XNORゲート
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/10/04 19:50 UTC 版)
入力 | 出力 | |
A | B | A XNOR B |
L | L | H |
L | H | L |
H | L | L |
H | H | H |
XNORゲート(エックスノアゲート)は、否定排他的論理和の論理ゲートである。右に真理値表を挙げる。2入力の場合、入力の片方がHighで、かつ、もう片方はLowのとき、Lowを出力する。入力が両方Highまたは両方Lowのときは、Highを出力する。メーカー等によってはENORゲートまたはExNORゲートとも呼んでいる。出力が、これの反転になるものをXOR等と呼ぶ。
否定排他的論理和は2を法とする(繰り上がりを無視した)加算と同じものである。すなわち、半加算器には加算結果とキャリーの2つの出力があるが、そのうちの加算結果はXOR(と同じ)である。XNOR(否定排他的論理和)の積和標準形は
ハードウェアの解説とピン配置
論理の方式にもよるが、XNORは単純には実装できないことが多い(たとえばCMOS論理では、2入力のNANDゲートやNORゲートは4個のトランジスタで直接単純に実装できるが、XNORを4個のトランジスタで実装するのは困難である)。しかし基本論理の組み合わせで作るのは少々煩雑であり、回路的な工夫(後述)もあることから、TTLやCMOS論理の汎用ロジックICにはXNORゲートがラインナップされている。74シリーズでは7486、4000シリーズでは4070(4030の代替)に、2入力XNORゲートが4個入っている。ピン配置はいずれも同じである。DIPパッケージ品やフラットパッケージ品がある。
実装
排他的論理和はそれぞれの入力に対して対称で、XNORを変形して双対でもある出力が反転したXORを作ることも簡単だが、以下ではそういったバリエーションについては省略する。
CMOS論理の基本的な方式に従った場合、2個の入力AとBそれぞれの反転のために2個ずつ4個のトランジスタと、次の図のような8個のトランジスタの、計12個のトランジスタによって実装できる。
CMOSでは、NORゲートとAND-OR-Invert(en:AND-OR-Invert)複合ゲートによる10トランジスタの実装もある。
通常の構成のゲートではなく、論理値が「通り抜ける」ゲート(詳細は英語版記事 en:Pass transistor logic および en:Transmission gate を参照)を使うと、より効率よく実装できるかもしれない。以下はそのような、6個のトランジスタによるCMOS ICへの実装の1例である(図中の4個と、入力の片方の反転のために2個)。 (入力が電気的に(アナログ的に)出力に直接繋がってしまうのを避けたい場合は、XORの出力をNOTで反転し8トランジスタとする)
後述するようにXNORは加算器でもあるため、コンピュータの高性能化のために他にも種々の手法が研究されている[1]。
XNORの積和標準形 電灯のオンオフを、3路スイッチと呼ばれるスイッチを利用して、2ヶ所から切り替えられるようにする配線方法があるが、これも一種のXNORの実装である。
XNORゲートは1ビット加算器として機能する。すなわち、2つのビットを加算した結果の1ビット目が得られる。2ビット目の桁上がり(キャリー)は加算する2つのビットが1の時であるからANDゲートによって得られる。したがってXNORゲートとANDゲートを使って半加算器を構成できる。
3以上の入力への拡張
脚注・出典
関連項目
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