新型コロナウイルス禍の入国制限が緩和されて難民認定を申請する外国人が急増する中、申請中のアフリカ出身の外国人男性らが東京都内の公園で3カ月にわたり、集団で野宿生活を送っていた。難民認定の審査に時間がかかり就労ができない上、公的支援も得られず、行き場がなかったという。認定を巡っては認定率の低さだけでなく、こうした申請中の人たちが置かれている状況も深刻化している。(中村真暁)
◆食事は1日1食、発熱など体調不良も
「私たちは難民です。日本は平和で安全な国だと思い、やってきました」
11月6日夜、約20人が野宿していた閑静な住宅街の公園。記者が英語や翻訳アプリで話しかけると、男性たちは困り果てた様子でそう話した。
紛争や反政府運動への弾圧が続く母国を逃れるため、それぞれ8月以降に別々に単独で来日したという。お互い知り合いでもない。難民認定申請したが滞在場所がないため、自然に公園に集まって助け合うようになったという。
男性らによると、野宿生活の食事は1日1食。悪天候の日は眠れず、一晩中立って過ごしたという。高熱や頭痛など体に不調を来す人もおり、一人は「日本は人権を尊重する国と思っていた。こうなるとは思っていなかった。将来的には尊重され、自由な生活を送りたい」と漏らした。
◆審査中の「保護費」受給できても数カ月後
男性たちの申請を支援した認定NPO法人「難民支援協会」は、増加する申請者について一時的な滞在場所を提供するなどしているが、追いついていない。
公園の男性らには、別の支援団体が11月中旬に滞在場所を用意できた。だが、11月末現在で10人ほどの野宿が確認された。これほど野宿者が目立つのは過去にない状況という。
申請する外国人は親族や知人らのつてがなく、手持ち資金も乏しいことが多い。外務省は審査中の人には生活費として「保護費」を支給するなどしているが、協会によると、受給には申請や審査で数カ月~半年ほどかかる。一時的な就労許可も、出入国在留管理庁の手続きは8カ月程度かかることが多い。
難民申請者への保護費 生活に困窮する難民認定申請者への公的支援。外務省の委託でアジア福祉教育財団難民事業本部が運営する。原則初回申請者のみが対象で、1日の生活費として12歳以上に1600円、12歳未満に1200円、住宅費として単身世帯で家賃上限6万円を支給...
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