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難病の私はどうすれば…「国は障害者や高齢者が目に入っていないみたい」 マイナ保険証は高いハードル

2024年12月26日 06時00分 会員限定記事
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〈連載「取り残される人たち」検証マイナ保険証〉④
 従来の健康保険証の新規発行が終了し、2日からマイナ保険証を基本とする仕組みに移行した。制度移行の裏で、デジタル化の恩恵を受けられず、取り残される人たちを訪ねる連載の4回目は、難病を抱える患者女性の不安の声。

人工呼吸器に手を添えて説明する吉村友梨さん=長野県内で

◆自力で体を支えられない人はどうすれば

 顔に人工呼吸器を付け、電動の車いすに乗った吉村友梨さんが姿を現した。
 全身の関節が柔らかくなる「エーラス・ダンロス症候群」という難病で、自力で体を支えられない。
 「自分で座位を保てない人はどうするのか、国は考えているのだろうか」
 吉村さんは、マイナ保険証の導入に関して、こんな不安の声を取材班に寄せていた。
 先天性の疾患で気管軟化症、呼吸不全、それに伴う合併症が複数ある。現在30代後半だが、この難病に診断されたのは20歳のころ。それまでは、ぜんそくと診断されていた。
 取材は10月上旬、長野県内のホテルの広めの個室で行った。落ち着いた環境で話が聞きたかったからだ。パートナーの50代の男性にも同席してもらった。

◆保険証廃止のニュースに驚き、焦り

 「こうやって起きているときはよいのですが夜、寝るときに、あおむけになると気道がつぶれて、ほぼ自発呼吸ができなくなります」
 トイレは特殊なロボットを使う。スマートフォンは両手で持たないと、肩を脱臼してしまう。
 一般的なスプーンなどを持つと病気による手のふるえから、食べ物がスムーズに口に運べないため、食事は特殊なフォークとスプーンを使用。のみ込む力が弱く、誤嚥(ごえん)性肺炎にならないために、肉などの大きな具材はハサミで小さく切る。

吉村さんが食事に使う特殊なスプーンとフォーク。大きなものはハサミで切る

 入浴はパートナーの男性に手伝ってもらう。
 通院は2~3カ月に1度。県中部の2つの病院に通う。
 「保険証廃止」というニュースを聞いたときの驚きは忘れ...

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