写真:乾口 達司
地図を見る「横蔵寺(よこくらじ)」は岐阜県揖斐郡揖斐川町の山中にある寺院。ご本尊は薬師如来で、寺伝によると、比叡山・延暦寺を創建した天台宗の宗祖・最澄が延暦寺のご本尊と同じ霊木から彫り出したものであるといわれています。最澄に背負われて諸国を行脚したご本尊はやがてこの地に安置され、寺院としての整備がはかられました。それにちなみ、横蔵寺は現在も天台宗の寺院となっています。
横蔵寺は中世までは隆盛を誇りましたが、やがて衰退。現在は谷汲神原地区にいくつかのお堂が残されているだけとなっています。写真は数少ない堂宇の一つである本堂。入母屋造の檜皮葺で1671年(寛文11)の建立。岐阜県指定重要文化財となっています。
写真:乾口 達司
地図を見る三重塔は1663年(寛文3)の建立。本堂と同様、岐阜県指定重要文化財となっています。
写真:乾口 達司
地図を見る1675年(延宝3)に建立された仁王門もやはり岐阜県指定重要文化財となっています。
お気づきのように、本堂・三重塔・仁王門のいずれもが1660年代から1670年代にかけて造営されています。実は横蔵寺はそれまではさらに奥まった山中にあったのです。これらが1660年代から1670年代にかけて造営されていることは、この時代になって、横蔵寺が現在の地に移ってきたことを示しています。
写真:乾口 達司
地図を見る写真は宝物館である瑠璃殿。館内には数多くの仏像が安置されています。特に有名なのは、木造深沙大将立像。その異形の姿は類例がなく、非常に珍しい造型です。
瑠璃殿にも立ち寄り、「岐阜の正倉院」と呼ばれる横蔵寺の寺宝の数々、ご堪能ください。
写真:乾口 達司
地図を見るこちらは瑠璃殿に隣接する舎利堂への道筋を示した案内板ですが、よく見ると、「舎利堂」の文字の上に小さく「ミイラ堂」の文字が記されているではないですか!そうなんです。横蔵寺には数多くの仏像とは別に「ミイラ」まで安置されているのです。
写真:乾口 達司
地図を見る舎利堂に安置されている「ミイラ」は、一般的に「即身仏」と呼ばれているもので、当地出身の妙心法師という方のご遺体です。妙心法師は1781年(天明1)生まれ。各地をめぐり、修行に励んだ後、1817年(文化14)、山梨県の御正体山で入定し、即身仏となりました。その後は山梨県のお堂に安置されていましたが、明治に入り、紆余曲折を経て、故郷である当地に引き取られました。以来、横蔵寺に安置されています。
妙心法師の「ミイラ」は堂内のガラスケースの中に安置されており、間近で拝観することができます。現存する即身仏の多くは東北地方に集中しており、横蔵寺の即身仏は実際に拝観できるものとしては、日本最西端のもの。堂内では妙心法師が即身仏となった経緯も説明していただけるため、横蔵寺を訪れたときはぜひ拝観してください。
写真:乾口 達司
地図を見る横蔵寺のもう一つの魅力は、その豊かな自然環境にあります。境内の中央を川が流れており、夏場であれば、水の冷たさにおどろくはず。新緑や紅葉の名所としても名高いだけあり、境内にはたくさんの樹木が生い茂っています。
写真:乾口 達司
地図を見る苔むした石塔も点在しています。静寂に包まれた境内をめぐるだけでも、心が洗われる気持ちになりますよ。
「岐阜の正倉院」とも呼ばれる横蔵寺がいかに魅力的な古刹であるか、おわかりいただけたでしょうか。数多くの仏像や珍しい「ミイラ」など、見どころ満載の寺院であるため、横蔵寺に立ち寄り、その豊かな歴史に思いをめぐらせてください。
住所:岐阜県揖斐郡揖斐川町谷汲神原1160番地
電話番号:0585-55-2811
拝観料:瑠璃殿・舎利堂は有料
アクセス:名神高速大垣ICから車で約70分
2023年2月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。
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(2025/1/5更新)
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