清水建設などのJVが、千葉県発注の護岸工事で設置した仮締め切り堤防の大型土のうを勝手に一部撤去し、その箇所から豪雨時に越水していたことが分かった。県の調査で他にも4カ所で、土のうを撤去したために必要な堤防高を満たしていないと判明した。県が2023年9月29日に明らかにした。
千葉県茂原市などで23年9月8日、台風13号に伴う記録的な大雨で広範囲にわたって浸水被害が発生した。県は、10月末をめどに有識者会議を立ち上げ、当該箇所からの越水と浸水被害との関係などを調べる。
問題があったのは、千葉県が茂原市と長生村で進めている2級河川一宮川の護岸工事だ。2工区に分かれ、いずれも清水建設と幸和建設興業(千葉県松戸市)のJVが受注した。工事延長は計約4kmで、契約金額は計約68億円。両工区とも工期は21年7月~24年12月だ。
高さ不足が判明した5カ所のうち、澤尻橋下流を除く4カ所では発注者の承諾を得ず、施工者の判断で土のうを撤去していた。