群・環・体
小学校から学んできた足し算、掛け算などのような、数と演算の世界を代数系と呼ぶ。
群、環、体の理論は、この代数系の性質を調べるための理論。
例えば、整数の加減乗除について、改めてこれはどのような代数系なのだろうか、ということを考える。
でも、整数の加算や乗算はあまりに自然に学んできたために、それ以外の代数系というものを想像しにくい。
そこで、宇宙人が作った、まったく異なる代数系があると仮定して考えるとわかりやすいかも。
宇宙人の世界では
S = {$, ¢, £, %, #, &, *, @, §, ☆, …}
みたいな、集合Sの要素に演算★が定義されていて、
#★&=@
¢★§=$
のようになるとき、この集合と演算からなる代数系には、どのような性質があるだろうか、という議論を、代数学の群・環・体の分野の言葉で行うことができる。
では、群・環・体とはいったい何か?
ある性質を満たす代数系を群と呼び、その中で、さらに特定の性質を満たす代数系を環と呼ぶ。
環の中で、さらに特定の性質を満たすものを体と呼ぶ。
このように、ある代数系のもっている性質によって、それは群である、または環である、というように呼ばれることになる。
教科書にはそれぞれの定義が書かれているけれど、あまりに抽象的すぎて理解するのが難しい。
次の書籍に、わかりやすいまとめがあったので、それを参考に表を作ってみた。
群・環・体の書籍には何冊か目を通したけれど、初学者には次の本がわかりやすくてお勧め。
- 作者: 野崎昭弘
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2011/02/22
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