で、MCUフェイズ4見てたの?
みてませんでした…
ですがこれは、世間の評価に流されて観に行かなかったとかそういうのではなく、シンプルにリアルが忙しかったからです。
環境の変化とエンドゲームの燃え尽きも相俟って、マーベル映画はおろか、映画館から足が遠のく始末。
しかも、今作の前日譚とも言うべき「ファルコン&ウィンターソルジャー」すら未見です。
ディズニー+については、789のつくあれに纏わる、作品の出来どうこう以前に作品外のロビー活動にお熱なクソしょうもない奴らと、少なくともEP3を見てないであろう自分だけは助かると思ってる無学な右派崩れの争いに巻き込まれるのが嫌で、意図的に距離を置いていました。
ディズニープラスに入らない理由を一言で言えば、精神衛生上の問題。宗教的事情です。
閑話休題。出来の良し悪しもシリーズに属するか否かも一緒くたに、「ゴジラvsコング」を最後にありとあらゆるスクリーンから距離を置いて隠居を決め込んでいた私。
マイナスワン公開で映画を見る習慣が復活し、ファントムメナス再上映でブログを始めたからには、やはり旬を抑えておく気持ちも蘇るというもの!
前提となる作品の復習をしろと言われたら何かしらの犬レッテルをあなたに貼ることも辞さない構えですが、それはそうとこの映画。
ハリソン・フォードがメインヴィラン!!!!
ファルコンキャップの好感度はずっと高いままで、エンドゲームのラストも相俟ってキャラクター的な期待値はもちろん高く持っております。
ですが、ハリソン。何と言ってもハリソン・フォード!
ハリソン・フォード、ユアン・マクレガー、ゴジラ。
私はこの三者が出演する映画を語る時、一億点の加点から始めるので、もうそれだけで見に行きたくてたまりません。
ですから、非常に視点の偏った無茶苦茶な感想を、MCUの前提知識が見事にエンドゲーム~デップー間*1で抜け落ちていることを多めに見て頂ければ幸いです。
それはそうとして、「運命のダイヤル見た?」「フォースの覚醒にハンソロいたよね?」などと都合の悪い質問をされた際には、ダークサイドのおそろしさをおしえてやるからかくごしろ。
この先ネタバレあります。

ハリソンの出番多くて嬉しいし、アクションがやばい!!サムキャップがアッセンブルするアベンジャーズを早く見たい!!
youtu.be
今作の最も評価すべき点は、やはりハリソン・フォードの大活躍。そして、そのストーリーラインを形成する、強めの「インクレディブル・ハルク」続編要素でしょう。
今作の見どころとしてプロモーションの中心にいた、レッド・ハルクに変身するサディアス・ロス。
私はひとつ懸念しておりました。
「こんな変身するだけでいいキャラ、どう出してもどうにかなるじゃん」という風に。
つまり、ハリソンが大物であるが故に、当たり障りがなく出て、あとは流れでいい感じにCGとすり替わって…という杞憂でした。
実際のところ今作のストーリーは、ロスが初登場した「インクレディブル・ハルク」から多くの要素を踏襲しています。
ハルクことブルース・バナーの体液を浴びてしまい、身体の変化を示唆しつつ退場したサミュエル・スターンズ。オリジナルキャストのティム・ブレイクと共に、17年ぶりに登場した彼は、実質的なメインヴィランを演じます。
17年の不在は、ロスが監禁していたというあまりにも豪快な設定で解決。
原案のコミックの設定に基づいて、17年ぶりにクリフハンガーを回収したスターンズは、ガンマ線を吸収するハルクの細胞を脳に受けて、肥大化した頭脳を獲得。
大脳怪人と化した彼を、自身の心臓病の治療や兵器開発に利用して、「大統領就任まで」という期限をちらつかせて利用したのがロス。という背景です。
そして、スターンズどころか、新たなキャプテン・サム・ウィルソンにすら「あいつは変わらない」と見放されたロスを中心にストーリーは回転します。
コロンボや古畑よろしく、「ロスがクソ野郎で何かやらかしている」ことは観客にも登場人物にも自明です。「では何をどうやらかしているのか」を追い追われすることが今作のサムとスターンズの対決のキモです。そして我々観客は、「どうしてレッドハルクになるのか」までも追うわけで、より一層スリリングに映画を味わえます。
とにかく、ハリソン演じるクソ野郎が目いっぱい画面に映り続けてうれしい!!!!!!!!!!
大統領専用機に乗るシーンもしっかりあるしね。
さて、ここまで褒めてきましたがこちらの映画、再撮影を繰り返したこともあり、
客観的評価は低水準
として見るべきでしょう。
再三の再撮影の効果はあまり芳しくなく、出番の多い日本の描写がマイケル・ベイの「パール・ハーバー」の半分くらいズレててしらけました。
ハルク関連の設定をストーリーに織り込み、超人を追い続けたものたちの末路と、彼らが求めた「キャプテン・アメリカ」にして彼をかたどった超人化血清を持たないファルコン。サム・ウィルソン。
見事な対比が仕上がったぶん、「ファルコン&ウィンターソルジャー」からの引継ぎである、イザイア・ブラッドレーの役割が宙に浮いています。スティーブ失踪後の血清の研究の犠牲者にして、黒人というだけで活躍を隠蔽された彼は、ブラック・キャプテンたるサムにとって重要なキャラクターです。
なんですが、前述のハルクとの対比が上手くはまったぶん、映画内で満足に説明されない前提知識を必要とする彼のシナリオにおける役割は、かなり浮いた扱いになってしまったと思います。
他にも、肝心要のクライマックスでレッドハルクの中に封じられたロスの理性に訴えるサムの姿がやったら合成臭かったり、いつものかっこいいパラパラ漫画とクリップ集のロゴをドーン!がなかったり欠点は数え切れません。
この映画の評価は、読解と共に下がり続けるとするべきでしょう。
欠点を覆すほど爽快なヒーローを見られるから問題はないけどな!!!
なんと言っても作品の魅力は、サム・ウィルソンを演じるアンソニー・マッキーをはじめ、役者陣の熱演!
ヒーロー・ヴィラン両方の生き生きとした姿を、多少のシナリオの落ち度は諸共せず、演技で魅せてくれるのがもうたまらない!!
先程批判的に触れたイザイアですが、カール・ランブリーの熱演で、自由への切望や端々の悲しみに、思いを馳せずにはいられません。 だからこそシナリオ上の必要性を考えちゃうんだけど
ハリソンの悪役演技については言うまでもなく、名役者に好かれた作品でしょう。
加えて、ユニバースらしさを生かした良さ!
シリアスな単発アクション映画であるにも関わらず、続編が諸々の事情で望めない作品の設定をほぼそのままぶちこむ豪快さ!
まさにシェアワールドの本領発揮。こういうことを見せてくれるのであれば、次のアベンジャーズへのワクワクがいよいよやばすぎてやばいというものです。
私みたいに見落としている人がいたら是非見て欲しい。あなたの感想も聞きたいから。