[go: up one dir, main page]
More Web Proxy on the site http://driver.im/

おのにち

おのにちはいつかみたにっち

都会の結婚、田舎の結婚

スポンサーリンク

最近『貧乏と恋愛』というphaさんの記事が話題になっていた。

貧乏と恋愛 - phaの日記

内容には完全に同意だが、私にはどうしても実感の湧かない部分もある。

コメント欄にあった「お金のある男性としか付き合わない女性」はどこに生息しているのか?という問題である。

また、phaさんの記事を受けてニャートさんが書かれた記事にも色々と考えてしまった。

お金の打算をしないで恋愛できる女性が少ない理由 - ニャート

 

私の周りにも独身の女性たちがいるのだが、彼女たちはそんなに年収年収言わないし、婚活もしていない。
同級生や同僚、身の回りから相手を見つけて結婚し、その後も普通に出社してくる。
つまり私の周囲には、婚活も玉の輿も結婚退職も存在しない。
みんな生活の延長線上で結婚し、子供を産み、短い産休を経て復職してくる。

確かに専業農家の同級生は結婚が遅かったが、それでも今は妻子に恵まれ、看護婦の奥さんの方が収入が多くて頭が上がらない、と幸せな愚痴を言っている。

 ところがネットを見ていると、結婚には婚活が常識で、最初に聞くのは年収、それが現代のリアル!みたいな気分になってくる。
この乖離はどこから生まれてくるのか?

 

田舎は共産主義?

 

そもそも私の住むド田舎では、年収一千万クラスタが存在しないため夢を見ようがない、という現実がある。
年収を聞くまでもなく、20代のお給料なんてみんな似たり寄ったり。
初デートが和民でガックリだと?和民すらねぇこの限界集落を見よ。
それでも田舎の若者たちはお互いに奢り合い、お金がなくても楽しそうにデートしている。

若い頃、友達とよくテレビドラマの話をした。
ヒロインの華やかな暮らしやファッションに憧れながらも「ドラマだからね~」とサクッと流した。

今も職場の友人達と『VERY』を眺めて「これ素敵!」と言いながらお値段を見てがっくりしている。「おらが町ファッションはやっぱりしまむらよね」「雑誌を見てユニクロで買う。これが私たちのリアル!」なんて言い合って笑う。

ドラマも雑誌も、あくまでも作り事。
私はそんな風に受け取っていた。

同じように、TV画面の向うで『年収500万以上じゃないと無理!』なんて臆面もなく言う婚活女子もフェイクにしか感じられない。
本当に、都会にはこんな女性が生息しているのでしょうか?

 

田舎者だからお金の価値が分からないのね、高級ブランドも買えなくて可哀想…と思う人もいるのかも知れない。

しかし私の周囲はみんなユニクロ。洋服選びも気楽で良い。
ジムに行く人も、エステに行く人もいない。
そもそもお金を使う場所がない。
まるで共産主義者のような暮らし。


こんなペレストロイカ前の生活が100%素晴しい、とは言えない。
競争心は失われるし、刺激は無いし職も無い。
若者はどんどん都会に出ていき、人口は減少、衰退の一方だ。
子供のためにも自分のためにも、博物館や美術館がもっと近くにあったらいいな、と思うし、水泳教室まで車で1時間かかる現状も辛い。

それでも、そんなマイナスをさっぴいて。
見栄も背伸びもしなくていい、田舎暮らしが私は楽しい。

私の周りの若い女性たちがそんなに金金言わないのも、みんな実家住まいで、ブランド品を買う必要も無く、自分達の稼ぎだけで充分やっていけるからだと思う。

 

一人暮らしで都会の高い家賃を払い、毎月やっと生活している…という人なら、他人に奢るのも苦しいし、恋愛の前にお金、という気持ちになってしまう気持ちも分かる。

ただその貧困を、結婚でひっくり返そう!と婚活勝負に出る女性がいる…というのはやっぱり実感が湧かない。

 結婚というのは現実の延長線上にあるものだと思っていたから。
夢や理想が乏しい田舎では、みんな地に足を着けて堅実に生きている。

私たちにとって六本木ヒルズは遊びに行く所で、住む所じゃない。
野心には欠けるかも知れないけど、たとえ王侯貴族になれなくても、夫婦二人、健康で働いて暮らしていけたら、それだけでも充分幸せじゃないですか?

 

目に入れないことも大切

 

もちろん田舎には田舎なりの、陰湿な部分も存在している。
産休を取っていた頃は、公園に行くたびよく知らないお年寄り集団からご近所観察日記☆を聞かされるのが苦痛だった。

だれんちは晴れているのに布団干さないだの、どこんちは除雪に出てくるのが遅いだの、そんな噂話のオンパレード。
知らんわ!そんなのどうでもいいだろ、これだから田舎は…と思っていた。

ところが仕事に出るようになって気がついた。
彼らの愚痴、本当にどうでもいい。

あの人たちは平日の空いている公園で堂々と悪口を言うのがメイン業務であり、人の多い休日には出かけてこない。つまり、仕事をしている分には遭遇しないし噂も聞こえてこないのである。我が家も色々言われているのかも知れないが、聞こえなければなんの実害もない。

ヒマな年寄りの憂さ晴らし。
そう割り切ってしまえば一つも気にならなくなった。
合わない、と思うクラスタとは距離を置けばいいだけの話だったのである。

 

都会は色んな人と会えることが利点だけれど、「出会えすぎる」のは逆にマイナスなのかも、と思うことがある。

田舎だと身の周りの人と結婚するのが当たり前だけど、都会に住んでいれば『年収一千万以上の人が集まる婚活パーティ』みたいな凄いものにも参加できる。

大学の同級生がお医者さんと結婚したら、私にもチャンスが…と思ってしまうかも知れない。たとえそれが100人の中の1人でも。

人は、より良いものばかりが目についてしまう生き物なんだろう。
物凄いお金持ち、物凄い美女。
だけど周りを見回せば、その理想はやっぱり理想に過ぎない、TVドラマの中のお話だった…と気がつくかも。

『素晴しく特別な話』とは、少し距離を置くのも大切だと思う。
ただ田舎はそうした夢との適切な距離が物理的にあるけど、都会は身近に大手企業が立ち並んでいる。夢と現実の境は難しい。

 


さてさて、という訳で私は高望み婚活女子は本当にいるのか?と疑っている。
結局私は身の周りのことしか知らない田舎者なので、「年収差別女子は実在するんだ!現に俺は年収が原因でフラれた!」と言われたらグウの音も出ない。
すごいぞラピュタは本当にあったんだ、である。

 でもそういう人が多数派、そんな女の子しかいない社会…はやっぱり信じられない。

あなたの身近な女性が本当にそんな人ばっかり、だったらどうしようもない。田舎においでよ、と言うしかない。
でももしも、ネットで見た!噂を聞いた!という話だったら、まずは好きな人をちゃんと見つける所から始めた方がいいと思う。

あなたの好きな人はA子でもB夫でもない。
知恵袋に聞いても、発言小町に聞いても、あなたの好きな人の本当はわからない。
恋する相手はネットのむこうの幻獣じゃない。

情報に振り回されて「年収が低いから…」「しまむら着てる女子なんて…」と踏み出す前から尻込みしてもしょうがない。

そもそもあなたが好きになる相手が金しか見てない女子だなんて、服しか見てない男子だなんて、そんな風に自分を卑下するのはやめようよ。

 

田舎に住む女性たちは、自分の人生を引っ張っていくのは自分だって、ちゃんと分かってます。だから結婚しても働くし、産後もすぐ仕事に戻るし、我慢できなくなったらサクッと離婚します。

 夢のない話かも知れないけど、結婚で人生はバラ色になったりしないと思う。
それでも支え合う人がいると気持ちは楽になるし、よほどの浪費家と結婚しない限り、家計も多少は楽になるはず。

自分の人生を幸せにするのは夫でも子どもでもない、たった一人の自分自身。
そのことを理解していれば、打算に惑わされずに恋が出来るのではと思います。

ちょっと目をつぶって。
あなたにとって何が本当に大切かを、小町じゃなくて自分に聞いて。
女の人生は厳しいんです。
その手を自分から握りたくなるような人、和民でも楽しく盛り上がれる人の為じゃなきゃ、家事と仕事と育児を全部なんて、こなせないと思わないですか?

 

 こちらは性欲的な意味で色々拗らせていて面白いマンガ。素直になるって、大事なのよね。

hなhとA子の呪い(1)【特典ペーパー付き】 (RYU COMICS)

hなhとA子の呪い(1)【特典ペーパー付き】 (RYU COMICS)