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不快なWEB広告を表示されたくないなら好きな広告を踏めばいいじゃない

togetter.com

どうも、ズイショですー。

なんか先日からアダルト広告が表示されて嫌だ!こんなのおかしい!みたいな話題が賑やかじゃないですか。なのでそこらへんについてTwitterでもわちゃわちゃ書いてたりするんですけど、せっかくなのでブログというちゃんと残る形で、なんか書いとこうかなと思って筆を取りました。

内容としては「誰でも今日から実践できる、100%の解決は到底できないかもしれないけど自分に配信される広告を少しはマシにできるかもしれない方法」みたいな話になります。結論だけ先に書いちゃうと掲題のとおり「興味のある広告を積極的にガンガンクリックしろ」ってだけなんですけど、なぜそうした方がいいのかとかそもそもWEB広告ってなんなのかって話も交えながら「なるほどそう言われたらそうかもな」と多くの人に受け入れてもらえることを目指します。まぁ100%が無理なのは何でも同じで、同じ話をTwitterでしてちょっと拡散された時点で納得いかないとクソリプよこしてくる人もいたので、全員に伝わらないのは仕方ないですね。

ちなみに筆者の立ち位置は身バレ回避も含めて「ガワの人」くらいに留めさせてください。WEBマーケティングそこらへんを生業にしてる人です。本記事のなかでは、悪徳広告業者の回し者でもないし悪徳広告代理店の回し者でもないしなるだけ広告収益をあげたいメディア運営者の回し者でもないし当然ユーザーをなにか騙そうとするつもりもない、そう思っていただければそれで十分です。こんにちのインターネットをなるだけ快適に使う方法をひとつ提案したいだけが本心で、それ以上のカネ絡みの思惑は特にありません。それだけ信じてもらえれば十分ですがそれすらなかなか難しいインターネットの昨今ですね。

それでは話を始めます。

そもそもインターネット広告とはなんなのか、インターネット広告を見ているユーザーはなんなのかという話から始めたいんですが、いきなり嫌な言い方になって大変恐縮なんですがまずインターネットでタダで情報を取りに行ってる我々というのは、ティッシュを自分のカネで買うのが嫌だからティッシュ配りの人に自分からもらいに行ってる人なんですね。

これは日々社会に有益なコンテンツを作ってくれているWEBメディアの方々には大変心苦しい例えになってしまうんですが、WEB広告を説明するうえではニュースもレシピもゲーム攻略情報もYouTubeもあらゆる広告収益型のコンテンツはすべて「ティッシュみたいなもんなんです」になってしまいます、すいません。また、どんだけそのコンテンツにリスペクトを持っていようと無料で広告があるサイトに情報を取りに行っている人たちもまたどこまでいっても「ティッシュを自分からもらいにいく人」でしかありません。これもまたすいません。

そして、ティッシュを街中で配ってるのには理由があります、手にとって広告を見てほしいからですね。WEB広告って基本はそういうもんです。だから、WEB広告に文句を言うのって基本的にはタダだからわざわざもらいに行ったティッシュの広告にわざわざ文句を言ってるのと同じなんですよね。月いくら払ってる新聞の折込チラシに文句言うのとか頼んでもないのに勝手に家のポストに投げ込まれるチラシやDMに文句言うならまだわかりますけど、自分の意思でタダで貰いに行ったティッシュの広告に文句言うお客さんちょっとダルいですよね。なんもカネも払わねえくせに。

だからエロ広告受け入れろという話ではありません。イラッと来た人も頑張って読み進めましょう。

では、ここまでの話を前提にしながら、あなたに「その広告」が今表示されているのはなぜなのか?というところから解説していきます。

WEB広告の論争でよく見受けられる誤解として「エロい広告が表示されるのは普段からエロいコンテンツを見てるからだ、行動ターゲティングっていうやつがあるんだ、エロいと思われてるからエロい広告が表示されるのは自業自得なんだ」みたいなやつがありますね。これは端的に誤りないし嘘の部分が大きいです。それがどういう理屈なのかの解説は結構後ろになるんで頑張って読んでね。

広告収益型のメディアを閲覧した時に何の広告を表示するか、これがどう決定されるかというと本当はオークション方式とか言うんですがめんどくさいので、ここでは「挙手制で決まります」とあえて雑な言い方をします。「はい、今こういう人が来ましたー!誰かこの人に自分の広告を見せたい人〜!?」ってGoogleとかが広告主みんなに毎回毎日聞いてるんです。Googleの広告枠があるサイトを我々が見ようとする度に毎回。それで「はいはいはい!この人にうちの広告見て欲しいでーす!」て手を挙げた会社の広告が表示されるんです。

で、「はいはいはい!」て広告主が手を挙げるのはどんな時でしょうか?自分ところの商品を買ってくれそうな人の時ですよね。僕はアラフォーのおっさんなのですがこんなおっさんにたとえばマニキュアを売ろうとしてくる営業がいたら絶対無能なアホじゃないですか。WEB広告で起こってることもつまりはそういうことなんです。

今回の騒動でよくあった批判として「リクシルとかオレンジページを見に来てるユーザーがエロ広告見たいわけないだろ」というものがありましたが、実はWEB広告では「今どんなサイトを見ているか」はあんまり関係なくて「今までどんな広告に興味を示してきた人なのか」で「はいはいはい!」が決まるんですよね。もちろん出したくない広告を出さないようにする制御を行うことは広告枠を設けているメディア側でも可能なんですが、悪徳業者はそこをすり抜けてできるだけ色んな場所に自分のところの広告を出せるようにハックを試みますしGoogle等の広告プラットフォーマーも自分ところの売上最大化を考えれば際どい広告の審査はガバガバになるし。ハックを試みる広告主や利益優先でガバいプラットフォーマーについては文句言ってもいいと思いますが、リクシルオレンジページが文句言われて広告を配信しないようにする対応は当然やったほうがいいとしてもSNSで謝罪めいた対応をしなくてはならないのは同じ「ガワの人」としては大変だなと思います。

ここまでWEB広告の中の話をしてきましたが、ここからがユーザーである皆様に向けてどう行動するべきかの提案、本題です。

 

あなたはWEB広告に対して「私はこういう属性の、こういう興味関心を持っている人間です」とどれだけちゃんと伝えていますか?

 

クリックするだけでいいんですよ、みなさんこんな経験はありませんか?たとえばネットで加湿器を買った時、コードレスイヤホンを買った時、包丁を買った時、「いやもう買ったからいいって!」てくらいしつこくAmazon楽天やヨドバシに追いかけられたこと。それは「この人は今こういうものに興味があるんだ!」と目をつけられてるってことなんですよね。逆にいうとそういう「この人はこういうものに興味があるんだ!」てのがわからないユーザーに対してはまともなクライアントは誰も手を挙げない。だって広告を出す人たちはすべて自分のところで買い物をしてほしくて広告費を払って広告を出すんだから。どこの馬の骨ともわからない自分とこの商品を買う可能性があるかもわからないやつに広告なんか出したくないわけです。

そして誰も手を挙げなかった時に「はいはいはい!」と騒ぐやつらは誰でしょう。それがみんな大嫌いなエロ広告だったりコンプレックス商材だったりオンラインカジノだったりソシャゲだったりするわけです。あいつらは「とりあえず誰でもいいからとりあえず網を張れるだけ張って重課金ユーザーが捕まえられてそれで採算があえばOK!」て感覚でやってるので。

ここで先述した「エロ広告が出るのはエロコンテンツ見てるから」は嘘であるのはなぜかの回答になるのですが、エロ広告が表示されるのは「広告を積極的にクリックして自分の興味関心を開示しないやつは、まともな広告主に相手にしてもらえず誰でもいい変なやつしか寄ってこないから」です。

補足すると、まともに広告運用してるまともな広告主であれば広告主側にも当然「そもそもこんなサイトにはタダでネットコンテンツを消費して時間を潰して何かにお金を使う気なんか全くないユーザーしかいないから配信する価値なし」とぶった斬る判断をする権利があるので、「はいはいはい!」て手を挙げるやつがいかがわしい業者しかいないメディアってケースもある。見てるか、とぅぎゃったん!?絶対ブコメしてくれよな!!

 

まあそんな感じでね、ざっくり話したいことはそんな感じです。

WEB広告の世界なんてねー、結局みんな営利ですからね。広告主は自分のところの商材買ってくれる人に広告を出したいし、メディアは広告主からカネもらわないと運営できないしね、それでユーザーはタダでコンテンツ享受して広告が邪魔だなんだと騒ぐだけではそいつは要らない世界なんですよ、カネにならないんだから。逆にいうと今すぐ買ってくれなくていいけど、必要になった時にうちの会社のこと思い出してねって気持ちで広告主は広告費を使ってるわけですよ。WEB経由で買い物たくさんしろとまでは言わないですよ、そこまでは言わないけど、エロ広告しか出てこないインターネットより引越し考えてる時は賃貸物件の広告がたくさん出て、引越し先が決まったら家具の広告がたくさん出るほうがいくらかマシでしょ?何よりみなさんがタダで貰ってるティッシュ配ってる人たちはそこでおまんま稼いでるわけなんだから。

悪意ばかり勝手に見出さずに持ちつ持たれつでやっていきましょーよっていう、それだけなんですけどね。みんながみんな物分かり良すぎるのも気持ち悪いけど、隣人に優しく少しくらい向こうの事情にも思いを馳せてやりましょーよって話です。

以上です。

 

追記:

言うてる内容は同じなんですが単価がどうとか少し違う切り口で書いたTwitterに乗っけた版も貼っておきます。