそのステップファミリー(子連れ再婚夫婦の家族)に新しく生まれてくる子供「セメントベビー」についてです。ステップファミリーの子供は片方の親としか血縁関係がありませんが、セメントベビーは両方の親と血がつながっています。セメントと言えば冷たいコンクリートのイメージがあるなど、その呼び名からはあまりいい印象を持たないかもしれません。しかし実際は英語で「(家族の)愛情や絆を強くする」というプラスの意味があるので、ガイドは納得できるネーミングと思っています。
 

再婚時の連れ子のフォローは絶対条件

再婚のときに一緒に連れてきた子供にも気を配ろう

再婚のときに一緒に連れてきた子供にも気を配ろう

セメントベビーが生まれたとき、特に気を配ってほしいのが連れ子です。連れ子が「自分は片方としか血がつながっていないけれど、新しく生まれた赤ちゃんは両方とつながっている。」と考えてしまうと、自分は愛されないのではないかと不安になってしまいます。その不安をなくすためにも、連れ子のフォローは絶対に必要です。特に父親のフォローは欠かせません。母親は母乳を与えるためなどで新しい赤ちゃんにつきっきりになるので、あまり面倒を見ることができなくなります。もし父親も連れ子とのコミュニケーションが減ってしまうと、子供は寂しい気持ちでいっぱいになってしまうので、そういう思いをさせないような工夫が求められます。
 

家族をつなげたセメントベビーの話

再婚をする際、セメントベビーを望む夫婦は多いです。でも実際に赤ちゃんが生まれてくると、家庭内で問題が起きることもあります。ここからはセメントベビーが生まれた家庭の実例を紹介します。

女性Aさんは2人の子持ちの男性と結婚しました。8歳の女の子と6歳の男の子です。結婚当初、女の子はAさんになかなか慣れてくれませんでしたが、男の子は寂しい気持ちもあったのか、すぐになついて甘えてくれたそうです。女の子ははじめ、パパを取られるという思いがあったので、新しい母親であるAさんに対して冷たい態度でしたが、年齢を重ねるうちに心を開いてくれました。こうなるまでには実の親子さながらの壮絶な親子喧嘩を繰り返していました。しかしそれがあったからこそ、本当の親子になったのです。ところがその状態も長くは続きませんでした。セメントベビーが誕生したとたん、連れ子の心境に変化が生まれたのです。

連れ子たちが新しい母親に心を開き始めた頃、夫婦の子供、セメントベビーが生まれました。この背景には、夫のAさんへの思いやりがありました。いくら本当の親子のような関係になったとは言っても、Aさんにとって配偶者の連れ子たちは血のつながらない子供です。そこで夫はAさんとの間にも子供をと、気遣ってくれたそうです。ところがセメントベビーが誕生すると、当時高校生になっていた男の子が突然赤ちゃん返りをするようになりました。男の子が家にいるときは、片時もAさんのそばを離れなかったそうです。そして男の子は「赤ちゃんが生まれたら、僕のことはどうでもいいんだろう」とか、「赤ちゃんの方がかわいいんだろう、自分の本当の子だから」などとAさんに言ったそうです。ずっと本当の親子のように接してきたので、その男の子の変わり様にAさんも心を痛めました。

このようなことがあったので、Aさんは赤ちゃんが生まれても連れ子たちを優先しました。「泣いているよ! みてあげなよ」「かわいそうだよ!」と誰かに言われるまで、連れ子たちの面倒を見ていたのです。Aさんにとっては新しく生まれた赤ちゃんも大切ですが、ずっと一緒に生活をしてきた子供達も大切だったのです。

時が経ち、高校生だった男の子は大学受験をして名門大学に入学。無事に大学を卒業し、有名企業に入りました。女の子には留学をさせるなど、Aさんは教育面でも連れ子たちのことを考えていました。Aさんが産んだセメントベビーは男の子でしたが、あまり勉強をしない子に育ちました。それを見た「お兄さん」は、もっと勉強するようにと説教をすることもあったそうです。それでも男の子は勉強をせず、結局大学にも進学しませんでした。しかしAさんはこう言います。「夫の連れ子に対しては神経を使い、学校も選び、立派な大人にさせることが使命だと思ったけれど、自分の子は性格よく元気でいればいいと思っていたのです。」

実際男の子はのんびりとした性格で優しく、家族に愛されています。また男の子は大学にこそ行きませんでしたが、好きなアニメの専門学校へ通い、今はそれを仕事にしているそうです。
 

連れ子をフォローすることで子供達も安心して暮らせる

連れ子との関係が悪化することを恐れて、セメントベビーを迎え入れられない再婚夫婦もいるかもしれません。しかしこちらの体験談のように、夫婦が連れ子と真剣に向き合い、フォローをしてあげることで家族崩壊を防ぐこともできます。連れ子と良好な関係を築いていれば、新しく誕生したセメントベビーが家族の絆を一層深めてくれるのです。今回の体験談でも、セメントベビーの男の子はお父さんやお母さん、お兄さんやお姉さんをつなぐ役割を果たし、本当の家族を築くきっかけとなりました。穏やかで性格のいいセメントベビーは、家族みんなの中心になったのです。
 
夫婦間はもちろん、連れ子ともよくコミュニケーションをとることで、セメントベビーが本当の意味で「家族の絆を強くする力」を発揮してくれるのかもしれませんね。

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※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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