アイキャッチ画像撮影:筆者
7つの機能でこの価格は驚き……。ラドウェザー「センサーマスターIV」
2009年に日本とアメリカで共同開発されたアウトドア用品ブランド<LAD WEATHER(ラドウェザー)>。その代表的な製品のひとつである「センサーマスターⅣ」は、カラビナでどこにでも取り付けることができる、方位・気圧・高度・温度・湿度の計測、時刻表示、天気予測もできるフィールドギアです。
高度を計測できるデジタル携帯機器は高価なものが多いなか、定価3,980円という破格の値段。しかも、街歩きのバッグにぶらさげても違和感ないデザインということが、人気の要因のようです。実際、筆者もそれらが理由で購入しました。
なお、旧モデルと新モデルの2種類があり、新モデルのほうが画面がちょっと縦長です。カラーも豊富なので、好みで選ぶことができます。
- 新モデル
- 旧モデル
- カラー
- 全10色
- 全5色
- 素材
- 本体:ABS
ガラス:アクリルガラス
カラビナ:アルミニウム - サイズ
- (約)縦6.0×横4.0×厚2.0cm
- (約)縦5.6×横4.4×厚2.3cm
- 重量
- (約)39g
- (約)38g
- 防水
- 日常生活
- 駆動方式
- 電池式
特徴を深掘り!「センサーマスターⅣ」はこんなギア
実際にセンサーマスターⅣを愛用する筆者が、主な機能と使い勝手を紹介します。
手のひらにすっぽり収まり、超軽量!
まさに手のひらサイズで、重量はカラビナを含めて約47g。
筆者はこんなふうに、ショルダーハーネスにぶら下げて、確認するときは手で持ち上げます。軽量なのでブラブラしても気になりません。
操作は簡単!ボタンひとつで4つのモードを切り替え
ボタンは本体の下部に「DATA」と「MODE」の2つ。MODEボタンを押すごとに、コンパス→気圧計→時刻→高度計が切り替わります。
撮影:筆者
通常はMODEボタンのみの操作なので、直感的に使うことができ、きわめてシンプル。たくさんあるボタンを「どれだっけ」と迷うことはありません。
コンパス・気圧・時刻は画面の右上に、気温・湿度は下に表示されます。しかし、高度計モードでは、気温の位置に高度が表示されるので、戸惑わないように前もって表示位置を知っておく必要があります。
センサーや磁気偏角の補正も操作はシンプル
気圧・高度や磁気偏角(※)の補正は、2つのボタンで行ないます。長押しを含むシンプルな操作です。
よく使う高度補正もサッと完了するので、登山口や山頂などで時間を取られることはありません。
※磁気偏角……地理上の真北と、磁石が示す北(磁北)のズレのこと。偏角を補正することで、コンパスを真北に向けることができる。
高度計の見え方は、ちょっとクセあり
高度表示はややクセがあり、慣れるまで違和感がありました。最高4桁で表示されますが、大きな文字と小さな文字の組み合わせになります。画像のように1~199mまでは大きな文字で、その後は、4番目の画像ように下位桁が小さくなります。
筆者は最初のうち、この表示に慣れずに小さい数字が小数のように見え、登山口を50.5m(実は505m)と勘違いしていました。高度計は一番気になる機能なので、できれば、全桁が大きな文字だとありがたいですね。
気温・湿度・天気予測の表示はわかりやすい
高度計モード以外では、気温と湿度が常に画面下に表示されています。自宅の温度計と比較しましたが、だいたい同じくらいの気温を示していました。
撮影:筆者
コンパスモード以外では、天気予測が画面中央部に表示されます。雲・雨や太陽が絵で表示されるので、直感的でわかりやすいところが◎。このときは雨が振り始めるという予報だったので当たっていました。
ただし、天気予測は過去の気圧をもとに予測するので、短時間で高度が上下する登山中には不向き。泊まりの登山など、一定の標高にとどまるような場合に活用するのが適しています。
コンパスは簡易的な使い方ならOK
コンパスはN極方向が絵で表現され、右上に度数、右下に方角が表示されます。北方向がグラフィカルに動くので、直感的に北方向に合わせることができます。
シルバのオイルコンパスと比較してみましたが、12度のズレがでました。キャリブレーション(誤差補正)を何度かやっても同じなので、簡易的な方角の確認にとどめておいたほうがよさそうです。
電池交換は簡単
電源はボタン電池。裏蓋をコインで開けて交換するだけなので、とても簡単です。特殊な電池ではなく、ホームセンターでも100円ショップでも手に入る、ごく一般的な電池なので困ることはありません。
登山ではどう?気になる使用感をレビュー
センサーマスターⅣが気になっている人は、登山での使用感が一番気になるところでしょう。さっそくレビューします。
良くも悪くも情報量が多いけれど、視認性は○
屋外での視認性は文字がはっきりとしていて、いい感じです。
ただし、画面にたくさんの情報が表示されて便利な反面、ほしい情報を探す必要があるのがやや難点。ターゲットになる情報がもう少し大きく中心に表示されると、うれしいですね。
バックライトはDATAボタンを押すと点灯します。日帰り登山で暗くなった時やテント泊などで便利です。
高度計測値は大きな誤差が……
標高がはっきりとわかる2つの峰を往復し、誤差がどのように出るか検証しました。場所は福岡県と大分県の境界に位置する「釈迦岳(標高1230m)」と、すぐとなりの「御前岳(標高1209m)」です。比較用にSUUNTOのアウトドアウォッチ「CORE」を使用します。
まず、最初の峰「釈迦岳」で両方の高度を1230mに設定。
10分程度下降した山頂直下で計測値を確認。双方の差が112m出ています。10分程度なので200mは降りていないはず。実際、今回の行程の最低地点は1114mなので、すでに誤差が出ています。
2つ目の峰「御前岳」。COREは10mの誤差、センサーマスターⅣは100m以上高くなっています。
出発点の釈迦岳に戻ってきました。ここでCOREは15mの誤差、センサーマスターⅣは143m低い高度を表示し、しかも、御前岳(1209m)より標高が高いのにも関わらず241m低い高度になりました。誤差の出方も不規則で法則性はありません。
途中休憩をはさみ2時間程度と短時間で天候や気温もあまり変わらなかったので、環境の影響はそれほど受けていないと思います。今回の検証結果から、センサーマスターⅣの高度計測値は、かなり誤差が出ることがわかりました。
これだけの誤差が出てしまうと、登山で使う高度計としては無理がありそうです。例えば、地図で位置確認する場合、高度に100m以上誤差があると当てにならず、鵜呑みにしてしまうと危険です。
機能限定で手軽に使うなら◎
以上、センサーマスターⅣの各機能や使い勝手を紹介しました。
高度計に関しては、旧モデルも同じように大きな誤差が出たので、この個体だけの問題ではないと思われます。したがって、「高度計の登山での活用はおすすめしない」というのが率直な感想です。
それでも、筆者が登山するときは、センサーマスターⅣをバックパックにぶらさげて愛用しています。
その理由は、時刻と気温を手軽に確認できるから。登山中に時刻はよく確認しますが、腕時計を見るため袖をめくり上げるのが面倒。また、腕につけた腕時計では体温の影響で気温はあてになりません。それが一番の理由です。また、おおまかな方角を知る時にも使います。
センサーマスターⅣは、機能限定と割り切るなら、軽量で邪魔にならず、手軽に使えるおすすめのフィールドギアです。
センサーマスターⅣ(新モデル)
カラー | ブラック01 / オレンジ01 / グリーン / イエロー01 / ワインレッド01 / スカイブルー01 / ホワイト / ライラック / シルバー / ゴールド |
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駆動方式 | 電池式 |
防水 | 日常生活 |
機能 | 高度計、気圧計、デジタルコンパス、気温表示、湿度計、天気予測、快適さの指標、時刻表示、電池残量低下アイコン表示 |
本体サイズ | (約)縦6.0×横4.0×厚2.0cm |
重量 | 本体のみ:約39g、カラビナ含む:約47g |
センサーマスターⅣ(旧モデル)
カラー | ブラック02 / オレンジ02 / イエロー02 / ワインレッド02 / スカイブルー02 |
---|---|
駆動方式 | 電池式 |
防水 | 日常生活 |
機能 | 高度計、気圧計、デジタルコンパス、気温表示、湿度計、天気予測、快適さの指標、時刻表示、電池残量低下アイコン表示 |
本体サイズ | (約)縦5.6×横4.4×厚2.3cm |
重量 | 本体のみ:約38g、カラビナ含む:約47g |