首都ヘルシンキからフィンランドの各都市を北欧の交通会社とは思えないリーズナブルな料金で結ぶオンニバス。チケットはオンライン予約のみ、無駄を徹底的に省いた企業努力で驚くべき低価格を実現し、物価の高いフィンランドを格安かつ快適に移動できる旅行者の強い味方となっています。2011年の登場以来、その料金に見合わない質の高いサービスでリピーターを増やし続ける人気バス会社、オンニバスについてご紹介します。
提供元:OnniBus.com
http://www.onnibus.com/en/index.htmフィンランド語でラッキーとか幸せの意味のonniを名前としたオンニバス(OnniBus.com)は、フィンランド第2の都市タンペレに本社を置く2011年設立の格安長距離バスの会社です。
どのくらい安いのかVR(フィンランド鉄道)と比べてみると、例えば2017年の8月2週のヘルシンキからタンペレ行きは、VRのコミュータートレインの基本料金:大人一人16ユーロに対してオンニバスはたったの6ユーロでした(平日運賃)。ちなみに一般的な長距離バス会社での料金は27ユーロ。
このように今までの概念を打ち破る、あまりにも安い料金は当初はフィンランド国内でも「何かウラがあるんじゃないか?」と不安視される程でした。が、福利厚生がしっかりしたフィンランドできっちりスケジュール管理された優秀なドライバーと、きちんとメンテナンスされた車体で運行するオンニバスは、安全で時間に正確。当然ウラがあるはずもなく、安さの理由は、発券オペレーターや大がかりな予約販売システムを置かず、自社HPからのオンライン予約のみのシート販売方法など、無駄な事務費を削った徹底的なコストカット=企業努力の賜物、ということが理解されるようになりました。そして設立から6年経った今では確固とした企業ブランドを確立し、リピーター客を増やし続ける人気のバス会社となっています。
写真:林 ぶんこ
地図を見るオンニバスは赤い車体の2階建て。車内も赤でまとめられており、安いのに無料Wi-Fi、トイレ、エアコンと必要な設備は全て備えています。また座席の下に電源があるので、シートピッチは広くはないですが、充電しながら座席でパソコンのキーボードを打つことも可能です。
2階席の一番前は眺めの良いフロントシート、1階にはテーブルを挟んだ向い合せのボックスシート、足元が少し広いエクストラレッグスペースシートなどがあり、それらはスタンダードシートにプラス2ユーロの特別席となっています。
提供元:OnniBus.com
http://www.onnibus.com/en/index.htm■料金について
オンニバスは乗車する日にち、時間、買うタイミングによって同じ路線でも料金が変動します。ただしMAX料金で乗ったとしても他の交通機関と比べるとかなりお得です。子供料金はなく、あくまでも一席いくらという料金形態になっています。そして一人につき20kgまでの荷物を一つバスの荷物入れに、手荷物一つを車内に持ち込むことができます。
■予約の仕方
オンニバスのHP画面から日にちと発着地を入れる
↓
候補便が一覧表示されるので、自分が乗りたい時間の便を選んでバスケットに入れる
↓
シートを選ぶ
↓
名前、メールアドレスを入れる
↓
クレジットカード情報を入力
↓
指定のアドレスにbookingsから予約確認メール(Confirmation of booking with OnniBus.com)が送られてくれば完了
・予約確認メールをそのまま運転手に見せれば乗車できます。印刷する必要はありません。
・予約なしでも空きがあれば当日運転手からも買えますが、現金支払いは不可。クレジットカードかデビットカードでの支払のみ受け付けてくれます。またオンライン購入より高いので、バスの到着前ならなるべくオンライン予約する方がベターです。
■注意点
一度支払いを済ませてしまうと、キャンセル、変更は一切不可なので入力は正確に。支払い画面では、日にち、時間、料金など条件をしっかり確認してから支払いを完了するようにしましょう。
写真:林 ぶんこ
地図を見るヘルシンキ発着の長距離バスターミナルは、地下鉄カンピ駅の隣にあるカンピショッピングセンター地下にあります。フィンランド中のバス会社の長距離バスが発着するヘルシンキ最大のバスターミナルで、地下1階だけでなく地下2階にもあるので乗り場に注意しましょう。
写真は地下2階部分。バスが到着したので×が付いている電光掲示板に、出発時には時間と行先が表示されます。
写真:林 ぶんこ
地図を見るバスの最終目的地まで行ってそこから帰ってくるなら、下車した同じ場所で待っていれば帰りのバスが来ます。(ただし、まれに違う場合もあるので、降車時に帰りの乗り場を運転手に確認しておきましょう。)
が、途中の経由地から乗り降りする場合が少々ややこしく、大抵のバス停は高速道路を降りてすぐの場所にあるのですが、行き先によってバス停の位置が異なるので、事前にHPのバス乗り場案内でしっかり確認しておくのが無難です。不安なら近くを歩いている人に「オンニバス!タンペレ!」などと目的地を言って聞いてみましょう。だいたいみなさんオンニバスには乗車されたことがあるので親切に場所を教えてくれますよ。Pikavuoro(高速バス)の青いサインが、オンニバスを含む長距離バスが停車するバス停です。
北はロヴァニエミ、東はヨエンスー、サヴォンリンナ、コッコラなど、フィンランドの主要都市を網羅しており、ヘルシンキからムーミンワールドのあるリゾート地、ナーンタリへも乗り換えなしの直行便を走らせています。フィンランド国内ならだいたいどこへでも行ける便利なオンニバスは、物価の高いフィンランドをリーズナブルに移動できる旅行者の強い味方です。
またオンニバスのホームページやフェイスブックでは頻繁にキャンペーンを行っており、条件が合えば何百キロも離れた遠くの街に、わずか数ユーロで行くことも可能です。フィンランドを訪れる前にHPをチェックすれば、お得に旅することができるかも?
この記事の関連MEMO
この記事を書いたナビゲーター
林 ぶんこ
知らない場所に行くのが好き。観光する、というよりもそこの場所に生活している人、そこの場所に息づいているものを観察するのが好き。20年ぶりにリターンしたバイクと一緒に、知られざる絶景や美味しいものを求め…
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