写真:ぐれい クミコ
地図を見るもともと甲州街道の宿場町であった石和宿(笛吹市石和町)は古くから栄えた町。ぐるりと高い山々で囲まれた盆地で、そのさらに高いところの南側に富士山が頭を出し、西側に南アルプスの山並みが綺麗に遠望できます。
まずは山の名前の由来でもある大蔵経寺を目指しましょう。電車の場合はJR中央本線石和温泉駅から北へ。こちらの写真は平等川を渡った国道140号線で撮ったものです。登山口まではここから5分ほどです。
写真:ぐれい クミコ
地図を見る自家用車の方は、こちら大蔵経寺の横のコンクリートの道をゆるやかに上がったところに無料の駐車場があります。とても広い駐車場なのでハイキング客の多い日でもとめられないということはまずありません。
駅から徒歩で向かう場合も登山口はこの上ですのでこちらの道を。しばらくコンクリートの道が続きます。
写真:ぐれい クミコ
地図を見るこちらの写真はイノシシ除けのフェンスです。いきなり行き止まり?と不安に思われるかもしれませんが、登山口はまさにここ。フェンスの左寄りのドアが開けられます。いよいよハイキングのスタートです!入ったらドアを閉めておくのを忘れないでくださいね。
写真:ぐれい クミコ
地図を見る登山口のゲートを通ってからもしばらく幅の広い舗装された道が続きますが、数分歩いた後は土や砂利のなだらかな林道に。30分ほど登ったところに少し開けた第一展望台、「甲州伊沢暁」の富士が眺められる眺望ポイントに出ます。
写真:ぐれい クミコ
地図を見る葛飾北斎「富嶽三十六景」の「甲州伊沢暁」の絵と実際の風景を見比べやすいように設置された立て看板を見てみると、その位置関係から眼下に広がる宿場町、奥に鵜飼川(笛吹川)、そして正面に富士山があり、確かに作品と同じ眺望であることが分かります。
作品に描かれている富士山は実際に見えるよりも大きいですが、この作品はうっすらと明るくなってきた早朝の風景で、遠くに見える富士はまだ闇をまとっていると解釈されているので、その光と影の表現の違いかもしれません。
「富嶽三十六景」ははじめに摺られた三十六図は表富士、後からの十図は裏富士と呼ばれており、この「甲州伊沢暁」は裏富士の代表作品です。
気持ちの上では北斎の目になって眺めてみるのも面白く、また日の出の風景や甲府盆地の夜景が美しいとも評判なので、早朝や、夕暮れ時に来てみるのもお勧めの場所です。
写真:ぐれい クミコ
地図を見る第一展望台からきれいな富士山が見られたら、満足してしまいそうになりますが、せっかくですので山頂を目指しましょう。途中で「甲州伊沢暁」に描かれた富士の角度を探して歩くのも楽しいですよ。ここから先、山頂へは少し傾斜のきつい道になります。
写真:ぐれい クミコ
地図を見る山梨百名山の中では標高の低い山で登りやすく、子供連れでも山頂まで90分くらいですが、登山道は比較的に砂利や岩が多く歩きにくい個所もあります。注意点はこれらの上に多く積もった落ち葉などに、足を取られて転倒しないよう気を付けること。山頂近くには積石塚古墳群の大きな岩場もあります。
写真:ぐれい クミコ
地図を見るこちらが大蔵経寺山の山頂ですが、残念ながらここからは富士山の眺望はありません。大蔵経寺山は北奥千丈岳から南へ伸びた尾根の最末端でここからさらに尾根づたいに真言宗の古寺、長谷寺へ向かうハイキングコースもあります。
写真:ぐれい クミコ
地図を見るハイキングコースの眺めの良いところで一休みに山梨県民のソウルフード「甘納豆赤飯」などはいかがでしょうか。登山前にコンビニや駅前のスーパーでご当地のおにぎりなどを買って登るのもお勧めです。
無類の旅好きだった北斎ですので、きっといろいろな郷土料理も食べて歩いたことでしょう!
<大蔵経寺山の基本情報>
住所:山梨県笛吹市石和町松本615
アクセス:JR中央本線石和温泉駅の北口から雁坂みち(国道140号)を経由し登山口まで徒歩約10分
写真:ぐれい クミコ
地図を見るハイキングの後は石和温泉駅に戻ると、南側に疲れた足を癒す足湯があります。駅に観光案内所があり無地のタオル一本100円で販売されています。足湯は無料です。
<石和温泉駅前公園あしゆの基本情報>
住所:山梨県笛吹市石和町駅前18
平日9:00〜17:00 土日祝9:00〜18:00
写真:ぐれい クミコ
地図を見る石和温泉駅の観光案内所には駅内に珍しいワインサーバーがあります。笛吹市内のワイナリー10社が提供する16種類のワインが1杯200〜400円で試飲できます。日本ワインの生産量1位を誇る山梨ワインがずらり。少しづつ飲み比べられる量が嬉しい、試飲用プラスチックグラスは使い捨てで安心です。
<駅中ワインサーバーの基本情報>
住所:山梨県笛吹市石和町松本177-1
電話番号:055-231-5500
平日10:00〜16:00 土日祝10:00〜17:00
いかがでしたでしょうか。「富嶽三十六景」の富士を眺め、山梨名物を食べて、石和温泉駅の足湯に浸かり、山梨ワインを飲む!といういささか詰め込んだプランですが、家にいるのがもったいないという晴れの日に、おすすめのハイキングコースです。
2020年2月から日本国パスポートのデザインが新しくなり、査証ページに葛飾北斎「富嶽三十六景」が起用されるようになりましたね。葛飾北斎は知っていても、実際はどこの富士山かはよく知らないもの。運動不足解消もかねて、北斎が見た富士を眺めるハイキングにぜひ出かけてみてください!
2020年12月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。
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(2025/1/3更新)
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