写真:やま かづ
地図を見る台湾の東海岸を行く鉄道は西海岸のように高速鉄道が走っていませんので、ローカル列車を使っての移動となります。
ただ、台北−花蓮(ファレン)間は人の行き来が多いため、自強号という特急列車のほかに日本製の車両を導入した太魯閣(タロコ)号や普悠瑪(プユマ)号が運行しています。これらの車両は、カーブの走行でも客車を安定させることができる振り子システムを導入していますので、乗り心地が抜群でとっても人気があります。
台北−花蓮間は約2時間から2時間30分かかりますが、途中、風景の変化に富んだ東海岸沿いに走りますので、駅弁をつつきながら移り行く車窓を楽しむには最高です。
ちなみに、太魯閣(タロコ)号と普悠瑪(プユマ)号は人気があるため、どうしてもこれらの列車に乗りたい場合にはネットでの事前予約・決済をお勧めします。(文末の台湾鉄路管理局のウェブサイト参照)
写真:やま かづ
地図を見る台湾では「駅弁」のことを「便當(ビンドン)」と言い、日本語の「弁当」が語源です。かつては、昔の日本と同じように駅のホームで売り子さんによって立ち売りされていましたが、今ではそんな姿を見ることもなく、主要な駅の売店で売っているのみです。
駅弁のバリエーションはそれほど多くありません。一番手ごろな「経済弁当」は醤油で煮込んだ豚肉とゆで卵がご飯の上にのせられているのが主流です。そのほか、「経済弁当」に青菜などの炒め物、小魚などが添えられると、ちょっと豪華な「八角弁当」となります。
写真:やま かづ
地図を見る台湾にはベジタリアン(菜食主義者)の方が多く、街なかでもベジタリアン用のレストランをたくさん見かけます。
駅弁もベジタリアン用のものがごく当たり前にラインナップ、それらは肉や魚を使わず、大豆やタケノコ、山菜を中心とした野菜類だけでつくられており、「素食弁当」と呼ばれています。食材がシンプルなだけに味つけや盛り付けは工夫が凝らさせていますので、肉を使ったお弁当には見られない繊細さを感じることができます。
写真:やま かづ
地図を見る池上は台湾東部の米どころで、駅弁発祥の地としても知られています。駅弁の一番人気は元祖池上弁当で、「正宗池上飯包」と呼ばれています。
木製の弁当箱に池上特産の白米、そして上には豚肉の醤油煮、ショウガ、煮玉子、野菜の炒め物など数種類のおかずがのせられています。おかずを乗せることで白飯の乾燥を防ぎ、また木製のお弁当箱が余分な水分を吸収するので、冷めてもおいしさが保たれるように工夫されています。
また、池上駅前には「池上飯包文化故事館」という歴史博物館があり、台湾の米どころとして発展してきた池上の歴史や稲作文化を紹介しています。さらに、内部で駅弁を買ってイートインスペースで食べることもできます。
写真:やま かづ
地図を見る台湾の駅弁は総じて白飯の上におかずをのせた、いわゆる丼タイプが主流です。しかし、ここ台東駅の駅弁は白飯の上にメインのおかずがのっているものの、仕切りがある幕の内弁当タイプが多いようです。
写真は骨付き鶏肉の「鶏腿飯」ですが、ベーコン、腸詰めウインナーなども添えられており、豪華な仕上がりになっています。
台東駅は郊外に新しくできた駅で、その駅舎はモダンです。駅舎がモダンなだけに駅ナカの売店もモダン、そして駅弁もモダン。昔ながらの駅弁が彩り豊かになって今風に変身!こんな駅弁もいいものです。
台湾東海岸ローカル列車の旅は、花連、台東など東海岸の主要駅を経由した時計回りで終着駅の高雄へ到着。この後は、そのままローカル列車を乗り継いで台北まで北上することができますし、MRT左営駅まで移動すれば、そこからは台湾高速鉄道(台湾新幹線)を利用することもできます。
のどかな車窓と駅弁を楽しみながらゆったりと回る台湾の東海岸ローカル鉄道の旅。すばらしい思い出になること間違いありません。
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(2025/1/5更新)
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