[go: up one dir, main page]
More Web Proxy on the site http://driver.im/

PVAとは? わかりやすく解説

ポリビニルアルコール

英語:PolyVinyl Alcohol、PVA

合成樹脂一種可溶性があり、溶ける接着剤洗濯のりなどとして利用されている。

1940年代後半から1960年代頃にかけて、ポリビニルアルコールは文化財絵画修復する際に剥離防止剤などに用いられていたが、時代を経るにつれて劣化し、却って絵の剥離損傷招いていることが問題視されている。霧島神宮本殿をはじめ、複数文化財で絵の表面剥がれるなどの被害報告されている。

ピー‐ブイ‐エー【PVA】

読み方:ぴーぶいえー

polyvinyl alcohol》⇒ポリビニルアルコール


吉草酸酢酸プレドニゾロン

分子式C28H38O7
その他の名称アセプレバール、プレドニゾロンバレラートアセタート、Prednisolone valerate acetate、プレドニソロンバレラートアセタート、Acepreval、PVA、21-(Acetyloxy)-11β-hydroxy-17-[(1-oxopentyl)oxy]pregna-1,4-diene-3,20-dione、吉草酸酢酸プレドニゾロン、吉草酸酢酸プレドニソロン、リドメックス、Lidomex、プレドニゾロン吉草酸エステル酢酸エステル、スピラゾン、Spirazon、ユーメトン、Youmeton
体系名:21-(アセチルオキシ)-11β-ヒドロキシ-17-[(1-オキソペンチル)オキシ]プレグナ-1,4-ジエン-3,20-ジオン


ポリビニルアルコール

(PVA から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/06/06 05:49 UTC 版)

ポリビニルアルコール
識別情報
CAS登録番号 9002-89-5 
ChemSpider none
E番号 E1203 (追加化合物)
KEGG C00980 
ChEMBL CHEMBL76101 
RTECS番号 TR8100000
特性
化学式 (C2H4O)x
密度 1.19-1.31 g/cm3
融点

200 °C, 473 K, 392 °F

log POW 0.26 [1]
屈折率 (nD) 1.477 @ 632 nm[2]
危険性
安全データシート(外部リンク) External MSDS
NFPA 704
0
1
0
引火点 79.44 °C (174.99 °F; 352.59 K)
半数致死量 LD50 14,700 mg/kg (Mouse)
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。

ポリビニルアルコール (polyvinyl alcohol) は合成樹脂の一種で、親水性が非常に強く、温水に可溶という特徴を持つ。

略号はPVAL、またISO標準化されていないがPVOHも用いられる[3][4]。略号PVAも用いられるが、ポリ酢酸ビニルにも同じ略号が用いられ混乱がある[5]。日本ではポバールの略称も学術用語として用いられる[5]

概要

示性式 (−CH2CH(OH)−)nビニルアルコール重合体のようになっているが、ビニルアルコールのモノマー(単量体)はケト-エノール互変異性により安定なアセトアルデヒドに異性化してしまうため、一般的には酢酸ビニルモノマーを重合したポリ酢酸ビニル鹸化(けんか)して得る。

「温水に可溶」という性質は、合成樹脂の仲間では例外的なことである。これは、分子中に多くのヒドロキシ基 (−OH) があることによる。

歴史

1924年にドイツのW.O. HerrmannとW. Haehnelによって発明された[5]

日本では1939年に桜田一郎李升基、川上博らがポリビニルアルコール繊維ビニロンの合成に成功、1949年に日本合成化学工業が「ゴーセノール」の製品名でポリビニルアルコールを生産、1950年にクラレがビニロンを生産、1958年にクラレが「クラレポバール」の製品名でポリビニルアルコールの外販を開始し、日本のポリビニルアルコール工業は1960年代には世界で最も発展した[5][6][7]。主要なメーカーにはクラレ日本合成化学工業デンカ信越化学工業積水化学工業がある。

「ポバール」の略称は、初めクラレ社内で使用されていた略称を1944年に高分子学会が認めたもので、その由来として「アルコール」が酒類の密造と誤解されることを避けるため命名されたとの説がある[5][8]

反応

ポリビニルアルコールは、ヨウ素液に対して色の呈色反応を示す。これはヨウ素デンプン反応と同様にヨウ素分子がポリビニルアルコールの螺旋構造に入り込むことによる。

用途

接着剤や、バインダー(いわゆる「つなぎ」)、洗濯のりFRP成型などの離型剤、コンタクトレンズ装着薬、錠剤等の製造過程における結合剤として利用されるほか、その強い親水性を生かして、界面活性剤としても利用される。ポリ酢酸ビニルアクリル樹脂等を主成分とするエマルション系接着剤を製造する際の乳化剤としても広く用いられている。ビニロン繊維や偏光フィルムの材料としても用いられる。

文具としての液状のり(「アラビックヤマト」や「オーグルー」など)の主成分でもある。また水に溶ける性質を利用して、日本では裏のり式の郵便切手にも使われている[9]

昭和20年代から文化財の修復現場で古い絵の剥離の防止コートとして使われていたが、実施された当時には十分予想されていなかったポリビニルアルコールの経年劣化による再剥離・白化・不溶化が問題となった。劣化したポリビニルアルコールは従来期待されていた水や溶剤による除去が困難となっていたが、2010年代に分解酵素による除去方法が開発された[10][11]

身近な例では、ジェルボールやシート状の洗濯機用洗剤が市販されている(ジェルボールの水溶性フィルムや、シート状に固める際のつなぎとして使用されている)。

水田除草剤のジャンボ剤(から水田に投げ入れる剤)も同様の例であり、水田に入らず散布でき、かつ薬剤が空中に飛散しないため、使用者に対し安全かつ省力的な農薬の剤型として、近年はよく利用されている。水稲用の殺虫剤や殺菌剤にも同様の剤型があるが、これらはパック剤と呼ばれ、また畑作用の殺虫剤や殺菌剤などの水和剤や水溶剤でも、計量を簡便化するとともに薬液調製時の飛散を防ぐ目的で同様のフィルムにより小分け包装された剤(WSB剤)がある。この例は農薬以外の薬品(防疫用殺虫剤など)においてもみられる。

また、トイレのタンクに入れる芳香洗浄剤の外装フィルムにも用いられている。(手を汚さずに投入できるほか、芳香洗浄剤をタンク底に定着させるバインダーの役割も果たしている。このため、フィルムを剥がして入れてはいけない。)

スライムを作るのにホウ砂と合わせて使われることもある。シャボン玉を割れにくくするためにポリビニルアルコール(洗濯のり)がシャボン玉液に加えられる場合がある。

2019年には白血病の治療に使われる造血幹細胞を増やすための培養液の成分として一般的な牛由来の血清アルブミンの代わりに様々な代替化学物質を添加した培養実験を東京大学とスタンフォード大学の研究チームが共同で行ったところ、ポリビニルアルコールがアルブミンの代替物質として有用であるという研究結果が発表されている[12]。ポリビニルアルコールは液状のりの材料として大量生産されているため、安価で高品質なグレードが入手可能であることから、幹細胞治療のコスト削減に貢献すると期待されている[13]

がん細胞にホウ素化合物の薬剤を注射して取り込ませておき中性子をあててがん細胞を壊す放射線治療で、薬剤にポリビニルアルコールを混ぜると、薬剤がとどまり続ける時間が長くなり治療効果が大幅に高まり、マウスの実験で大腸がんがほぼ消失したことを、東京工業大学のチームが発見し、2020年1月23日に発表した[14]

脚注

  1. ^ Poly(vinyl alcohol)_msds”. 2018年11月8日閲覧。
  2. ^ Schnepf, M.J.; Mayer, M.; Kuttner, C.; Tebbe, M.; Wolf, D.; Dulle, M.; Altantzis, T.; Formanek, P. et al. (2017). “Nanorattles with tailored electric field enhancement”. Nanoscale 9 (27): 9376–9385. doi:10.1039/C7NR02952G. 
  3. ^ JIS K 6899-1:2015「プラスチック-記号及び略語-第1部:基本ポリマー及びその特性」日本産業標準調査会経済産業省
  4. ^ Jiasong He et al. (2014). “Abbreviations of polymer names and guidelines for abbreviating polymer names (IUPAC Recommendations 2014)”. Pure and Applied Chemistry (IUPAC) 86 (6): 1003-1015. doi:10.1515/pac-2012-1203. 
  5. ^ a b c d e 森田恒之「合成樹脂小史 : 文化財保存に利用されるものを中心に」『国立民族学博物館調査報告』第36巻、2003年、13-27頁、doi:10.15021/00001953 
  6. ^ 製品はじめて物語(ビニロン・ポバール)”. クラレ. 2020年11月26日閲覧。
  7. ^ 中村喜光「わが国の水溶性合成高分子」『有機合成化学協会誌』第29巻第1号、有機合成化学協会、1971年、87-91頁、doi:10.5059/yukigoseikyokaishi.29.87 
  8. ^ 梶谷浩一 (2009). “「合成1号」ビニロンの工業化 —先駆的な産学連携事業—”. 産学官連携ジャーナル (科学技術振興機構) (2009-12). https://sangakukan.jst.go.jp/journal/journal_contents/2009/12/articles/0912-02-2/0912-02-2_article.html. 
  9. ^ 切手きってはなぜくっつくの?”. 朝日新聞: be. (2014年11月22日). オリジナルの2019年5月30日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20190530012609/asahi.com/shimbun/nie/tamate/20141202/ 2019年5月30日閲覧。 
  10. ^ 川野辺渉「文化財修復と高分子」『高分子』第56巻第8号、高分子学会、2007年、588-592頁、doi:10.1295/kobunshi.56.588 
  11. ^ 早川典子「絵画修復の化学(国内における最近の事例)」『オレオサイエンス』第18巻第10号、日本油化学会、2018年、483-489頁、doi:10.5650/oleoscience.18.483 
  12. ^ 液体のり成分で増殖=マウス造血幹細胞-東大など”. 時事ドットコム (2019年5月30日). 2019年6月16日時点のオリジナルよりアーカイブ。2019年5月30日閲覧。
  13. ^ 造血幹細胞、のりで大量培養 高価な培養液以上、専門家びっくり 東大など、マウスで成功”. 朝日新聞. 2019年5月30日閲覧。
  14. ^ 「液体のり」放射線治療でも期待の星 がん細胞ほぼ消失”. 朝日新聞. 2020年1月23日閲覧。

外部リンク


PVA

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/23 23:00 UTC 版)

超選択的気管支動脈塞栓術」の記事における「PVA」の解説

ソウル大学Wooらは、PVA293例、NBCA113例、計406例のBAE長期成績報告している。海外では頻用されるが、我が国では保険適用になっておらず使用できない

※この「PVA」の解説は、「超選択的気管支動脈塞栓術」の解説の一部です。
「PVA」を含む「超選択的気管支動脈塞栓術」の記事については、「超選択的気管支動脈塞栓術」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「PVA」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

「PVA」の関連用語

PVAのお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



PVAのページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
新語時事用語辞典新語時事用語辞典
Copyright © 2025 新語時事用語辞典 All Rights Reserved.
デジタル大辞泉デジタル大辞泉
(C)Shogakukan Inc.
株式会社 小学館
独立行政法人科学技術振興機構独立行政法人科学技術振興機構
All Rights Reserved, Copyright © Japan Science and Technology Agency
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのポリビニルアルコール (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、Wikipediaの超選択的気管支動脈塞栓術 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS