セキュリティ識別子 (SID) [security identifier (SID)]
セキュリティ識別子
【英】Security Identifier, SID
セキュリティ識別子とは、Windows NT系のOSにおいて、個々のユーザーまたはグループに対して与えられる識別用の番号である。
セキュリティ識別子はユーザー名やパスワードとは別に管理されている。このため、パスワードの変更を行ってもセキュリティ識別子は引き継がれ、逆に、以前存在したユーザー名やパスワードを新たに作成してもセキュリティ識別子は引き継がれない。セキュリティ識別子はもっぱらシステム内部で扱われる情報であり、ユーザーがセキュリティ識別子を直接に扱う機会はないといえる。
参照リンク
セキュリティ識別子 - (Windows Server TechCenter)
Windows: | サービス セーフモード セキュリティロールアップパッケージ セキュリティ識別子 シェアードライブラリ シェル シャットダウン |
SecurityIdentifier クラス
アセンブリ: mscorlib (mscorlib.dll 内)
<ComVisibleAttribute(False)> _ Public NotInheritable Class SecurityIdentifier Inherits IdentityReference Implements IComparable(Of SecurityIdentifier)
[ComVisibleAttribute(false)] public sealed class SecurityIdentifier : IdentityReference, IComparable<SecurityIdentifier>
[ComVisibleAttribute(false)] public ref class SecurityIdentifier sealed : public IdentityReference, IComparable<SecurityIdentifier^>
System.Security.Principal.IdentityReference
System.Security.Principal.SecurityIdentifier
Windows 2000 SP4, Windows Millennium Edition, Windows Server 2003, Windows XP Media Center Edition, Windows XP Professional x64 Edition, Windows XP SP2, Windows XP Starter Edition
開発プラットフォームの中には、.NET Framework によってサポートされていないバージョンがあります。サポートされているバージョンについては、「システム要件」を参照してください。
SecurityIdentifier コンストラクタ (WellKnownSidType, SecurityIdentifier)
アセンブリ: mscorlib (mscorlib.dll 内)
Dim sidType As WellKnownSidType Dim domainSid As SecurityIdentifier Dim instance As New SecurityIdentifier(sidType, domainSid)
- domainSid
ドメイン SID。この値は、次の WellKnownSidType 値に必要です。このパラメータは、その他の WellKnownSidType 値については無視されます。
WinAccountAdministratorSid
WinAccountGuestSid
WinAccountKrbtgtSid
WinAccountDomainAdminsSid
WinAccountDomainUsersSid
WinAccountDomainGuestsSid
WinAccountComputersSid
WinAccountControllersSid
WinAccountCertAdminsSid
WinAccountSchemaAdminsSid
WinAccountEnterpriseAdminsSid
WinAccountPolicyAdminsSid
WinAccountRasAndIasServersSid
Windows 2000 SP4, Windows Millennium Edition, Windows Server 2003, Windows XP Media Center Edition, Windows XP Professional x64 Edition, Windows XP SP2, Windows XP Starter Edition
開発プラットフォームの中には、.NET Framework によってサポートされていないバージョンがあります。サポートされているバージョンについては、「システム要件」を参照してください。
SecurityIdentifier コンストラクタ (Byte[], Int32)
アセンブリ: mscorlib (mscorlib.dll 内)
Dim binaryForm As Byte() Dim offset As Integer Dim instance As New SecurityIdentifier(binaryForm, offset)
Windows 2000 SP4, Windows Millennium Edition, Windows Server 2003, Windows XP Media Center Edition, Windows XP Professional x64 Edition, Windows XP SP2, Windows XP Starter Edition
開発プラットフォームの中には、.NET Framework によってサポートされていないバージョンがあります。サポートされているバージョンについては、「システム要件」を参照してください。
SecurityIdentifier コンストラクタ (IntPtr)
アセンブリ: mscorlib (mscorlib.dll 内)
Public Sub New ( _ binaryForm As IntPtr _ )
Dim binaryForm As IntPtr Dim instance As New SecurityIdentifier(binaryForm)
public SecurityIdentifier ( IntPtr binaryForm )
public: SecurityIdentifier ( IntPtr binaryForm )
public SecurityIdentifier ( IntPtr binaryForm )
public function SecurityIdentifier ( binaryForm : IntPtr )
Windows 2000 SP4, Windows Millennium Edition, Windows Server 2003, Windows XP Media Center Edition, Windows XP Professional x64 Edition, Windows XP SP2, Windows XP Starter Edition
開発プラットフォームの中には、.NET Framework によってサポートされていないバージョンがあります。サポートされているバージョンについては、「システム要件」を参照してください。
SecurityIdentifier コンストラクタ
名前 | 説明 |
---|---|
SecurityIdentifier (IntPtr) | セキュリティ識別子 (SID) のバイナリ形式を表す整数を使用して、SecurityIdentifier クラスの新しいインスタンスを初期化します。 |
SecurityIdentifier (String) | SDDL (Security Descriptor Definition Language) 形式の指定したセキュリティ識別子 (SID) を使用して、SecurityIdentifier クラスの新しいインスタンスを初期化します。 |
SecurityIdentifier (Byte[], Int32) | セキュリティ識別子 (SID) の指定したバイナリ表現を使用して、SecurityIdentifier クラスの新しいインスタンスを初期化します。 |
SecurityIdentifier (WellKnownSidType, SecurityIdentifier) | 一般的なセキュリティ識別子 (SID) の種類とドメイン SID を指定して、SecurityIdentifier クラスの新しいインスタンスを初期化します。 |
SecurityIdentifier コンストラクタ (String)
アセンブリ: mscorlib (mscorlib.dll 内)
Windows 2000 SP4, Windows Millennium Edition, Windows Server 2003, Windows XP Media Center Edition, Windows XP Professional x64 Edition, Windows XP SP2, Windows XP Starter Edition
開発プラットフォームの中には、.NET Framework によってサポートされていないバージョンがあります。サポートされているバージョンについては、「システム要件」を参照してください。
SecurityIdentifier フィールド
名前 | 説明 | |
---|---|---|
| MaxBinaryLength | セキュリティ識別子のバイナリ表現の最大サイズをバイト単位で返します。 |
| MinBinaryLength | セキュリティ識別子のバイナリ表現の最小サイズをバイト単位で返します。 |
SecurityIdentifier プロパティ
名前 | 説明 | |
---|---|---|
| AccountDomainSid | SID が Windows アカウントの SID を表す場合、SecurityIdentifier オブジェクトで表される SID からアカウント ドメイン セキュリティ識別子 (SID) 部分が返されます。SID が Windows アカウントの SID を表さない場合、このプロパティは ArgumentNullException を返します。 |
| BinaryLength | SecurityIdentifier オブジェクトで表されるセキュリティ識別子 (SID) の長さがバイト単位で返されます。 |
| Value | オーバーライドされます。 この SecurityIdentifier オブジェクトで表されるセキュリティ識別子 (SID) に対する大文字の SDDL (Security Descriptor Definition Language) 文字列を返します。 |
SecurityIdentifier メソッド
名前 | 説明 | |
---|---|---|
| CompareTo | 現在の SecurityIdentifier オブジェクトと、指定した SecurityIdentifier オブジェクトとを比較します。 |
| Equals | オーバーロードされます。 オーバーライドされます。 |
| GetBinaryForm | SecurityIdentifier クラスで表される指定したセキュリティ識別子 (SID) のバイナリ表現をバイト配列にコピーします。 |
| GetHashCode | オーバーライドされます。 現在の SecurityIdentifier オブジェクトのハッシュ関数として機能します。GetHashCode メソッドは、ハッシュ アルゴリズムや、ハッシュ テーブルなどのデータ構造での使用に適しています。 |
| GetType | 現在のインスタンスの Type を取得します。 ( Object から継承されます。) |
| IsAccountSid | この SecurityIdentifier オブジェクトで表されるセキュリティ識別子 (SID) が有効な Windows アカウント SID であるかどうかを示す値を返します。 |
| IsEqualDomainSid | この SecurityIdentifier オブジェクトで表されるセキュリティ識別子 (SID) が指定した SID と同じドメインにあるかどうかを示す値を返します。 |
| IsValidTargetType | オーバーライドされます。 指定した型が SecurityIdentifier クラスの有効な変換型であるかどうかを示す値を返します。 |
| IsWellKnown | SecurityIdentifier オブジェクトが、指定した一般的なセキュリティ識別子 (SID) の種類と一致するかどうかを示す値を返します。 |
| op_Equality | オーバーロードされます。 |
| op_Inequality | オーバーロードされます。 |
| ReferenceEquals | 指定した複数の Object インスタンスが同一かどうかを判断します。 ( Object から継承されます。) |
| ToString | オーバーライドされます。 SecurityIdentifier オブジェクトで表されるアカウントのセキュリティ識別子 (SID) を SDDL (Security Descriptor Definition Language) 形式で返します。SDDL 形式の例は S-1-5-9 です。 |
| Translate | オーバーライドされます。 SecurityIdentifier オブジェクトで表されるアカウント名を他の IdentityReference 派生型に変換します。 |
SecurityIdentifier メンバ
セキュリティ識別子 (SID: Security Identifier) を表し、SID のマーシャリング操作と比較操作を提供します。
SecurityIdentifier データ型で公開されるメンバを以下の表に示します。
名前 | 説明 | |
---|---|---|
| MaxBinaryLength | セキュリティ識別子のバイナリ表現の最大サイズをバイト単位で返します。 |
| MinBinaryLength | セキュリティ識別子のバイナリ表現の最小サイズをバイト単位で返します。 |
名前 | 説明 | |
---|---|---|
| AccountDomainSid | SID が Windows アカウントの SID を表す場合、SecurityIdentifier オブジェクトで表される SID からアカウント ドメイン セキュリティ識別子 (SID) 部分が返されます。SID が Windows アカウントの SID を表さない場合、このプロパティは ArgumentNullException を返します。 |
| BinaryLength | SecurityIdentifier オブジェクトで表されるセキュリティ識別子 (SID) の長さがバイト単位で返されます。 |
| Value | オーバーライドされます。 この SecurityIdentifier オブジェクトで表されるセキュリティ識別子 (SID) に対する大文字の SDDL (Security Descriptor Definition Language) 文字列を返します。 |
名前 | 説明 | |
---|---|---|
| CompareTo | 現在の SecurityIdentifier オブジェクトと、指定した SecurityIdentifier オブジェクトとを比較します。 |
| Equals | オーバーロードされます。 オーバーライドされます。 |
| GetBinaryForm | SecurityIdentifier クラスで表される指定したセキュリティ識別子 (SID) のバイナリ表現をバイト配列にコピーします。 |
| GetHashCode | オーバーライドされます。 現在の SecurityIdentifier オブジェクトのハッシュ関数として機能します。GetHashCode メソッドは、ハッシュ アルゴリズムや、ハッシュ テーブルなどのデータ構造での使用に適しています。 |
| GetType | 現在のインスタンスの Type を取得します。 (Object から継承されます。) |
| IsAccountSid | この SecurityIdentifier オブジェクトで表されるセキュリティ識別子 (SID) が有効な Windows アカウント SID であるかどうかを示す値を返します。 |
| IsEqualDomainSid | この SecurityIdentifier オブジェクトで表されるセキュリティ識別子 (SID) が指定した SID と同じドメインにあるかどうかを示す値を返します。 |
| IsValidTargetType | オーバーライドされます。 指定した型が SecurityIdentifier クラスの有効な変換型であるかどうかを示す値を返します。 |
| IsWellKnown | SecurityIdentifier オブジェクトが、指定した一般的なセキュリティ識別子 (SID) の種類と一致するかどうかを示す値を返します。 |
| op_Equality | オーバーロードされます。 |
| op_Inequality | オーバーロードされます。 |
| ReferenceEquals | 指定した複数の Object インスタンスが同一かどうかを判断します。 (Object から継承されます。) |
| ToString | オーバーライドされます。 SecurityIdentifier オブジェクトで表されるアカウントのセキュリティ識別子 (SID) を SDDL (Security Descriptor Definition Language) 形式で返します。SDDL 形式の例は S-1-5-9 です。 |
| Translate | オーバーライドされます。 SecurityIdentifier オブジェクトで表されるアカウント名を他の IdentityReference 派生型に変換します。 |
セキュリティ識別子
(SecurityIdentifier から転送)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/11 05:01 UTC 版)
ナビゲーションに移動 検索に移動セキュリティ識別子 (Security Identifier, Security ID, SID) は、Microsoft Windows NT系のオペレーティングシステムにおいて、ユーザー、所属グループ、コンピュータ、ログオンセッションを識別するためにシステムによって付与される固有の番号であり、以下のような形式をとる。桁数は可変である。
S-1-5-21-1680901638-3810371154-032732121-1021
セキュリティ識別子をユーザーが目にする機会はほとんどないが、システム内部では、ログオンの可否や共有フォルダなどへのアクセス制御を、ユーザー名やコンピュータ名ではなくセキュリティ識別子を使用してアクセス制御リスト (ACL) を参照することで行っている。これは、以前に削除したユーザー名と同じユーザー名を別の利用者に割り当てた場合、以前の利用者の権限でアクセスできてしまうことを防ぐことと、結婚して姓が変わるなどしてユーザー名を変更しても以前設定した権限でアクセスできるようにするためである。そのため、間違ってアカウントを削除してしまい、新しく同じ名前で作成したとしても内部での扱いは別物として扱われるため、以前のユーザーでアクセス権を割り当てたオブジェクトにアクセスできない(不明なSIDとなる)。
関連項目
- SecurityIdentifierのページへのリンク