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小説と同じ結末にはならず…「やさしい猫」そっくり在留資格裁判は敗訴 作家・中島京子さん「何のための裁判か」

2024年12月18日 06時00分 会員限定記事
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スリランカから日本に逃れてきているナヴィーンさん(43)と日本人の妻なおみさん(52)が、ナヴィーンさんの難民認定や在留特別許可を国に求めた訴訟で、東京地裁(品田幸男裁判長)は17日、いずれの請求も棄却するとの判決を言い渡した。2人は控訴する方針だ。(池尾伸一)

一審判決を受けて記者会見するナヴィーンさん㊧となおみさん=12月17日、東京・霞が関の司法記者クラブで(中村千春撮影)

母国で、ある政党の運動員をしていたナヴィーンさんは、ライバル政党の関係者から暴行を受けたり、殺害予告を受けたりして、身の危険を感じて日本へ。超過滞在などで在留資格を取り消された後の2016年になおみさんと結婚した。
判決は難民申請について「暴力を受けていたにしても、(スリランカ)政府が容認していたとは認められない」として、不認定とした入管の決定を追認。日本人との結婚を理由とした在留特別許可についても「婚姻関係は不法残留という違法状態の上に築かれたものだった」と退けた。
ナヴィーンさんは、学んでいた日本語学校の経営破綻で「留学」の在留資格が更新できなくなる一方で、難民申請も不認定とされ、2013年に強制退去命令を出されていた。

◆中島京子さん「認められると思っていた」

原告敗訴に「ショック」だったと語る作家の中島京子さん=12月17日、東京都千代田区で(池尾伸一撮影)

ナヴィーンさん、なおみさん夫妻がナヴィーンさんの難民認定や在留資格を求めた裁判は、直木賞作家・中島京子さんのテレビドラマにもなった、小説「やさしい猫」の主人公2人に境遇が似ていることでも注目されている。
小説では原告のスリランカ人男性が勝訴し、在留資格が認められる。だがナヴィーンさんの裁判の一審判決では、小説と異なり、原告の願いは届かなかった。
傍聴席で判決を見守っていた中島さんは「在留資格は認められると思っていたのでショックだ。長年、夫婦として一緒に暮らしてきた実態を見て判断してほしかった。入管の決めた通りに追認するなら、何のために裁判所があるのかと思ってしまう」と語った。

「やさしい猫」 2020年5月~2021年4月に新聞連載され、2021年8月に単行本刊行。2023年にNHKで連続ドラマとして放送され、今年2月には劇団民芸の舞台にもなった。作者の中島京子さんは「特定の家族をモデルにしたのでなく、弁護士ら現場を知る関係者に取材を重ね、入管行政に苦しむ多くの外国人の状況を参考に執筆した」と語っている。

◆「なおみさんを助けられないのがつらい」

判決後の記...

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