写真:権丈 俊宏
地図を見る湯の峰温泉は、川湯温泉・渡瀬温泉と共に、熊野本宮温泉郷の3つの温泉の1つ。有名な熊野本宮大社が付近にあり、開湯約1800年の日本最古の湯ともいわれています。温泉街中心部は昔ながらの温泉情緒が残り、古き良き時代の郷愁を感じずにはいられません。
写真:権丈 俊宏
地図を見る温泉街中心部の一部では、川辺に降りることも可能。上の写真の囲いは「湯筒」と呼ばれるもの。約90度の源泉が湧出し、その温泉熱で野菜や卵などを茹でて食べることができます。(卵と野菜は、土産物店等で購入可能)
天然の温泉熱を利用した料理・調理法は、野沢温泉(長野県)や別府鉄輪温泉(大分県)などが有名です。しかし湯の峰温泉でも観光資源・生活資源の一つとして、先人の知恵が現代まで脈々と受け継がれています。
写真:権丈 俊宏
地図を見る「つぼ湯」は、温泉街中心部から少し坂道を登ったところにあります。川辺に小さな小屋があり、湯船(川岸)の底から自然湧出する温泉に直接入浴します。これは足元湧出温泉と呼ばれ、全国的にも大変貴重な温泉形態です。
温泉は生鮮食品と同じで鮮度が命。空気に触れた途端、酸化し次第に劣化します。空気に触れることなく浴槽に注がれる足元湧出温泉は、“究極の温泉”とさえ言われています。
「つぼ湯」は、「紀伊山地の霊場と参詣道」の一部として、2004年にユネスコ世界遺産に登録。入浴できる世界遺産としては、世界唯一の存在です。
写真:権丈 俊宏
地図を見る「つぼ湯」は、1グループ最大30分の交代制。とはいえ、2〜3人入浴したら目いっぱいの小さな浴槽。できれば少人数のグループ、もしくは一人での入浴がおすすめです。
階段を下り、川辺とほぼ同じ高さにある浴室は、湯船と桶、簡素な脱衣かごがあるだけのシンプルなもの。石鹸類は使用禁止で、ここは温泉そのものを楽しむ場所です。
写真:権丈 俊宏
地図を見る泉質は、美肌成分で知られる重曹と、保温効果に優れる食塩が少量含まれる硫黄泉。日によっては、7回湯の色が変化すると言われる摩訶不思議な温泉です。香ばしい硫黄の香りに包まれつつも、足元からの地熱を体感。“大地の鼓動を感じながら入浴する”、といったワイルドな体験ができますよ!
肌触りは柔らかな温泉ですが、同時に猛烈に体が温まる濃厚湯。あまり無理をせずに加水して温度を下げ、また適宜に温泉から上がって休息しながら温泉を楽しみましょう。実際に入浴すれば、まさに“世界遺産の温泉!”と実感できるに違いありません。「つぼ湯」は、温泉そのものが最大の魅力なのです。
写真:権丈 俊宏
地図を見るこのように「つぼ湯」は世界遺産登録の名湯ですので、特に土日祝日は大変混雑します。時間帯によっては、入浴できないことも。そこで「つぼ湯」へ入浴するコツをご紹介します。
まずは、湯の峰温泉公衆浴場前にある受付(上写真にある右側の三角屋根の建物)で番号札を貰います。まずは何グループ待ちかを確認すると良いでしょう。そこで待ち時間を逆算することは可能ですが、あまり長時間持ち場を離れると次に人に順番を越される場合が有るので、気を付けてください。
写真:権丈 俊宏
地図を見る最も注意したい点が、受付の公衆浴場が老朽化のため、2020年8月17日から一年余り休業すること。公衆浴場前の受付も移転されます。8月16日までは、現行の受付場所でOK。
公衆浴場の建替工事が始まったら、「つぼ湯」の道路を挟んで反対側に仮設の受付を設置する予定。不明な点は、熊野本宮観光協会に問い合わせると良いでしょう。本記事の巻末にある「この記事の関連MEMO」内に、観光協会公式サイトをリンクしております。
写真:権丈 俊宏
地図を見るこのように、つぼ湯は超人気の温泉であり、いつ入浴できるか予定を立てにくいのも事実。できれば時間が限られる日帰りよりも、宿泊で利用する方がおすすめです。
湯の峰温泉には10数軒の宿泊施設があります。歴史ある旅館・鉄筋のホテル・小規模な民宿やゲストハウスまで、多彩な宿泊のバリエーションが選択可能です。
写真:権丈 俊宏
地図を見る湯の峰温泉では、つぼ湯のほかに2つの日帰り入浴施設があります。一つが「くすり湯」(上写真)、もう一つが「一般湯」(下写真)です。つぼ湯に入浴すると、追加料金無しでいずれかの温泉に入浴可能です。
「くすり湯」では、湯の峰温泉の源泉を加水することなく、源泉を一度冷ました後、かけ流しで利用されています。湯の峰温泉の泉質をじっくりと楽しみたい方には、こちらがおすすめです。
写真:権丈 俊宏
地図を見る一方の「一般湯」では、源泉に水を加えた上でかけ流し。適温ややぬるめに調整されています。泉質の濃さはくすり湯に及びませんが、濃厚なつぼ湯で火照った体を癒したい方には、むしろ「一般湯」がおすすめです。
いずれも、現施設での営業は2020年8月16日まで。営業再開は、2022年4月の予定です。くすり湯と一般湯を利用されたい方は、早めの訪問をおすすめします。
※公衆浴場の食堂棟も併せて休業。つぼ湯・湯筒・公衆浴場前にある温泉の汲み取り場は、工事期間中も引き続き利用できます。
住所:和歌山県田辺市本宮町湯峯110
電話番号:0735-42-0074
アクセス:
【車】紀勢自動車道 上富田ICより約1時間 ※温泉街入口(下流側)に無料駐車場有り
【バス】(大阪方面)JR紀伊田辺駅から龍神バスに乗車(約110分)。湯の峰温泉バス停下車後、徒歩すぐ(約40m)
【バス】(名古屋方面)JR新宮駅から奈良交通もしくは熊野交通バスに乗車(約70分)。湯の峰温泉バス停下車後、徒歩すぐ(約40m)
営業時間:6時〜21時30分。定休日無し。30分交代制
入浴料金:大人780円、小人470円
2020年8月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。
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(2025/1/18更新)
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