日本ヒューレット・パッカード(HP)は2015年6月18日、「HP 3PAR StoreServ 20000」を販売開始した。フラッシュのみを搭載するオールフラッシュストレージ「HP 3PAR StoreServ 20850」、およびフラッシュとHDDを混載したコンバージドフラッシュストレージ「HP 3PAR StoreServ 20800」の2機種を用意。日本HP エンタープライズグループ事業統括 HPストレージ事業統括本部 ストレージマーケティング本部の加藤茂樹氏は、「大容量SSDを採用し、データを効率的に格納する機能を強化したことで、オールフラッシュのコストを1GB当たり1.50ドルまで引き下げた」と話す(写真)。
大容量SSD「3.84TB cMLC SSD」を採用し、オールフラッシュをプライマリーストレージとして使いたいというニーズにも応える。StoreServ 20850の最大物理容量は3.9PB(1024SSD)。最大性能は320万IOPS(HPの内部テスト値)である。
一般にNAND型フラッシュの中で、MLCはSLCに比べて書き込み回数上限が低い。StoreServ 20000は、余分に搭載したフラッシュを活用する「Adaptive Sparing」や「インライン重複排除機能」、「シンプロビジョニング」などを駆使。書き込みデータ量を最小限に抑え、フラッシュの寿命を伸ばすと同時に、1.50ドル/GBという容量単価を実現した。
「5年パーツ保証」により、5年以内であれば製品が書き込み上限に達しても無償でSSDを交換する。ただし、「一般的な使い方をしていて、これまで書き込み上限に達した経験はない」(加藤氏)というように、ユーザーが抱くフラッシュの寿命懸念への緩和策と位置づける。重複排除機能などを実装したASICは、第5世代(Gen5)に刷新。低レイテンシー(遅延)やデータ保護機能などを強化し、エンタープライズ用途に向けて改善を施した。