[go: up one dir, main page]
More Web Proxy on the site http://driver.im/

Unit 8200とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > 百科事典 > Unit 8200の意味・解説 

8200部隊

(Unit 8200 から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/07/23 20:55 UTC 版)

8200部隊
ゴラン高原北東部アヴィタル山[1]の8200部隊施設(2007年撮影)
創設1952年
国籍 イスラエル
兵力推定5000人[2]
上級部隊イスラエル参謀本部諜報局
ガーディアン』2013年9月11日付は、米国家安全保障局(NSA)が収集したアメリカ合衆国市民の個人情報を共有する合意が、8200部隊との間で交わされていたと報じた[3]。これはエドワード・スノーデンが所持していた機密情報から見いだされ、『ガーディアン』が公開した文書(PDF)。

8200部隊ヘブライ語: יחידה 8200‎, 英語: Unit 8200)は、イスラエル参謀本部諜報局情報収集部門の一部署である。8200部隊は米国のアメリカ国家安全保障局(NSA)に匹敵する諜報機関であり、軍事機密にかかる知見の高さと大胆な行動をする事が知られている[4]。イスラエルには首相府に国家サイバー局があるほか、モサドなど各情報機関もサイバー戦争部門を有する。8200部隊はイスラエル国防軍サイバー攻撃・防御の超精鋭部隊である[5]

経緯

8200部隊は、1952年アメリカ合衆国の軍事備品の放出品を使って設置された。当初、「第2インテリジェンスサービス部隊」と呼ばれていた。 次に、「第515インテリジェンスサービス部隊」と呼ばれるようになった。1954年に、現在のGlilot junctionに移転した[6]。8200部隊の前身は1948年イスラエル独立宣言以前から存在した。それが1973年第四次中東戦争後に8200部隊となった。8200部隊の存在は、10年ほど前まで公にされていなかった[2]

活動

8200部隊は何千人もの兵士から構成される組織で、国家の脅威を発見するためインターネットなどに含まれる情報の激流から通信情報およびコードを解読することを任務としている[7]。2012年6月1日付『ニューヨーク・タイムズ』は「NSAと8200部隊がコンピュータウイルススタックスネット』をイラン攻撃用に作った」と報じた[8]。イスラエルでは情報の90%は8200部隊がもたらし、同国諜報特務庁「モサド」にせよ、他の情報機関にせよ、同部隊なしに大きな作戦を遂行することはない。隊員はしばしば生死がかかる状況の下、わずかな指示のみで最新テクノロジーの開発を命じられる[2]

イスラエルのサイバーセキュリティ業界は世界有数の技術を持つ。現在では各社は、人材が8200部隊出身であることを明らかにして、セールスポイントにしていることも多い。一例としては、Team8社CEO(最高経営責任者)ナダブ・ザフリルは8200部隊元司令官(准将)である[9][10]

イスラエルの新聞『ハアレツ』によると、イスラエル企業NSOグループは8200部隊出身者が社員の中心で、イスラエル政府が承認した国外の相手先にサイバー諜報技術を輸出している[11]

兵士

イスラエルではほとんどの国民が、高校卒業後の18歳での兵役を義務付けられている。8200部隊はそのうちの上位1%を採用している[2]。 8200部隊のサイバーセキュリティ精鋭グループには、優秀な人材だけが選ばれている[12]。8200部隊のリクルーターは、ハッキング、数学、技術、言語、チームワークに高度に熟練した若い人材を選定している。8200部隊の人材は、サイバー戦争で勝利を収められるほどの高い技術力を保有している[13]

脚注

  1. ^ 標高1204m、he:הר אביטל
  2. ^ a b c d 軍が起業家の揺りかご──イスラエル「8200部隊」の秘密(前編)”. Forbes Japan (2017年3月7日). 2017年5月14日閲覧。
  3. ^ グレン・グリーンウォルド, Laura Poitras and Ewen MacAskill (2013年9月11日). “NSA shares raw intelligence including Americans' data with Israel”. 『ガーディアン』. http://www.theguardian.com/world/2013/sep/11/nsa-americans-personal-data-israel-documents 2015年2月19日閲覧。 
  4. ^ イスラエルとのサイバーセキュリティ連携”. サイバーセキュリティ.com (2016年3月29日). 2017年5月6日閲覧。
  5. ^ [Security Days Spring 2017 インタビュー]ソフトバンクが惚れ込んだ標的型攻撃対策のEDR製品(サイバーリーズン・ジャパン)。”. ScanNetSecurity、 (2017年2月23日). 2017年5月6日閲覧。
  6. ^ Amir Kidon (2008年9月1日). “Unit 8200: In the Beginning”. Israel Defense Forces. 2015年12月14日閲覧。
  7. ^ 元イスラエルサイバー部隊員が開発したアプリ「Donde Fashion」 国家保安レベル(!?)の検索力でファッションアイテムを探します。”. Sparkling IT News (2015年8月21日). 2017年5月14日閲覧。
  8. ^ 坂村健の目:スタックスネットの正体」『毎日新聞』2012年6月19日
  9. ^ “サイバー防衛 師はイスラエル 日本、五輪控え連携/AIなど高度技術”. 『日本経済新聞』朝刊. (2017年6月3日). http://www.nikkei.com/article/DGKKZO1725793002062017EA5000/ 
  10. ^ 「サイバー防衛 精強AI部隊/イスラエル 軍隊仕込みのVB参戦」『日経産業新聞』2017年6月7日
  11. ^ 【奔流デジタル】ジンバブエ/スマホ監視 強まる独裁『読売新聞』朝刊2021年4月28日1面
  12. ^ From The Israeli Army Unit 8200 To Silicon Valley”. TechCrunch (2015年5月20日). 2017年5月20日閲覧。
  13. ^ ブロックチェーンの未来を読むためには「イスラエル」を見よ”. Innovation Hub (2016年11月25日). 2017年5月20日閲覧。

関連項目

座標: 北緯33度06分54秒 東経35度47分20秒 / 北緯33.11500度 東経35.78889度 / 33.11500; 35.78889


「Unit 8200」の例文・使い方・用例・文例

Weblio日本語例文用例辞書はプログラムで機械的に例文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

「Unit 8200」の関連用語

Unit 8200のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



Unit 8200のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの8200部隊 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
Tanaka Corpusのコンテンツは、特に明示されている場合を除いて、次のライセンスに従います:
 Creative Commons Attribution (CC-BY) 2.0 France.
この対訳データはCreative Commons Attribution 3.0 Unportedでライセンスされています。
浜島書店 Catch a Wave
Copyright © 1995-2025 Hamajima Shoten, Publishers. All rights reserved.
株式会社ベネッセコーポレーション株式会社ベネッセコーポレーション
Copyright © Benesse Holdings, Inc. All rights reserved.
研究社研究社
Copyright (c) 1995-2025 Kenkyusha Co., Ltd. All rights reserved.
日本語WordNet日本語WordNet
日本語ワードネット1.1版 (C) 情報通信研究機構, 2009-2010 License All rights reserved.
WordNet 3.0 Copyright 2006 by Princeton University. All rights reserved. License
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
「斎藤和英大辞典」斎藤秀三郎著、日外アソシエーツ辞書編集部編
EDRDGEDRDG
This page uses the JMdict dictionary files. These files are the property of the Electronic Dictionary Research and Development Group, and are used in conformance with the Group's licence.

©2025 GRAS Group, Inc.RSS