行事
年中行事
1月
朝拝式【ちょうはいしき】(1月1日)
除夜の鐘が鳴り終わる元旦の早朝1時、新年最初に行われる法要です。年の初めに善光寺全ての僧侶が出仕する法要です。法要の式次第は通常のお朝事【あさじ】とは少し異なります。僧侶の纏う法衣も天台宗は長素絹【ながぞけん】と呼ばれる裾を引きずるほど長い衣、浄土宗は浄衣【じょうえ】と呼ばれる白装束と、通常のお朝事とは異なります。
朝拝式の名称は、日本書紀では「賀正、朝賀、朝拝」と書いて「みかどおがみ」といい、古くは朝廷の元旦儀式に始まるようです。
修正会【しゅしょうえ】(1月1日〜3日)
元旦から1月3日の期間中、浄土宗が午前11時、天台宗が午後3時に国家の平安を祈る法要が行われます。法要の中では、堂童子【どうどうじ】より金剛杖【こんごうづえ】が僧侶にくばられます。天台宗による法要では、瑠璃壇の下に位置する戒壇の壁をその金剛杖で打ち鳴らし「戒壇加持【かいだんかじ】」が行われます。これには鬼払いの意味合いがあります。
びんずる廻し(1月6日)
1月6日の夜に、堂童子【どうどうじ】がびんずる尊者に読経祈念し、妻戸台【つまどだい】の周りをもみ上げ廻ります。三周した後、堂童子より杓字(しゃもじ)が参拝者に授与されます。この杓字で尊者像を撫でて持ち帰ることで、一年の来福と無病息災を祈ります。
この行事の主役であるびんずる尊者は、十六羅漢【じゅうろくらかん】の一人です。身体が悪い方はこのびんずる尊者像に触れることで平癒すると信仰されています。
この行事は、後日行われる七草会【ななくさえ】の参拝と御印文頂戴【ごいんもんちょうだい】の儀式に便宜を図るために、びんずる尊者像を妻戸台から移動させたことに由来して始まったと言われています。
七草会【ななくさえ】(1月7日)
午前3時から行われる、善光寺の年中行事のなかでももっとも荘厳な法要です。法要の内容は、朝拝式・修正会に加え、御印文加持【ごいんもんかじ】、御印文頂戴【ごいんもんちょうだい】の儀が組み合わさったものです。深夜に行われる法要ですが、一般の方もお参りいただくことが可能です。
この法要に先立ち、午前2時から鐘楼にて、「人よせの鐘」が撞かれます。この鐘撞きは参拝者の方々も参加して頂くことができます。事前のお申し込みは必要ありません。
御印文頂戴【ごいんもんちょうだい】(1月7日〜15日)
落語「お血脈」でも知られる善光寺の御印文【ごいんもん】は、善光寺如来の分身といわれる三判の宝印で、この「御印文」を僧侶が参拝者の頭に押し当てる儀式です。「ごはんさん」とも呼ばれます。この御印文で額に判を押された人は極楽往生が約束されると言われています。
お焚き上げ(1月15日)
善光寺で1400余年灯し続けられている「法燈」の火によって、前年使われたお札や縁起物、門松、注連飾りなどをお焚き上げします。これによって新しい年の無病息災を祈ります。午後1時から六地蔵前にて執り行われ、どなたでもご参加いただけます。
法然上人御忌【ほうねんしょうにんぎょき】(1月25日)
午前11時より執り行われる浄土宗元祖・法然上人の忌日法要です。
2月
節分会【せつぶんえ】(2月3日)
長野市の無形文化財となっている善光寺木遣り【きやり】を先頭に赤鬼・青鬼、年男年女、福男福女の行列が仁王門から本堂へと練り歩きます。その後、本堂において追儺式【ついなしき】を行います。追儺式後、善光寺本堂回廊から参拝者に福豆、お菓子などの福品がまかれます。豆まきに参加を希望される際は事前にお申し込みください。
この節分会は権堂町秋葉神社節分会と連携し、「長野節分会」として執り行われています。
3月
御会式【おえしき】(3月15日)
3月と10月に天台宗が午前9時30分より、浄土宗が午前11時よりそれぞれ法要を行います。御本尊となる一光三尊阿弥陀如来像が現在の場所へご遷座されたことを記念する法要とも言われています。
彼岸会【ひがんえ】
春・秋それぞれの彼岸に行われます。彼岸会の日程は、彼岸の入り、中日【ちゅうにち】、彼岸明けの3日で行われます。天台宗が午前9時30分より、浄土宗が午前11時より行います。
天台宗の法要では、供物や仏具、約百点が供えられた彼岸壇という特別な祭壇に両界曼荼羅【りょうかいまんだら】を設え、密教修法と声明を中心とする曼荼羅供【まんだらく】法要が執り行われます。
浄土宗の法要では浄土宗は堂内を浄め、一心に仏様に礼拝し、阿弥陀経を読誦し、そして仏様の名号をお唱えする法要が執り行われます。
4月
針供養会【はりくようえ】(4月8日)
法要は午前11時から、針供養塔の前で、使い古された針や折れた針の供養および子女の健全育成を願って行われます。法要の前には折れ針が供養塔に納められます。一般の参拝者も、法要前に針を持って来ていただくことで針供養塔に収めることができます。
5月
伝教講法会【でんぎょうこうほうえ】(5月4日)
春の伝教講法要は午前11時より行います。天台宗宗祖である伝教大師・最澄【でんぎょうだいし・さいちょう】の忌日である「伝教会(山家会)」です。
6月
盂蘭盆会【うらぼんえ】(6月30日)
天台宗は6月に、浄土宗は7月にそれぞれ午後7時より行います。
読経が終わると僧侶が双盤を打ち鳴らします。法要後には、参拝者が妻土台【つまどだい】の大太鼓を叩くことができます。参加についてはお申し込み不要です。
また当日昼間には、近郷の人びとが「ご先祖様をお迎えに」と各家の位牌を持参して、本堂で回向を修する習慣である位牌開帳が今も伝えられています。
7月
開山忌【かいざんき】(7月13日)
午前11時30分から行われます。善光寺を開いた本田善光卿【よしみつきょう】の忌日の法会です。
大施餓鬼【だいせがき】(7月15日)
天台宗は7月15日午前10時から、浄土宗は8月15日午前11時から行われ、三界万霊有縁無縁の諸精霊が極楽浄土へと生まれることを祈祷する法要です。
7月の天台宗の法要においては、この時のみ内々陣の配置が逆になります。これは餓鬼への施しを目的とする施餓鬼棚【せがきだな】を設けるためです。
盂蘭盆会【うらぼんえ】(7月31日)
天台宗は6月に、浄土宗は7月にそれぞれ午後7時より行います。
読経が終わると僧侶が双盤を打ち鳴らします。法要後には、参拝者が妻土台【つまどだい】の大太鼓を叩くことができます。参加についてはお申し込み不要です。
また当日昼間には、近郷の人びとが「ご先祖様をお迎えに」と各家の位牌を持参して、本堂で回向を修する習慣である位牌開帳が今も伝えられています。
8月
お盆縁日【おぼんえんにち】(8月10日〜11日)
昭和初期から途絶えていましたが、本堂再建三百年を数えた平成一九年より再開しました。本堂前での「大盆踊り会」や、稚児【ちご】とともに先祖供養を祈る「精霊会【しょうりょうえ】」、本堂内の閻魔像前での法話など、さまざまな行事が行われます。駒返橋周囲では、近隣の町の方々の縁日屋台が開かれ賑わいをみせています。
大施餓鬼【だいせがき】(8月15日)
天台宗は7月15日午前10時から、浄土宗は8月15日午前11時から行われ、三界万霊有縁無縁の諸精霊が極楽浄土へと生まれることを祈祷する法要です。
地蔵盆【じぞうぼん】(8月23日)
24日は古くから子どもの守り仏として信仰される地蔵菩薩の縁日です。そのお逮夜【たいや】として前日23日の午後7時より、おやこ地蔵、ぬれ仏、六地蔵、延命地蔵など境内各所の地蔵尊の前で祈祷が行われます。子どもたちの健全育成を願い、参列した方には御札や御供が配られます。
地蔵菩薩を祀る各宿坊においても地蔵盆を行っています。
9月
彼岸会【ひがんえ】
春・秋それぞれの彼岸に行われます。彼岸会の日程は、彼岸の入り、中日【ちゅうにち】、彼岸明けの3日で行われます。天台宗が午前9時30分より、浄土宗が午前11時より行います。
天台宗の法要では、供物や仏具、約百点が供えられた彼岸壇という特別な祭壇に両界曼荼羅【りょうかいまんだら】を設え、密教修法と声明を中心とする曼荼羅供【まんだらく】法要が執り行われます。
浄土宗の法要では浄土宗は堂内を浄め、一心に仏様に礼拝し、阿弥陀経を読誦し、そして仏様の名号をお唱えする法要が執り行われます。
10月
十夜会【じゅうやえ】(10月5日〜14日)
浄土宗は10月に、天台宗は11月にそれぞれ午後7時より行います。
十夜会は『無量寿経【むりょうじゅきょう】』に、「この世において善を修すること十日十夜すれば、他の諸仏の国土において善をなすこと千歳【せんさい】に勝れり」と説かれていることに由来します。普段は非公開の十夜仏を御本尊の前に遷座し、供養の法要が行われます。
御会式【おえしき】(10月15日)
3月と10月に天台宗が午前9時30分より、浄土宗が午前11時よりそれぞれ法要を行います。御本尊となる一光三尊阿弥陀如来像が現在の場所へご遷座されたことを記念する法要とも言われています。
11月
十夜会【じゅうやえ】(11月5日〜14日)
浄土宗は10月に、天台宗は11月にそれぞれ午後7時より行います。
十夜会は『無量寿経【むりょうじゅきょう】』に、「この世において善を修すること十日十夜すれば、他の諸仏の国土において善をなすこと千歳【せんさい】に勝れり」と説かれていることに由来します。普段は非公開の十夜仏を御本尊の前に遷座し、供養の法要が行われます。
伝教講法会【でんぎょうこうほうえ】(11月24日)
秋の伝教講法要は午前11時より行います。中国の天台智者大師・智顗【ちぎ】の忌日に行う「天台会(霜月会【しもつきえ】)」です。
七五三特別祈願法要(下記のリンクからご案内ページをご確認ください)
七歳、五歳、三歳の子どもの成長を祝い、健全育成を願って行われる法要です。
七五三のみの特別法要は秋限定で⾏っています。
通常の健全育成祈願は通年で執り⾏います。
12月
お注連はり【おしめはり】(12月1日)
お朝事後に正月行事を担う堂童子役【どうどうじやく】の僧侶が自分の坊に五穀豊穣、天下泰平を願い注連縄をはり、善光寺正月行事の始まりを告げます。
貴々念仏【とうとうねんぶつ】(12月7日〜9日)
一定期間を定めて念仏を唱える「別時念仏【べつじねんぶつ】」の法要です。善光寺にかつて属していた時宗の寺院が行っていた法要の名残とも言われています。
お松はやし【おまつはやし】(12月10日)
大勧進・大本願の境内に松の枝を届け、門前の松に新縄を結んで災いなく新年を迎える清めの法要です。元々は本堂正面に正月をまつる松を切りに行く儀式をしており、お松伐しと呼ばれていました。
御越年式【ごえつねんしき】(12月第2申の日)
善光寺でもっとも重要な行事の一つで、夜0時から早朝まで行われます。この行事は御本尊・善光寺如来様のお年越しの儀式です。
白装束を着た堂童子【どうどうじ】が中心となって行う御供所【ごくしょ】での秘儀の後、大勧進御貫主様を導師とした密教儀礼が執行され、御本尊様がお年越しを迎えます。そして境内東西南北に供物を供え、祈念する四門固めが行われます。この時に使われる「おからこ」と呼ばれる餅を丸めたお供えは、当日午前中に堂童子らによって作られます。
この法要の堂内の様子は一般公開されません。
おそなえつき(12月21日)
浄土宗全僧侶が堂童子【どうどうじ】の坊に集まり、白装束で正月に御本尊・善光寺如来様にお供えする飾り餅をつきます。
お煤払い【おすすはらい】(12月28日)
お朝事後、本堂の法要等を取り仕切る僧侶である堂奉行と堂童子【どうどうじ】を中心に、洒摩【しゃま】という青竹に藁を結びつけた箒状の竿で御本尊前の戸帳を撫でるお煤払いの儀が執り行われます。その後、年に一度の本堂の大掃除が行われます。この日は特別に裏堂の扉が開かれ、瑠璃壇のホコリが出されます。当日のお朝事を行った後は本堂内陣にお入りいただくことが出来ず、内陣でのご参拝はできません。
除夜の鐘(12月31日24時)
年が改まる0時ちょうどから行います。除夜の鐘は百八回撞かれます。百八という数は私達が過去世・現世・未来世に持つ煩悩の数に由来すると言われています。
鐘撞きは整理券が必要となります。事前申し込みはありません。