写真:万葉 りえ
地図を見る江戸時代の五街道の一つだった中山道。江戸と京都を結ぶのには東海道もありましたが、川越えがない中山道も重要な街道でした。この街道には69か所の宿場が置かれ、そのうち11宿が木曽でした。ですから中山道は別名「木曽街道」とも呼ばれていたのです。
木曽川に沿って深い谷や険しい峠を越えてつながっている木曾の11宿。そのうちの一つが妻籠宿になります。
写真:万葉 りえ
地図を見るさて、昭和30年代から40年代にかけて、日本は高度経済成長によって様々な場所で開発が進んでいました。そんな昭和42年の妻籠で、宿場の町並みを守ろうとする地元の有志が立ち上がります。
現在は、日本各地に「重要伝統的建造物群保存地区」として町並みが保存されている地域がいくつもありますよね。そのきっかけとなったのが妻籠宿なのです。しかし先駆者だからこそ、その道のりは容易ではなかったはず。困難な道を進んだ人たちのおかげで、建物はもちろん、枡形の跡など歴史ある景観が残ったのです。
写真:万葉 りえ
地図を見る国の重要伝統的建造物群保存地区に指定されたのが昭和51年。昭和56年には「郷土環境保全地域」の指定も受けていて、国道も少し離れて通るようになっています。ですから、妻籠宿から馬篭方面へ向かう道には昔の面影が今も濃く残っています。
写真:万葉 りえ
地図を見るそんな町並みだからこそ、昔から使われてきた道具類がしっくりと溶け込みます。食べ物や土産などの店を見る楽しみに加えて、道のあちこちでそんな昔ながらの物たちも見つけながら散策してみましょう。
写真:万葉 りえ
地図を見る山間にあるため冬場の寒さは厳しいものがあり、だからこそ春の訪れは待ち遠しいでしょう。そして、春が来た嬉しさをさらに高めてくれるのが妻籠宿で数年前から始まった雛飾りです。
メインになるのは普段は無料休憩所になっているふれあい館ですが、ご覧のように壁一面、所狭しとお雛様が飾られます。まずこの迫力に圧倒されてくださいね。
写真:万葉 りえ
地図を見るしかも、セットだったお雛様はひな壇にきちんと組み合わされて並べられ、下の方にいるお雛様にはこのように楽しげな演出もされているのです。書き物をしていたり、こちらのグループは百人一首?お雛様たちが何をしているのか、順に見ていくのも面白そうでしょ。
写真:万葉 りえ
地図を見るさて、ひな壇の上部に豪華な打掛(着物)がかかっているのが確認できるでしょうか。この着物のうち一枚がひな壇と向かい合わせの床に置かれていて、羽織って写真撮影もできるようになっています。ちゃんとお雛様の頭の飾りも用意されています。かぶって、羽織れば、あなたもたちまちお雛様!数えきれないくらいの雛人形を従えて記念写真を撮っておきましょう。
写真:万葉 りえ
地図を見る「木曽路はすべて山の中である…」と作品「夜明け前」でつづった島崎藤村は、妻籠宿では忘れてはならない人物です。
ふれあい館の近くにあるのが、藤村にゆかりがある妻籠宿本陣や脇本陣の建物です。現在は博物館として使われていますが、本陣は島崎藤村の母の生家でした。そして島崎藤村の初恋の相手が嫁いだ先が現在重要文化財に指定されている脇本陣だったのです。
写真:万葉 りえ
地図を見るそしてお雛様がこの宿場町に飾られる時期は、土で作られたご覧のようなお雛様が本陣に百体以上展示されます。ほのぼのとして、現代のものとは全く違う可愛らしさがある土雛達。本陣は有料にはなりますが、本陣だけの見学と、お得になる脇本陣との共通券もあります。この時期だけのお雛様、時間があれば本陣の建物も含めて見学しておきましょう。
写真:万葉 りえ
地図を見るふれあい館での展示や妻籠宿本陣の土雛展示を紹介しましたが、この時期は店や一般の民家でもこのように訪れた人々をもてなす飾り付けがされています。時間が許す限り、各家庭で大事に受け継がれてきたお雛様ともお会いしてきてください。
写真:万葉 りえ
地図を見る妻籠地区には伝統的建造物だけでも214件あり、守られていますが、ここの凄さは建造物だけではありません。田畑や樹木など周りの環境も国指定の特別物件としているのです。
広大な自然景観も含めた集落保存構想を持っている妻籠宿。暖かい風が吹き始めたら、ぜひこの時期だけの華やかさも味わいに出かけてみてください。
住所:長野県木曽郡南木曽町吾妻2159-2
電話番号:0264-57-3513
ふれあい館の雛飾りは、例年3月上旬から4月上旬にかけて展示されます。
2020年1月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。
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(2024/12/22更新)
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