この記事はバリ島移住を失敗する原因と移住のデメリットについて、バリ島に長期滞在している筆者の考察をまとめたものです。
人気のバリ島移住。毎年多くの人が移住されますが、残念ながら移住に失敗して帰国する人もいます。
この記事にある失敗の原因やリスク、デメリットをしっかりと考えぜひとも幸せなバリ島移住を成功させてください。
バリ島は生活がしやすく自然、文化にも恵まれているため海外移住先として人気の場所です。
その為、毎年多くの外国人がバリ島に移住をしてきます。
しかし移住者の中には、移住に失敗し本国に帰国してしまう人もいます。
その多くの理由は生活環境や人間関係が合わず、移住前に考えていた理想とかけ離れていたため移住生活に失望してしまったということです。
これは事前調査の不足や現地に合わせる努力不足が原因と考えられます。
そのように移住に失敗する人が少しでも減るように、この記事では長年バリ島で移住生活を送っている筆者の経験などをもとにバリ島移住に失敗する原因や移住のデメリットやリスクそして失敗しないための対策などを紹介しています。
この記事を読むことで、なぜバリ島に移住に失敗するのか、そして移住に対するリスクは何なのかを理解してもらえるでしょう。
そのことにより、失敗を回避し幸せなバリ島移住生活を楽しんでいただけると思います。
将来の人生設計のために、海外移住を考えている方はぜひ最後までお読みください。
目次
バリ島移住に失敗する原因
なぜバリ島移住生活が失敗してしまうのか?
それには大きく分けて3つの原因があります。
それは、「事前調査の不足」「適応力の不足」「許容力の不足」が挙げられます。
ここでは、その3つの原因について詳しく解説していきます
事前調査の不足
こんなはずじゃなかった
実際バリ島での移住生活を始めてみたら、思っていたことと違っていたということが多くあります。
ビザの問題、子供の教育問題、家の事、仕事やビジネスの事。
これら、事前調査で分かることをしっかりと調査しないと、理想と現実のギャップにより、バリ島移住に幻滅し帰国してしまう方がいるのです。
適応力の不足
信じられない。
日本と違う環境や文化であるバリ島で生活していると、日本での常識や習慣とは違うことがたくさんあります。
そんな日本との違いに対して、うまく自分を適応させることが大切です。
日本ではこうだった。
こんなこと、日本の常識では考えられない。
自分の意見ややり方をバリ島に押し付けたり、考えてもうまくいきません。
バリ島を自分に合わせるのではなく、自分がバリ島に合わせてうまくやっていくための努力が必要となります。
許容力の不足
やってられない!
こんなバカな!
日本とは違う文化、考え方、法律などにより、日本人にとって許せない事、理不尽なことが沢山あります。
理不尽を感じたとき、思い通りに事が運ばないとき、現実を受け入れる寛容性も必要です。
現実を受け入れて、いかにうまくやっていくか、そんな考え方をしなければ、バリ島では生活できないと思った方がいいでしょう。
最終的にはバリ島への適応性
移住する前に、バリ島の事をしっかりと調査しなさい
バリ島の文化や環境に自分を合わせなさい
理不尽と思えることがあっても受け入れてうまくやりなさい
という事を書きましたが
そんなこと言ったって、うまく合わせられないし、受け入れることもできない
という事がどうしてもあります。
頭では、合わせよう、受け入れようと思っても、どうしても感情的に合わせられない、受け入れられないという事があります。
つまり「生理的にムリ!」ってやつです。
これは、どうしようもありません。
だって、私たちは人間です。
機械ではないのですから。
最終的に、いろいろ考えたけど、どうしてもバリ島には合わない、合わせられない。
だから、移住はあきらめる。
実は、この理由が一番多く、どうしても解決できないのです。
これをバリ島への適応性と言います。
バリ島移住のデメリット、リスク
これからバリ島に移住しようという方にとって、バリ島は天国のような島で、移住したら幸せになれると考えられている方もいらっしゃるでしょう。
しかし、バリ島移住はそれほど甘いものではありません。
多くのリスクやデメリットがあるのです。
ここでは、そんなバリ島移住のリスクやデメリットを紹介します。
文化や言語の違い
当たり前といえば当たりませなんですが、バリ島の言語はバリ語やインドネシア語です。
中には日本語や英語ができる人もいますが、ほとんどの人はバリ語かインドネシア語しかできません。
だから、移住生活を円滑に行うには、カタコトでもいのでインドネシア語を覚えなくてはいけません。
でも他国の言語を学ぶことは、特にシニア層にとっては一苦労。
それでも、努力は必要ですね。
また、文化も日本とは違います。
文化が違えば、考え方や常識も違ってきます。
文化や言語の違いをいかに克服していくか、大切なことです。
インフラの未熟
近年は道路や上下水道、電気などのインフラがだいぶ良くなってきましたが、日本と比べるとまだまだのところが多いです。
特にネット環境は光ケーブル網がだいぶ広がってきましたが、通信速度は日本の1/3-1/2程度。
田舎のほうに行けばモバイル回線しかも、3Gというところもあります。
このように、まだ未成熟なインフラ環境の中でどうやって生活していくのかも検討しなくてはいけません。
医療レベルの違い
どんな田舎でも、診療所はありますので、医療に関しては一定の安心感はあります。
ただし、医療レベルはまだまだ低いと言わざるを得ません。
大きなけがや病気をしたら、シンガポールやマレーシア、あるいは日本に行かなくては安心できません。
また、生活習慣病などの予防や対処についてもかなり遅れていると言わざるを得ないでしょう。
また、それら医療に掛かる費用も大きな問題点です。
インドネシアにはBPJSという国民健康保険はありますが、原則外国人は加入できませんし、補償レベルも不十分。
そのため、移住者は各自保険会社の医療保険に加入したりしています。
このような医療レベルや医療保険についても検討しておかなくてはいけません。
経済的問題
バリ島の主要産業は観光業(と農業)になります。
外国人の場合、観光業関係のビジネスを行う人が多いでしょう。
バリ島は世界的な観光地ですので、毎年多くの観光客が来られます。
しかし、ちょっとしたことで観光客はあっという間に離れていきます。
例えば2004年のクタでの自爆テロ、そして2017年のアグン山噴火。
記憶に新しいことではコロナウィルスによるパンデミック。
これら出来事により観光客が激減し、経済的理由で本国に帰国した人はたくさんいます。
また、リタイアメント移住者も安心できません。
昨今の円安により、年金受給額の実質的な目減り。
円レートが下がることにより、バリ島で受け取れる年金額が目減りしています。
このような経済的なリスクもしっかりと考えて、移住生活の計画を練らなくてはいけません
環境問題とオーバーツーリズム
いま、バリ島で大きな問題となってる環境問題とオーバーツーリズム。
環境問題ではごみ問題が大きな課題。
観光客の増加でごみの量は増え、効率的な焼却装置がないバリ島では埋め立てが基本となっています。
今後のバリ島を考えるうえで、このごみ問題の解決は急務でしょう。
そして観光客の増加によるオーバーツーリズム問題。
特に交通問題が大きく、いたるところで交通渋滞が発生しています。
これら観光問題や交通状況によりバリ島に幻滅していく方も増えているのは事実です。
ビザと就労許可
外国人が異国の地で働き長期滞在するうえで避けて通れないのがビザと就労許可です。
ビザ及び居住許可(日本でいうところの在留許可・インドネシアではKITASといいます)は、誰でも簡単に取れるといったわけではありません。
取得には、条件がありまた、それなりのお金も必要です。
条件や費用の面で折り合いがつかず、正式な長期滞在ビザ、KITASが取れず、違法滞在に近い形でバリ島に移住している人もいます。
グレーな滞在ですが、常に警察の目におびえ不自由な滞在により精神的にも疲れてしまいます。
また外国人が仕事をしてインドネシア国内で報酬を得るには就労許可が必要。
外国人による個人事業を認めていないインドネシアでは就労許可を得るには会社に就職するか自分で会社を興すしかありません。
これらビザや就労許可の問題でバリ島への滞在を諦める方も多くいるのです。
地域社会との繋がり
バリ島に限ったわけではありませんが、人が住むところには小さくとも地域社会が存在し、その地域社会とどのように付き合っていくのかが大切なことです。
特にバリ島にはバンジャールという大変強いつながりを持つ町内会があり、ここといかにうまく付き合うかが重要。
外国人だから地域との繋がりをおろそかにしていいというわけではありません。
ご近所、町内会と良好な関係が築けなく、泣く泣くバリ島を去っていく人もたくさんいるのです。
外国人だからという考えは捨てて、いかに地域社会になじんでいくか。
これも移住を成功させる大きなポイントです。
バリ島移住を失敗しないための方法
移住失敗の原因を述べさせていただきました。
事前調査と言いますが、実際に住んでみなければわからない事もあります。
合わせるための努力や受け入れるための寛容力とも言いましたが、これも実際住んでみなくてはわかりません。
最後の適応力、これも実際にやってみなければわからないことです。
つまり、バリ島への移住を失敗させないための方法は、実際に住んでみる事!という事です。
しかし、この結論は矛盾していますよね?
移住に失敗はしたくない。
しかし、失敗するかどうかは住んでみなくてはわからない。
じゃあ、どうしろというのか?
ここで、おすすめしたいのがステップ移住です。
ステップ移住とは、観光・セミロングステイ・ロングステイ・移住という段階を踏んで徐々に移住していくという方法です。
まず最初は、一週間~30日以内の観光旅行。
ここで、バリ島が好きになるかどうかを確かめます。
できたら、雨季と乾季の両方に来て、自然環境の変化とそれに適応できるかも見極めたらいいでしょう。
次に30日~60日のセミロングステイ。
60日以内ならVOAという簡単なビザで滞在できます。
旅行の延長感覚でバリ島に住んでみて、自然環境や生活環境の適応性を見ます。
その次は、ソシアルビザでのロングステイ。
ソシアルビザなら180日間の滞在ができます。
この間に、語学を習ったり、就職先、住むところを探したりします。
同時に、友人もできるので、現地の方との適応性なども見ることができます。
こうやって、徐々に滞在期間を延ばして、バリ島との適応性を確認していくことが失敗しない方法です。
バリ島移住失敗の原因まとめ
バリ島移住の失敗理由、原因、対策についてお話をさせていただきました。
バリ島への移住が失敗するかどうかは、最終的にはバリ島への適応性があるかどうかです。
バリ島への適応性があれば、多少のトラブルや不満などは解決していきます。
しかし、適応性がなければ、トラブルや不満からバリ島にいることが許せなくなり、移住は中断していくことになります。
この適応性があるかどうかを確認する方法が、徐々に滞在期間を延ばしていくステップ移住です。
いきなり移住するのではなく、観光、セミロングステイ、ロングステイと滞在期間を延ばしていくことをお勧めします。
最後に、さんざん移住失敗と言ってきましたが、移住には失敗はないと思います。
なぜ移住をするのか?
それは、幸せな暮らしをするためです。
幸せな暮らしをするために、住む場所を変えることは、失敗という事ではありません。
幸せな暮らしをすることが目的であり、バリ島移住はその手段です。
だから、移住をやめて日本に帰る、別な場所に行くという事は失敗ではなく手段の変更という事だけです。
幸せな生活を目指して、移住を考えているのでしたら、まず一歩を踏み出してみましょう。