イースIII
イースIII | |
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ジャンル | アクションRPG |
ゲーム:WANDERERS FROM Ys | |
対応機種 | PC-8801mkIISR以降 (PC88) PC-9801VM/UV以降 (PC98) MSX2、X68000 (X68K) Microsoft Windows (Win) Nintendo Switch (Switch) |
開発・発売元 | PC88/PC98/MSX2/X68K:日本ファルコム Win:プロジェクトEGG(エミュレータ) |
メディア | PC88/PC98/MSX2/X68K:フロッピーディスク Win:CD-ROM / ダウンロード販売 |
プレイ人数 | 1人 |
発売日 | PC88:1989年7月21日 PC-98:1989年7月28日 MSX2:1989年10月20日 X68K:1990年3月24日 Switch:2024年5月9日 |
ゲーム:イースIII | |
対応機種 | PCエンジンCD-ROM² (PCE) ファミリーコンピュータ (FC) PS3/PSP・PCエンジンアーカイブス |
開発元 | PCE:ハドソン、アルファ・システム FC:アドバンスコミュニケーション 携帯:ボーステック |
発売元 | PCE:ハドソン FC:ビクター音楽産業 (現・ビクターエンタテインメント) PS3/PSP:ハドソン 携帯:ボーステック |
メディア | PCE:CD-ROM FC:カセット PS3/PSP:ダウンロード販売 |
プレイ人数 | 1人 |
発売日 | PCE:1991年3月22日 FC:1991年9月27日 PS3/PSP:2011年2月16日 |
レイティング | PCE:CERO:A(全年齢対象) |
ゲーム:イースIII -ワンダラーズフロムイース- | |
対応機種 | スーパーファミコン (SFC) メガドライブ (MD) PlayStation 2 (PS2) |
開発元 | SFC:アドバンスコミュニケーション MD:日本テレネット PS2:アクセス |
発売元 | SFC:トンキンハウス MD:日本テレネット PS2:タイトー(スクウェア・エニックス) |
メディア | SFC,MD:カセット PS2:CD-ROM |
プレイ人数 | 1人 |
発売日 | SFC:1991年6月21日 MD:1991年11月1日 PS2:2005年3月24日 |
レイティング | PS2CERO:全年齢 |
小説:イース2 異界からの挑戦 | |
著者 | 飛火野耀 |
イラスト | 杉浦守 カバー:藤原カムイ |
出版社 | 角川書店 |
レーベル | 角川スニーカー文庫 |
発売日 | 1992年3月1日 |
巻数 | 1冊 |
小説:イースIII 友にささげる鎮魂歌(レクイエム) | |
著者 | 大場惑 |
イラスト | 池上明子 |
出版社 | アスペクト |
レーベル | ログアウト冒険文庫 |
発売日 | 1995年4月22日 |
巻数 | 1冊 |
テンプレート - ノート | |
プロジェクト | コンピュータゲーム、ライトノベル |
ポータル | コンピュータゲーム、文学 |
『イースIII』(イーススリー、Ys-III)とは、日本ファルコムのアクションロールプレイングゲーム (ARPG)、イースシリーズの第3作目。
オリジナルの正式販売タイトルは『WANDERERS FROM Ys』(ワンダラーズフロムイース)であり元々『イースIII』は通称であったが、後の移植作品では『イースIII』もしくは『イースIII -ワンダラーズフロムイース-』が正式な販売タイトルとなっている。
ファルコム自身によるリメイク作品として『イース -フェルガナの誓い-』がある。
※『イースシリーズ』の項も合わせて参照。また『イース -フェルガナの誓い-』は該当ページを参照のこと。
概要
赤毛の剣士アドル・クリスティンが主人公の冒険ファンタジー。『I』・『II』におけるイースの冒険から3年ほど後の物語で、ドギの故郷フェルガナ地方において、この地に伝わる魔王ガルバランの謎に迫る。原典とされるアドルの冒険日誌は『フェルガナ冒険記』。前作までとは大きく異なり、アクション要素を前面に押し出した横スクロールARPGとなった。
発売当初の販売タイトルは『WANDERERS FROM Ys』(イースからの放浪者)と外伝的な物であり、なおかつ『Ys-III』の文字を含んでいない。これは本作が『I』・『II』の舞台である「古代王国イース」とは直接関係がなく、システムも大きく変わっているために続編[注 1]というよりは外伝に近いことによる。ただし、『Ys-III』は副題としてオープニング中には表示されており、通称としてもよく使われていた。
その後、PCエンジン (PCE) CD-ROM2への移植の際に、メインタイトルを『イースIII』に変えられて以降は全ての移植作品で『イースIII』が主題となっており、機種によっては元々の主題『ワンダラーズフロムイース』を副題としている。なお、移植のベースが大きく二系統あるものの、作品としては同じものであり、タイトルと内容との間に相関関係はない。
なお、2005年にファルコムよりWindows向けに販売された『イース -フェルガナの誓い- (F)』は、『VI』のシステムを使って『III』をリメイクした作品である。
開発スタッフ
オリジナルの開発スタッフは公表されていない。『III』発売のわずか3ヶ月前に『I』・『II』の開発スタッフが中心となりクインテットが設立されている事から、非公開の理由は開発スタッフの多くが発売を待たずしてファルコムを離れたためと推測されている。
なおPC-8801版のメインプログラムに関しては橋本昌哉が開発し、発売を待たずにファルコムを退社。X68000版に関してはPC-9801版の開発を担当した桶谷正剛がプログラムしている。MSX2版ではエンディングに匿名の隠しスタッフ・ロールがあるほか、オープニング(シナリオ)ディスク内に隠しメッセージとして製作者の名前が書き込まれている[1]。
オリジナル・サウンドトラックではFalcom Sound Team J.D.K.および石川三恵子名義での作曲となっている。
オリジナル版
PC88オリジナル版スタッフ
- ゲームデザイン:橋本昌哉
- プログラミング:橋本昌哉
- シナリオ:宮崎友好
- グラフィックデザイン:横田幸次・都築和彦
- モンスターデザイン:佐藤善美
- ミュージックコンポーズ:石川三恵子
- マップデザイン:桶谷正剛・横田幸次・都築和彦
- ビジュアル・グラフィック:横田幸次
- プロデュース:加藤正幸
PCE版
声の出演 |
主な開発スタッフハドソン、アルファシステム |
PS2版
声の出演 |
主な開発スタッフ |
ストーリー
赤毛の剣士アドルは相棒ドギとの冒険旅行の最中、ドギの故郷フェルガナの悪い噂を耳にする。不安を胸にフェルガナを訪れてみると凶暴化している魔物達。どうやらこの地に伝説として伝わる魔王ガルバランが関係している様だが……。
ゲームシステム
前作とは大きく変わり、サイドビューのアクションRPGとなり、移動・アイテム使用の他に、攻撃・ジャンプの操作が加わるなどアクション的要素が強くなった。RPG的要素は前作までとほぼ同じではあるが、MPがなくなり、相当するステータスとしてRINGが加わった。サブ画面は『I』と同じくSTATUS画面、INVENTORY画面の2種類でそれぞれの表示にボタンがあてがわれている。
ステージ制となっており、何度でも同じステージを訪れる事は出来るが、条件を満たさなければ新たなステージに進む事は出来ない。新たなステージに進む条件を満たすとアラーム音のような効果音が鳴る。拠点となるレドモンドの街をでるとマップ画面が表示され、自分の訪れたいステージを選択する形となっている。どのステージでも外に出ると必ず街に戻され、ステージからステージへの移動は出来ない。
難易度設定
本作ではゲーム開始時にEASY・NORMAL・HARDの3種類からゲーム難易度を選択できる。
画面構成
画面下部に表示されるステータスのレイアウトが若干変わったが基本的には前作を踏襲。現在のMP / 最大MPに代わりRINGの現在値が表示されるようになった。従って『III』で画面下部に表示されるステータス情報は現在のHP / 最大HP、現在のRING、取得経験値、ゴールドの各数値と、プレーヤーと敵のHPをしめす棒グラフとなった。グラフは前作同様現在の残りHPが黄色、ダメージを受けた分のHPが赤で示される。サブ画面としてステータス画面、アイテム画面を開いて見る事ができ、サブ画面表示中はゲームにポーズがかかる。
PS2版では敵のHPグラフが廃止され、次のレベルアップ経験値、現在装備しているアイテムとリングのアイコンが追加されている。
攻撃
前作までとは打って変わり、剣を振っての攻撃となった。体当たりではダメージを受けるだけである。なおPS2版以外では攻撃ボタンを押し続けていれば連続で剣を振り続ける。攻撃は方向キー、ジャンプと組み合わせることで攻撃の仕方が変わる。
- 通常攻撃 - 攻撃ボタン
- 上突き - 攻撃ボタン+↑(PS2版では斜め上斬り)
- 下突き - ジャンプ中に↓
- しゃがみ斬り - ↓+攻撃ボタン
- ジャンプ斬り - ジャンプ中に攻撃ボタン
※上突き以外は左右を加える事によって移動しながらの攻撃も可能。
回復
HPは街の中および、各ステージのエントランス部分で自動的に回復していく。本作ではHP回復可能な場所であれば立ち止まる必要はない。「HEAL RING」を装備すると、ダンジョン内でも1HPあたり1RING消費し回復する事ができる。ITEMの「薬草」を使用すると瞬時に全回復できる。中ボス・ステージボスを倒すと全快する(ガルバラン島の中ボスのみ、倒しても回復しない)。
MPに相当するRINGの回復はショップでGOLDを払うことで全快する他、敵を1匹倒す毎に1回復する。またアイテム「プロシアの秘薬」でも50程回復。
ステータス
メイン画面下部で主な物が表示される他、STATUS画面で詳しい情報を見る事が出来る。STATUS画面で表示される情報は以下の通りである。
- LEVEL:レベル。最高値は16。レベルがあがると最大HP、STR、DEFの値が上昇する。
- STR:攻撃力。最高値は255。レベルアップの他、剣の装備によって上昇。
- DEF:防御力。最高値は255。レベルアップの他、盾・鎧の装備によって上昇。
- HP:ヒットポイント。最高値は255。0になるとゲームオーバー。
- GOLD:金。敵を倒すと取得。武器などの購入に使用。
- EXP:経験値。敵を倒すと取得。一定値に達するとレベルが上昇。最高値は65535。
- NEXT EXP:次にレベルが上がる経験値。
- RANK:ゲーム難易度。
メイン画面では表示されるがSTATUS画面には表示されないもの。
- RING:リングパワー。最高値は最初から255でレベルによって変動せず。RINGの効果が発揮されている間消費。
アイテム
アイテム一覧を示すインベントリー画面は、『II』では装備品とアイテムの2画面に分かれていたが、『I』とほぼ同じ構成の1画面に戻った。インベントリー画面左側がEQUIPMENTとして装備品一覧になっており、装備もしくは使用するアイテムは装備品の一つのカテゴリになった。装備品以外のアイテムは画面右側に表示され、その中で彫像だけはSTATUEとして別個に分類されている。『I』では装備品以外のアイテムは選択できなかったが、本作ではアイテム名を表示するだけながら装備品以外のアイテムも選択可能である。
『I』『II』とは異なりボス戦中でもインベントリー画面を開く事ができ、装備の変更が可能。またITEMを使用することもできる。
装備品
装備することで効果が現れる、もしくは使用できるようになるもの。剣、鎧、盾、リング、アイテムがあり、各カテゴリにつき1つずつ装備できる。
- SWORD
- 剣。装備するとSTRが上がる。装備しないと攻撃ができない。
- SHORT SWORD
- LONG SWORD
- BROAD SWORD
- BANDED SLAYER
- FLAME SWORD
- ARMOR
- 鎧。装備するとDEFが上がる。
- LEATHER ARMOR
- CHAIN MAIL
- PLATE MAIL
- BANDED ARMOR
- BATTLE ARMOR
- SHIELD
- 盾。装備するとDEFが上がる。
- WOOD SHIELD
- SMALL SHIELD
- LARGE SHIELD
- BANDED SHIELD
- BATTLE SHIELD
- RING
- 指輪。装備するとRINGを消費しながら種類に応じた特殊効果が得られる。
- POWER RING - 攻撃力が2倍になる。
- SHIELD RING - 防御力が2倍になる。
- TIMER RING - 敵の移動速度が1/2になる。
- HEAL RING - ダンジョン内でもHP回復が可能になる。1HPあたり1RINGを消費。
- PROTECT RING - ダメージを一切受けなくなる。RINGの消費スピードが速い。
- ITEM
- 消費アイテムや、装備する事によって効果が現れるアイテム。PS2版では3回使えるアイテムは3個所有できるように変更された。
- 薬草 - HPが全回復する。1回のみ使用可能。
- ブロシアの秘薬 - RINGが50程度回復する(PS2版では全回復)。3回使える。
- 幻影の鏡 - 敵の動きを一定時間止められる。3回使える。
- アミュレット - 画面中の敵にダメージを与える。3回使える。
- 鬼火の宝珠 - 赤い輝きを放つ宝珠。ガルバラン島の漆黒の闇を照らし出す魔力を秘めている。
装備品以外
ストーリー進行に不可欠な重要アイテムなど。基本的には持っているだけで効果がある。
- 倉庫の鍵 - 倉庫の扉を開ける事が出来る。
- 精霊の首飾り - 難易度によって効果が変わる。EASYモードでは死んでも一度生き返る。NORMALモードではダメージを受けた時にはね飛ばされなくなる。HARDモードではガルバラン島の中ボスが、倒した後に街へ戻っても復活しなくなる。
- 輝きの水晶 - プロシアの秘薬の原料。
- 夜魔の石像 - ガルバラン島の入口を閉じている岩を動かすために必要。
- etc.
ストーリー上で特に重要な「彫像」は、STATUEとして区分されている。
- 落日の彫像
- 星月の彫像
- 白光の彫像
- 暗黒の彫像
セーブ
ボス戦の音楽がかかっている場所ではセーブが出来ない。それ以外であればどこでもセーブする事ができる。MD版では裏技を使用すればボス戦の画面でもセーブが可能。
登場人物
- アドル・クリスティン
- シリーズの主人公。燃えるような赤毛を持つ冒険者。19歳。
- ドギ
- アドルと共に冒険を続けている相棒。25歳。本作の舞台であるフェルガナ地方はドギの故郷であり、出奔して以来初めて帰郷する。力自慢で、今回も落盤を一人で掘り抜く姿を見せる。
- エレナ・ストダート
- ドギの幼馴染でチェスターの妹。17歳。マクガイア城主の下で怪しい仕事をしている兄を心配している。アドルが苦労して訪れた、敵が多く危険な場所にも一人で現れる事が多々あるため、イースシリーズのヒロインの中では「VIII」のダーナに次ぐ実力者とも言われる。
- チェスター・ストダート
- ドギの幼馴染でエレナの兄。妹の心配とは裏腹に怪しい行動をとり続ける。
- エドガー
- 町の責任者でチェスター、エレナの育ての親。
- デューイ
- ティグレーの採石場で働く抗夫。エドガーの部下である。
- ボブ
- ティグレーの採石場で働く抗夫。採石場で落盤事故にあい、行方不明となる。
- ピエール神父
- レドモンドの街の神父。
- ドギの師匠
- エルダーム山脈の小屋に住む。
- マグガイア城主
- フェルガナ地方を治める、バレスタイン城の城主。
- ガーランド
- マグガイアの右腕と活躍している魔導師。その正体はガルバランの直属の部下で、ガルバランの復活を企んでいる。
- ガルバラン
- その昔、フェルガナ地方を恐怖に渦巻いた魔王。
- ジェノス
- ガルバランを倒した伝説の勇者。
機種間の差
ラストボスの強さの違いから、オリジナルのPC-8801版をベースとした物と、X68000版をベースとした物の2種類に大別することが出来る。なおグラフィック・BGMといった演出部分はそれぞれの機種の性能に合わせた変更が見られる為特筆すべき変更点のみを挙げる。
PC-88系
- PC-88
- 全ての元となったオリジナル。エンディングのBGMが無限ループになっている。
- CPUクロックを判別し、クロックに応じてスクロール処理の省略などが行われている。
- プロジェクトEGGで配信されている。
- 2024年5月9日に『EGGコンソール ワンダラーズ フロム イース PC-8801mkIISR』がNintendo Switch向けに配信開始された[2]。
- PC-98
- スピード調節機能が付いている。ザナドゥの時以来のCtrl立ち上げによるユーザーディスク作成モードが採用され、その時にディスプレイモード(8色アナログ/デジタル)・FM音源ボード・メモリ数・難易度設定が可能となっている。ゲーム中はテキスト表示の部分のみ、グラフィックはエンディングのみではあるものの、ファルコムのPC-9800シリーズのゲームで初めて400ライン表示に対応[注 2]。エンディングのBGMが無限ループするものから完結する長大なものへと変更されている。最初に発売されたサントラはこのPC-98版を元にアレンジしたものが収録している。
- 386機までプレイ可能と後のカタログには掲載されていたが、286機ではV30モード以外での正常な実行は保証されず、実際に起動に失敗するケースがある。
- オプションのFM音源に加え、Beepによる単音のBGM演奏にも対応している。
- セーブ可能な数が1枚のディスクにつき最大3箇所までに増えている。
- プロジェクトEGGで配信されている。
- MSX2
- 画面はScreen5を用いた256×212ドットとオリジナルに対し解像度が低くなっている反面、色数が8色から16色に描き直されており他の機種よりも全体的に明るく華やかな色使いがなされている。
- ゲーム全体が元々若干低速な上、PC-88版の4MHz動作時のように処理を省いていないため、更に動作が低速になる部分が存在するが、VDPの仕様から、対ボス戦など逆に動作が高速になる部分もある。
- バレスタイン城のグラフィックが夕焼けに変更され、以降の移植作品の多くはこのMSX2版を基に移植されている。対応音源はPSGのみであり、エンディングBGMは上の二機種とも違う構成をとり、隠しスタッフロールが用意されておりエンディングの最後にK、Pを押下すると表示させることが出来る。エンディングの文字のスクロールが非常に遅く、終了までに10分30秒掛かる。
- MSX2版イースIIとは異なり、セーブ可能な数が1枚のディスクにつき1箇所のみで、同時期のゲームの多くが対応した、PAC/FM-PACのSRAMセーブには対応していない。また、PIO転送のFDDインターフェイスであるため、ディスクアクセスと並列に処理を行うことが出来ず、画面切り替えやアイテム使用などディスクアクセスが発生した場合音楽が初めから再生されるようになっているほか、ユーザディスク作成のBGMは削除され、前述の隠しスタッフロールに対応する曲が追加されている。
- プロジェクトEGGで配信されている。
- 2025年3月27日に『EGGコンソール ワンダラーズ フロム イース MSX2』がNintendo Switch向けに配信開始された[3]。
- PCエンジン
- PC-88版を元とはしているが、X68000版の演出も一部取り入れている。難易度設定がなくなっている。レベルの上限が上げられ細かくレベルが上がる様になっている。声優によるしゃべる演出を採用。ただし『イースI・II』とは異なりアップグラフィックの表示はない。ハードの仕様上、多重スクロールは無理であったものを、スプライトの多用によって擬似的に再現している。
- BGMは他のイースシリーズ同様、米光亮によるアレンジCD音源を使用。未使用曲として「静かな刻」「Welcome!!」「哀愁のトワイライト」のアレンジ音源があり(ゲームではCD音源収録時間の限界からか、内蔵音源を使用)、これらの未使用曲はPCエンジンソフト「うる星やつら STAY WITH YOU」のハドソンCD-ROM2音楽全集同梱版の付属CDにてその断片を聞くことができる。
- 2011年2月16日からPCエンジンアーカイブスで配信されている。
X68000系
- X68000
- そのハードウェア設計にあわせ、アクション性が向上し、ユーザにあわせ難易度も上がっている。
- 最大の違いは最終ボスが強化され倒し方も変わった事であるが、その他ストーリー等にも細かい変更点が存在。スクロールがドット単位になりグラフィックは256色で描き直されている。動作速度とスプライト表示数を考慮し、多重スクロールの枚数が減っている。また画面解像度もMSX2と同様のものになっている。サウンドはステレオでアレンジされ、川合将明により新曲が5曲追加されている。
- また、スプライトが左右反転で描画されるため、剣と盾の持ち手が固定されない。
- プロジェクトEGGで配信されている。
- スーパーファミコン
- ほぼ忠実にX68000版が移植されているがグラフィック等に変更はあり、全体的に暗く落ち着いた色使いがなされている。難易度設定なし。
- 敵キャラクタが無限に出てくる、敵キャラクタが障害物をすり抜ける等の作り込みの甘さや、「主人公の敵に対し剣の当たり判定」「敵キャラクタからの主人公のダメージ判定」が一定しておらず、視覚的には「(主人公が敵に対し剣で)当たっていないのに敵へダメージを与えられる」「(主人公が敵と)当たっていないのにダメージを受ける」という事もあり、難易度がかなり高い[4]。
- サウンドはステレオにアレンジされており、オリジナルの楽曲もあったが、明らかに他機種とは作風が異なっている。独特の音色を使う傾向があり、特に「翼を持った少年」および「バレスタイン城」のイントロはトランペット風の音色が採用されており、またスーパーファミコンでの再現の範囲内とは言えオーケストラの楽器音に寄せたシンフォニックなアレンジであり、音楽担当者のオーケストレーション能力の高さが窺える。オープニングとエンディングがオリジナルのものだが、これも画風が明らかに異なった。多重スクロールをハードの機能で実現していたがX68000版と同様に枚数が少ない。バレスタイン城へ行くにはエドガーと話す必要がある等、シナリオも若干異なっている。
- ファミリーコンピュータ
- ハードの能力の低さからIII最大の売りの一つだった多重スクロールは再現されていない。ただ動作速度は十分なものとなり、MSX版と対照的な作りになった。また一部カットされるなど若干ダンジョンの変更があり。作中の登場人物の身長差が激しい。難易度設定なし。
- メガドライブ
- PCエンジン版とは逆に、X68000版をベースとしながらもマップ等においてPC-88版の仕様も見られる。難易度設定なし。多重スクロールをハードの機能で持っているということもあるが、家庭用他機種のような問題がなく完成度はパソコン版に見劣りしない。家庭用移植では最も忠実で出来も良いが、発売時期が遅く他機種での評価が確定した後だったのであまり評判にならなかった。BGMは、岩垂徳行と窪寺義明によってコンバートされた。
- PlayStation 2
- X68000版をベースにはしているが多くのアレンジが加えられている。
- ストーリーにアレンジが加えられ、省略された箇所がいくつか見られる。
- 街の中も選択式のマップになっている。
- グラフィックアップや声優によるしゃべる演出を採用。
- 連射の廃止など攻撃アクションの変更。
- アイテムの名称が一部変更されている。複数回使用可能だったアイテムが使用回数は1回になり複数所持が可能に。
- レベルの最高値が16になり、レベルが上がるとHPが全快する。
- 一部を除き、スクロールなしで場面が切り替わる幅へとマップが細分化され、大きくアレンジが加えられている。一部画面では多重スクロールも見られるが、それでもマップが切り替わる幅が非常に狭いため、多重スクロールであるかどうかが分かりにくい。
メディアミックス作品
『I』・『II』に比較すると少ないながら、CD等の音楽メディア、小説、ゲームブックと『III』も様々な形でメディアミックス展開されている。
音楽メディア
『III』を主に扱っているもの。注のない物はCDのみ。原曲であるPC-88版や微修正を加えられたPC-98版のオリジナル音源はこれまで発売されていない。
※カセットテープ有
- MUSIC FROM YsIII WANDERERS FROM Ys ※
- PC-98版を元にアレンジを加えたもの。原曲に対して多くのメロディーラインを追加しており、特に複雑なリズムを構成していたボス1・2の音楽に関してはリズムを単純なものへ修正するなど大幅に変更されている。また、X68000の音源を使用したアレンジバージョンも追加されている。
- YsIII J.D.K. SPECIAL ※
- X68000版のサウンドトラック。J.D.K.BANDによるアレンジバージョンも収録されており、同バンドのデビュー作となった。また、カセットテープ版(KITA-1002)もリリースされ、これがファルコムレーベル最後のカセットテープ作品となった。
- PERFECT COLLECTION YsIII
- WANDERERS FROM Ys SUPER ARRANGE VERSION ※
小説
飛火野版は「2」となっているがあくまで飛火野版小説の「2」ということであり、本作をベースとしており『イースII』とは関わりがない。
ゲームブック
- イースIII〜伝説の魔王〜 - 双葉文庫ゲームブック
脚注
注釈
出典
- ^ ワンダラーズ フロム イース
- ^ 簗島 (2024年5月9日). “イースシリーズ3作目「EGGコンソール ワンダラーズ フロム イース PC-8801mkIISR」,本日配信。1989年に日本ファルコムが発売したARPG”. 4Gamer.net. Aetas. 2024年5月9日閲覧。
- ^ 簗島 (2025年3月27日). “「ワンダラーズ フロム イース」MSX2版がEGGコンソールで本日配信。1989年に日本ファルコムから発売されたアクションRPG”. 4Gamer.net. Aetas. 2025年3月27日閲覧。
- ^ 株式会社QBQ編 『懐かしスーパーファミコン パーフェクトガイド』 マガジンボックス(M.B.ムック)、2016年。ISBN 9784866400082 p33
外部リンク
イースI・II
出典は列挙するだけでなく、脚注などを用いてどの記述の情報源であるかを明記してください。 |
イースI・II | |
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ジャンル | アクションRPG |
ゲーム | |
ゲームジャンル | アクションRPG |
対応機種 | PCエンジン CD-ROM2 (PCE) Wii・バーチャルコンソール (VC) PS3/PSP・PCエンジンアーカイブス) |
開発元 | アルファ・システム、ハドソン |
発売元 | PCE:ハドソン VC:日本ファルコム |
メディア | PCE:CD-ROM1枚 VC/PS3/PSP:ダウンロード |
プレイ人数 | 1人 |
発売日 | PCE:1989年12月21日 VC:2007年10月16日 PS3/PSP:2010年11月17日 |
レイティング | CERO:A(全年齢対象) |
ゲーム:イースI・II完全版 | |
ゲームジャンル | アクションRPG |
対応機種 | Windows (Win) 95/98/2000/Me/XP/Vista※ |
必要環境 | CD版 CPU:Pentium 200MHz メモリ:32MB以上 HDD空き容量:460MB ディスプレイ:640x480、HighColor DirectX5以降 DVD版 CPU:Pentium II 266MHz メモリ:32MB以上 HDD空き容量:460MB ディスプレイ:640x480、HighColor DirectX5以降 |
推奨環境 | CD版 CPU:Pentium II 233MHz以上 メモリ:64MB以上 HDD空き容量:1GB以上 DVD版 CPU:Pentium II 300MHz以上 メモリ:64MB以上 HDD空き容量:1.6GB以上 |
開発・発売元 | 日本ファルコム |
メディア | CD-ROM、DVD-ROM |
プレイ人数 | 1人 |
発売日 | 初回版:2001年6月28日 普及版:2005年 |
音楽フォーマット | WAVE 44.1kHz (BGM)/22kHz (SE) MIDI(SC-88以降)音源 (BGM) |
その他 | ※XP、Vista は後に対応。 |
ゲーム:イースI・IIエターナルストーリー | |
ゲームジャンル | アクションRPG |
対応機種 | PlayStation 2 |
開発元 | マイケルソフト |
発売元 | デジキューブ |
メディア | DVD-ROM1枚 |
プレイ人数 | 1人 |
発売日 | 2003年8月7日 |
ゲーム:イースI&IIクロニクルズ | |
ゲームジャンル | アクションRPG |
対応機種 | PlayStation Portable Windows (Win) XP/Vista/7/8※ GameNow、G-cluster、ひかりTVゲーム |
開発・発売元 | 日本ファルコム |
メディア | PSP:UMD、PC:DVD-ROM GameNow、G-cluster、ひかりTVゲーム:クラウドゲーム |
プレイ人数 | 1人 |
発売日 | PSP:2009年7月16日、PC:2009年12月24日 GameNow:2013年4月30日 G-cluster、ひかりTVゲーム:2013年6月20日 |
レイティング | CERO:B(12才以上対象) |
コンテンツアイコン | セクシャル・暴力・犯罪 |
その他 | ※8は後に対応。 |
ゲーム:イースI&II ~Lost ancient kingdom~ | |
ゲームジャンル | アクションRPG |
対応機種 | X68000 (X68K) ※X68K系 全機種対応 |
必要環境 | メモリ: 1MB以上 ※ 060turboのハイメモリでも動作問題無し |
発売元 | BEEP(株式会社 三月うさぎの森) |
メディア | フロッピーディスク (5inch_2HD 2枚 or 3.5inch_2HD 2枚) |
プレイ人数 | 1人 |
発売日 | 2021年3月9日 |
レイティング | 未発表 |
その他 | PC-8801mkIISR版をベースとした新規開発・移植作 |
漫画:イース | |
作者 | 羽衣翔 |
出版社 | 角川書店→メディアワークス |
掲載誌 | コンプティーク →月刊コミックコンプ →月刊電撃コミックガオ! |
巻数 | 全7巻 |
テンプレート - ノート | |
プロジェクト | コンピュータゲーム、漫画 |
ポータル | コンピュータゲーム、漫画 |
『イースI・II 』(イースワン・ツー、Ys I・II)とは、日本ファルコムのアクションロールプレイングゲーム (ARPG)、〈イースシリーズ〉の第1作『イース』 (Ys I) と第2作『イースII』 (Ys II) を一本にまとめて発売された物。PCエンジン (PCE) CD-ROM2、Microsoft Windows (Win)、PlayStation 2 (PS2)、PlayStation Portable (PSP)、X68000 (X68K) で発売された。
Win版の正式販売タイトルは『イースI・II完全版』(Ys I・II COMPLETE)『イースI&IIクロニクルズ』 (Ys I&II Chronicles)、PS2版は『イースI・IIエターナルストーリー』(Ys I・II ETERNAL STORY)、PSP版は『イースI&IIクロニクルズ』 (Ys I&II Chronicles)。、X68K版は『イースI&II ~Lost ancient kingdom~』 (Ys I&II ~Lost ancient kingdom~)。
概要
『I』、『II』の副題はそれぞれ『失われし古代王国 序章 (Ancient Ys Vanished Omen)』、『失われし古代王国 最終章 (Ancient Ys Vanished The Final Chapter)』であり、この2作は1つの物語の前後編となっている。従ってストーリーは密接に繋がっており、片方だけのプレイではストーリーを理解する事は出来ない。この2作品をPCEへの移植の際に、一つにまとめたのが『イースI・II』の最初である。PS2版とPSP版はどちらもWin版の移植作品であり、大別するとPCE版とWin版系列作品に分けられる。X68000版はPC-8801mkIISR版をベースに、ほぼ忠実に移植をした版。(少しだけ補完的な要素あり)
PCエンジン版
PCエンジンへの移植作品。これまではそれぞれ別個に移植されていた2作品を、CD-ROMの容量を活かし初めて1本にまとめたもの。他の『I・II』が1本の販売タイトルにそれぞれ独立した『I』と『II』という2作品を収録した、言わば「セット販売」であるのに対し、PCE版は2作品を繋ぎ合わせ『I・II』という1つの作品として仕上げている点が大きく異なる[注 1]。グラフィックスは当時日本ファルコムを退社した直後だった山根ともおを起用しているため、オリジナルと同様の味わいをそのままに512色発色の特性を活かし、更にブラッシュアップされている。また、シナリオについてはパソコン版や後の公式版イースの続編と食い違う部分もあるが、こちらは開発者の岩崎がイースのオリジナルスタッフからインタビューを重ねて再構成したものであり、オリジナルスタッフのイースのシナリオや世界観に、より忠実なものとなっている。
アメリカ版のタイトルは『Ys Book I&II』。テキストが翻訳されているほか、移植当時の女性権利団体からのクレームに応じて一部のグラフィックが修正されている[1]。
本作はCD-ROM2を代表する作品の一部であるが故にSUPER CD-ROM2の時代に移った後も含めて幾度なく再生産が行われており、それを裏付けるように1994年12月22日にはPCエンジンCD-ROM2シリーズの廉価版(税別3,980円)シリーズである「名作限定版」(販売元はNEC-HE)のラインナップ4作に含まれており、4作中唯一CD-ROM2規格(ほか3作はSUPER CD-ROM2規格)のタイトルであった。
2007年10月16日よりWii版バーチャルコンソール(VC)において配信された[注 2]。2010年11月17日にはPlayStation Storeのゲームアーカイブスでも配信された。
2019年にはハドソンの制作コンテンツIPを継承しているコナミデジタルエンタテインメントが手掛けリリースされた復刻系テレビゲーム機・PCエンジン miniにプリインストールされるゲームソフト群の一つとして、本作が収録されている。
オリジナルからの主な変更点
- 背景の演出が増えた、次の行き先のヒントも増えた
- オリジナルのパソコン版(PC-8801mk2SR版)と比較して、『I』のダームの塔の鏡の間や『II』の地下水路の水路調整室のようにマップのグラフィック・イベント・アニメーションが大幅に強化されている。
- すべてのボスに登場シーンが追加されたほか、『I』のボス部屋にはイースの紋章が床に置かれ、対応する神官の位置がハイライトされている。また、オリジナルの『I』にあたる部分に『II』の上から見ても壁の穴がわかる・半キャラずれて当たったとき滑って通過するなどの仕様が組み込まれている。一部のイベント時にキャラクターのアップグラフィックが表示され、音声が追加されている。BGMは米光亮によってシンセサイザーやサンプラーを用いた打ち込みによるデジタルサウンドへのアレンジが加えられ、CD音源で収録されている。なお、アレンジャーの選定には多くのファルコムサウンドに関わってきた難波弘之も候補に上がっていたが、『Music from Ys』(パソコン版のオリジナル音源・未使用音源および一部の曲のアレンジが収録されたアルバム)を聞いた岩崎の目に留まり、米光が採用されている[注 3]。
- 『I』と『II』の一本化
- 『I』と『II』を繋げて1本のゲームとした。したがって『I』をプレイせずに『II』から始めることはできず、『I』部分クリア時のステータスは『II』部分の開始時に所持金、大半のアイテムを除いてそのまま引き継がれる。このため、『II』のレベル1で戦う敵とは『I』のクリアレベルで戦うことになり、ゲームバランスには大きな変更がなされている。
- 2作品を繋げ、1作目の最初から2作目の終盤までレベルが上がり続けるようにとのバランス調整は、たとえクリアまで等間隔でレベルが上がり、クリア直前に最高レベルに達するゲームを2本繋げるだけでも大きな変更を伴うが、イースの場合はさらに『I』がゲーム中盤で最高レベルに達する仕様であったためにより複雑であり、武器によるステータス補正、敵の強さなどを考えると、ゲームバランスにおいてはほとんど原形をとどめていない[注 4][2][要ページ番号]。
- イースシリーズの移植は数多く行われているが、PCE版はイースシリーズのみならずRPG全体において、とりわけ異色なリメイク・移植であった。しかしイースIとIIは完全にストーリーが繋がっているだけでなく、ドラゴンクエストシリーズのIからIIIなどとは異なり、『ストーリーは繋がっているが各作品の間に時間の隔たりがある』わけでもないため、イースIIではIをプレイしていないと全く意味がわからないイベント、Iで出てくるキャラクターがクライマックスで多く出てくるなどがあるため、ストーリー的に「IIのみをプレイするデメリット」が非常に大きい。本作はIとIIの間のイベントも工夫し、ストーリーが非常にわかりやすくなっている。
- ゲーム性も昔のパソコンやファミコンなどに比べ、大幅に容量に余裕ができたため、敵と味方の強さの段階が細かく設定され1本のゲームとしてのゲームバランスも綺麗にまとまっている。最高レベルでなくとも十分にクリアできる様になっている。レベルの上限が高いため手間がかかるが、苦戦してもレベルを上げて対処することが可能なためにアクションRPGにありがちな「アクションが苦手でクリアできない」ということを回避することもできる。尚、「イースI」の時点で最高レベルまで上げることも不可能ではない。
- ちなみにPCエンジン版では『I』においても敵味方のレベル差が獲得経験値に影響を与えるようになっている。これは経験値を2作通しで最高65535にするための策であった[3]が、最終的にはそれでもバランス調整で難があったため経験値の上限を99999としている[4]。
- ストーリーアレンジ
- 基本的にはオリジナルのままであるが、多少アレンジが加わっている。アレンジの中には、
- などといったオリジナルの世界設定と矛盾する物もある。また、オリジナルでは実は必須イベントではなかったあるアイテムの入手が必須になり、またそのイベントの達成結果にも多少変更が入っている[注 7]。
声の出演
- フィーナ - 渡辺菜生子
- レア - 荘真由美
- リリア - 鶴ひろみ
- ダーム / ナレーション - 銀河万丈
- ダレス - 屋良有作
- ダルク・ファクト - 森功至
- マリア・メサ - 山本百合子
- タルフ・ハダル - 山田栄子
- ルタ・ジェンマ - 小林通孝
- ゴーバン・トバ - 郷里大輔
- キース・ファクト - 堀秀行
- ゴード・ダビー - 塩屋翼
- 声優協力 - 青二プロダクション
主な開発スタッフ
- 制作・総指揮:工藤裕司
- プロデューサー:小山俊典
- ディレクター:松山智史、岩崎啓眞
- メインプログラマー:HaHi、岩崎啓眞
- チーフデザイナー:進藤司
- マップデザイン:進藤司
- キャラクタデザイン:伊藤真希
- グラフィック:天城秀行(山根ともお)
- 演出:岩崎啓真
- シナリオ再構成:岩崎啓真、長山豊
- 音楽ディレクター:笹川敏幸
- CDオーディオアレンジ:米光亮
イースI・II完全版
『イースI・II完全版(I・IIC)』は『イースエターナル (IE)』と『イースIIエターナル (IIE)』の二つのゲームをバージョンアップし、カップリングして販売したものである。後に『イースI完全版』 (Ys I COMPLETE)、『イースII完全版』 (Ys II COMPLETE) として、それぞれ別個(バラ)販売された事からも分かる様に、『I』と『II』とはシステム的には連携していない、それぞれが独立したゲームとなっている。当然、『II』から始める事も可能であり、また『I』のクリアステータスを『II』に持ち越す事は出来ない。
※『IE』『IIE』からの変更点など、詳細については『イースI#イースエターナル・イースI完全版』、『イースII#イースIIエターナル・イースII完全版』の各項を参照。
初回特典
- 交響曲イース21stセンチュリー(完全新録版)
- 『II』の楽曲をオーケストラアレンジしたCD。
- 復刻版OVAイース全7巻 (DVD-ROM)
- OVA『イース』を全話収録したDVD。
- 永久保存版『イースの書』パッケージ(ゴールドケース入り)
- 作中の重要アイテム「イースの書」をモチーフとした豪華パッケージ。
イースI・IIエターナルストーリー
『イースI・IIエターナルストーリー(I・IIES)』はWin版『イースI・II完全版(I・IIC)』を元としてPS2に移植された作品である。「Ys I・II ETERNAL STORY」、「Ys I ETERNAL」、「Ys II ETERNAL」の3種類のモードが用意されている。それぞれのモードは独立しているため、当然「IEモード」をクリアしなくても「IIEモード」をはじめる事が可能である。
なお、「Ys I ETERNAL」・「Ys II ETERNAL」の両モードはWinの『I・IIC』からのほぼ忠実な移植のため、詳細についてはそれぞれ『イースI#イースエターナル・イースI完全版』、『イースII#イースIIエターナル・イースII完全版』の項を参照。
Ys I・II ETERNAL STORY
PS2 オリジナルのモード。完全版を元としながら、PS2独自のアレンジが加えられている。PCE版と同じく『I』と『II』を一つのゲームにまとめている様に見えるが、ステータス等はいっさい持ち越される事はない。なおアイテムは「イースの本」6冊と「夢見る宝石」が引き継がれるが、「イースの本」は元々『II』における最初からの所持品であり、「夢見る宝石」はゲームには直接関係ないおまけ要素に関わるアイテムである。『I』と『II』を繋げているのは「『I』をクリアしないと『II』を始められない」と言う点だけであり、事実上2作は独立した別個のゲームである。
イースI・II完全版からの変更
- 声優による演出
- 主要キャラクターに声優によって声があてがわれた(グラフィックはそのまま)。
- レベル
- エターナルストーリーモードにおいては、レベルが上昇すると同じ敵を倒した場合に獲得できる経験値が半減する仕様(レベル制限)の廃止及び、『I』のレベルの最高値が50に変更され、中盤で最高レベルに到達する事がなくなった。また『II』部分は最高値が99に変更されている。但し、各エターナルモードでは完全版からの変更はない。
- 武器・リング・アクセサリの特殊効果
- 武器・リング・アクセサリにそれぞれ特殊効果が追加された。
- 武器
-
- 素手
- 攻撃後の間合いが最小になる。
- SHORT SWORD
- 半キャラずらしで敵の動きが鈍くなっていく。また背後からの攻撃で一撃で停止させることが出来る。
- LONG SWORD
- 一定の確率でクリティカルヒットが発動する。
- TALWARL / HYPER CUTTER
- 敵を即死させる事がある。
- FLAME SWORD / BATTLE SWORD
- ダメージ受けた際にカウンター攻撃。
- SILVER SWORD
- 回避率が上がる。
- CLELIA SWORD
- 特殊効果なし。
- リング / アクセサリ
- 敵からのダメージを受けずに、敵に攻撃を与え続ける事によって新たなステータスCOMBOの値が上昇し、このCOMBO値に応じ、以下に示したリング・アクセサリの特殊効果が発揮される。COMBO値は敵からの攻撃を受けると0に戻る。
- 非装備
- 取得できる経験値・お金が増加。
- パワーリング / 鷹の彫像
- 攻撃力が増加。
- リングメイル / 精霊の衣
- 防御力が増加。
- タイマーリング / クレリアの指輪
- 回避率が増加。
- ヒールリング / やすらぎの指輪
- HPとMPが回復。
- イビルリング / 隼の彫像
- 攻撃力が増加。
- 夢の世界
- 新アイテム『夢見る宝石』を装備する事により、夢の世界に入る事が出来る。この夢の世界はイラスト・ミュージックギャラリーとなっており条件を満たす事によって見られるイラスト、聞ける曲が増えていく。なお夢の世界に住む天才芸術家姉妹が絵を描き、曲を作曲するという設定になっており、彼女らの創作意欲を湧かせる必要がある。姉で天才画家のミシャに専用アイテムを見せることによってミシャが絵を描きイラストが増え、妹で天才音楽家のジャンヌにアドルの冒険譚を聞かせることによって、ジャンヌが作曲をし、曲が増える。
- 夢の世界に関わる Ys I・II ETERNAL STORY専用追加アイテム
-
- 夢見る宝石
- 開始直後に自動的に手に入る。回復可能なフィールドにおいて装備し、しばらく立ち止まっていると夢の世界に入る事が出来る。「イースの本」以外で唯一『I』から『II』に引き継がれるアイテム。
- 貝殻・イヤリング・花嫁のブーケ・ぬいぐるみetc.
- ミシャに見せることによって見られるイラストが増える。
声の出演
主な開発スタッフ
- ディレクター / プランニング:安宅元也
- プログラム:山岸一弥・大囿祐示・木須浩司
- デザイン:横山智美・千頭元・渡邉均
- 開発プロデューサー:千頭元
- 開発エグゼクティブプロデューサー:佐藤良典
イースI&IIクロニクルズ
『イースI&IIクロニクルズ』 (Ys I&II Chronicles) はWin版『イースI・II完全版(I・IIC)』を元としてPSPに移植された作品である。PSP版の5か月後にはWindows版が発売された。〈イース〉のゲーム機への移植作品としては、開発・販売共に日本ファルコムが手掛けた初の作品[注 8]。iOS・Android向けに移植された『イースIクロニクルズ』と『イースIIクロニクルズ』はこの『I&IIクロニクルズ』をバラにしたもの。
ほぼ忠実に『I・IIC』を移植しているため、詳細については『イースI#イースエターナル・イースI完全版』、『イースII#イースIIエターナル・イースII完全版』の項をそれぞれ参照。
イースI・II完全版からの変更
- ゲームモード(グラフィック)
- ゲーム中のキャラクターグラフィックが2種類用意されており、ゲーム新規開始時に「クロニクルズモード」と「オリジナルモード」のどちらかを選択。「クロニクルズモード」では新たに書き下ろされた画像、「オリジナルモード」では『I・IIC』と同じ画像となる。グラフィックのモードは途中で変更する事は出来ず、別モードにするためには新規ゲームとして開始しなければならない。
- BGM
- 「PC-88」(オリジナルであるPC-8801版のFM音源を再現)・「オリジナル」(『I・IIC』アレンジ版)・「クロニクルズ」(新アレンジ)の三種類から選択可能。BGMはゲーム中であっても自由に変更する事が可能。
- 意匠枠の廃止
- 意匠枠が廃止され、プレイ画面がディスプレイの全面を使って表示されるようになった。意匠枠外の下部に表示されていたHP・MPバーはプレイ画面中下部に被せて表示されるようになった(プレイヤーのものは左下、敵のものは右下)。また『VI』等と同様にレベルアップまでの経験値もHPバーの上部に棒グラフで表示されるようになった(経験値取得と共にバーが伸び、右端に到達するとレベルアップ。レベルが上がるとバーはリセットされる)。
発売までの経緯
- 2009年3月7日 - 秋葉原で行なわれた「イース・ファルコムフェア」にて、同年夏の発売が発表される(同時に『Ys SEVEN』の同年秋発売も発表)[7]。
- 2009年3月19日 - 発売が7月であること、そして9月発売の『Ys SEVEN』と共にPSP専用であることが発表される[8][9][10]。
- 2009年4月10日 - 公式サイト設置[11]。
- 2009年6月5日 - 本作の発売を記念してiTunes Storeで販売されている『I』・『II』関連21タイトルのアルバムを値下げ[12]。
- 2009年7月16日 - 発売[11]。
- 2009年12月24日 - Windows版発売[11]。
- 2013年4月30日 - GameNowにて配信[13]。
- 2013年6月20日 - G-cluster[14]とひかりTVゲームにて配信。
イースI&II ~Lost ancient kingdom~
『イースI&II ~Lost ancient kingdom~(Ys I&II ~Lost ancient kingdom~)』は、最初に発売された『イースI』『イースII』であるPC-8801mkIISR版(PC-88版)を少しだけ改訂した状態[注 9]で、X68000(X68K)へ、それぞれをカップリング移植したものである。発・販売元はレトロゲームショップ「BEEP」を主体として事業展開を行っている「株式会社 三月うさぎの森」。ファルコムから公式にライセンスを許可されてリリースされた、正規の市販パソコンソフトである。収録メディアの都合から限定生産となった[15]。
X68Kには1991年に『イースI』が、マイコンソフト(現・電波新聞社マイコンソフト事業部)からPC-88版をアレンジ移植し相応の趣きでリリースされているが、今回は前述したとおり、ほぼPC-88版の移植となる。『イースII』は(公式の市販ソフトとしては)X68kへ初移植となる。
すでに30年以上前のレトロパソコンとなっていたX68K版用ソフトとして、エミュレーターやイメージファイルなどではなく、実機で読み込めるフロッピーディスクにソフトを収録し、2021年に新作ソフトとして発売するという、普通のゲームソフトメーカーではまずしないようなリリースを慣行したことが、レトロゲームファンや当時のX68Kユーザーなどの耳目を集めた。
メディアミックス
物語の連続性から『I』・『II』をまとめた形で行なわれたメディアミックス作品も多い。なお、本稿では『I』・『II』両方を元とした書籍を主に扱い、音楽メディアや『I』・『II』どちらかを扱った物については「イースI#メディアミックス作品」、「イースII#メディアミックス」の各項を参照(2009年末発売のドラマCDのみ例外としてこの項で扱う)。
下記したテーブルトークRPG、漫画については共に原作となるゲームからは大きく離れたオリジナリティーあふれる物となっている。
テーブルトークRPG
漫画
ドラマCD
2009年12月26日、キャラアニから「失われし古代王国」「天空の失楽園」の2枚が発売。
キャラアニ通販特典では声優コメントCDが付いてきた。
ストーリーはIについては過去発売のOVAから引用されている部分があり、IIはアドルとリリアをメインに話が進んでいる。
脚本はフェルガナの誓い、イース7ドラマCDと同じ國澤真理子が担当。
出典
Web
- “イースI&IIクロニクルズ(公式サイト)”. 日本ファルコム (2009年7月16日). 2009年8月25日閲覧。
- 日本ファルコム『日本ファルコム株式会社IR情報』
- “緊急特報!『YsVII』マルチプラットフォーム展開発表!!” (PDF) (2009年4月1日). 2009年8月25日閲覧。
- “『YsI&II Chronicles』発売記念! アルバム21タイトルがiTunes(R) Storeで大幅値下げ!!” (PDF) (2009年6月5日). 2009年8月25日閲覧。
- Aetas『4Gamer.net』
- “「イース7」の発売予定が明らかに 「イース・ファルコムフェア」開催” (2009年3月7日). 2009年8月25日閲覧。
- “イース最新作はPSPに! 「Ys SEVEN」「Ys I&II Chronicles」がPSP用タイトルして発売決定” (2009年3月19日). 2009年8月25日閲覧。
- インプレス『Impress Watch GAME Watch』
- “日本ファルコム、「イース」シリーズの新作を2本リリース PSP「YsI&II Chronicles」とPSP「Ys SEVEN」” (2009年3月19日). 2009年8月25日閲覧。
脚注
注釈
- ^ 『I』と『II』のストーリー的な区切りは本作でも残されているが、違和感のない形で繋がるような演出構成になっている。
- ^ 2019年1月31日をもってWii版VC自体がサービスを終了したため、現在は新規ダウンロード・購入不可。
- ^ 米光はこのPerfectCollectionについて、「アルバムが売れたので真面目にやればよかった」と発言している[要出典]。
- ^ 岩崎啓眞はこれについて「『I』と『II』をまったく同じシステムでいけるようバランスを全面調整した。PCエンジン版はPC版とはバランス的に全然別物になっている」と証言している。
- ^ これについては、オリジナルのスタッフは嵐について雰囲気程度にしか考えていなかったらしい[5]。
- ^ 岩崎啓眞はこれについて「とあるアイテムの入手を必須にするための理由付けとして一番自然であり、またその部分以外に影響を及ぼさない手法である」と証言している[6]。
- ^ 岩崎啓眞はこれについて「IIの最終盤でそのアイテムが再登場する際に矛盾が発生しないようにするためのアレンジである」と証言している。また、このアレンジの影響としてあるキャラが生存するように変更されたとも証言している[6]。
- ^ 開発に限れば、1997年にビクターからセガサターン向けに販売された『ファルコムクラシックス』収録版がある。
- ^ PC-88でまれに起きるバグ修正、およびダルク・ファクト戦で流れるVGM「Final Battle」が、PC-88版かFM77AV版か、どちらかを事前に選択できる程度の違い。
出典
- ^ @snapwithの2020年4月11日のツイート、2020年4月12日閲覧。
- ^ 『ユーズド・ゲームズ』Vol.12「今と昔をリンクする 突撃!クリエイター列伝!!」、キルタイムコミュニケーション、1999年。
- ^ 1989年6月 - レベルを統合すると決める(Colorful Pieces of Game)
- ^ 1989年7月 - バランスを取り直しつつ、ボスの調整を始める(1)(Colorful Pieces of Game)
- ^ オリジナルスタッフのイースの設定(アドルがつくまで)(Colorful Pieces of Game)
- ^ a b 1989年6月 - お礼に一曲吹きましょう(Colorful Pieces of Game)
- ^ 『4Gamer.net』2009年3月7日。
- ^ 日本ファルコム『IR情報』2009年3月19日。
- ^ 『4Gamer.net』3月19日。
- ^ 『GAME Watch』3月19日。
- ^ a b c 公式サイト。
- ^ 日本ファルコム『IR情報』2009年6月5日。
- ^ “クラウドゲームサービス「ジークラウド」あらため「GameNow」のサービスが本日開始。「イースI 完全版」など計26作品をAndroid端末で楽しめる”. 4gamer.net (2013年4月30日). 2016年2月24日閲覧。
- ^ “クラウドゲーム機“G-cluster”が6月20日発売決定、月額プランが最大2ヶ月無料になるキャンペーンも”. ファミ通.com (2013年5月27日). 2016年2月24日閲覧。
- ^ “2021年にX68000向けフロッピー版「イース I&II」が何故発売されるのか”. GAME Watch(株式会社インプレス) (2021年1月8日). 2021年1月8日閲覧。
外部リンク
- 公式サイト
- イースポータルサイト
- イースI・II(ハドソンゲームナビ) - ウェイバックマシン(2005年2月25日アーカイブ分)
- バーチャルコンソール イースI・II(ハドソン公式サイト) - ウェイバックマシン(2010年1月3日アーカイブ分)
- PCエンジンアーカイブス イースI・II(ハドソン公式サイト) - ウェイバックマシン(2010年11月20日アーカイブ分)
- その他
- YsI・IIのページへのリンク