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I, Robotとは? わかりやすく解説

iRobot

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/09/06 04:36 UTC 版)

iRobot Corporation
iRobot本社
種類 株式会社
市場情報 NASDAQ: IRBT
本社所在地 マサチューセッツ州ベッドフォード
設立 1990年
業種 ロボット
事業内容 家庭用ロボット
売上高 12億1400万USドル(2019年)
従業員数 920名(2017年)[1]
関係する人物 ロドニー・ブルックス
外部リンク www.irobot.com
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iRobot Corporation(アイロボット・コーポレーション)は、アメリカ合衆国マサチューセッツ州ベッドフォードに本社を置く家庭用清掃ロボットの設計・開発を行う企業。

概要

自律型家庭用掃除ロボットルンバ」や全自動モップかけ機「ブラーバ」や全自動フローリング洗浄掃除機「スクーバ」で知られている世界的な企業。

米国マサチューセッツ州ベッドフォード(Bedford)に本社がある。

ここ数年のデータを見ると、収益は右肩上がりに伸びており、2021年の世界収益は約7億5400万米ドルである。収益の地域別の内訳を見ると、アメリカ合衆国が7億5400万米ドル、EMEAが4億7000万米ドル、日本が2億2200万米ドル、その他の地域が1億1700万米ドルとなっている[2]

2022年8月に、ネット通販大手でAmazon Echoなどの家庭用製品やサービスも提供しているAmazonがiRobotを買収すると発表した[3]。しかし、連邦取引委員会(FTC)や欧州連合(EU)の規制当局による審査が難航したことを受けて、Amazonは2024年1月29日にiRobotの買収を断念することを発表した[4][5]

歴史

マサチューセッツ工科大学MIT人工知能研究所で働いていた、ロドニー・ブルックス、コリン・アングル(現CEO)、ヘレン・グレイナー(現UAV開発企業CyPhy Works社CEO)の3人が設立した会社である。

iRobotは1990年に設立され、2000年に Delawareと合併した。設立から2003年まで常に赤字であった[1]。2005年11月9日に株式公開し、500万株を24ドル/株で売って1億2000万ドルを得た[6]

最初は主に、アメリカ軍SWAT爆発物処理や偵察に使用されている、軍事用ロボットパックボット(PackBot)などを開発していた。 商用および家庭用の 遠隔操作ロボット もいくつか開発したものの、こちらは全く売れなかった。

第一世代ルンバ

2002年に、家庭用ロボット掃除機ルンバを発売し、その販売が好調となり、当社の主力事業となっていった。

2016年2月、かつては主力事業のひとつであった軍事用ロボット部門をアーリントンキャピタルパートナーズに4500万ドルで売却すると発表した。それにより家庭用ロボットのほうに注力するということである[7]

2022年8月5日にAmazonがiRobotを16億5000万ドル(約2200億円)で買収することを発表した[8]

家庭用ロボット

ルンバ 700シリーズ(2014年)
  • 2000年、iRobot は My Real Baby玩具市場に参入した。この製品は、アニマトロニクスを利用したリアルな表情の人形である。同製品はハズブロと共同で製品化されたが、既に製造されていない。
  • 2002年、iRobot は掃除ロボットルンバをリリースした。ルンバの販売は好調で当社の主力製品となった。[9] 2006年3月、iRobot はルンバを200万台販売したことを発表した。
  • 2005年5月、iRobot はフローリング洗浄掃除機ロボットスクーバをリリースした。ルンバとの違いは、水を使ってフローリングを洗浄する点である。なお、完全な製品が市場に登場したのは2006年前半のことである。
  • 2006年、iRobot は作業場用ロボット iRobot Dirt Dog をリリースした。このロボットは、作業場の床に落ちているナットボルトといった小さな物体を集めるものである。
  • 2007年、趣味のロボットとして iRobot Create がリリースされた。これはプログラム可能なロボットで、センサーなどの機能を追加することも可能。

研究用ロボットと軍事用ロボット

  • Genghis1991年) - ゲンギスは、iRobot の最初のロボット。研究用に設計された。現在は国立航空宇宙博物館にある。
  • Ariel1996年) - 水陸両用で地雷を除去するカニ型ロボット。
  • Urbie1997年) - 都市環境でのロボットの概念実証用。戦車を2台繋げたような形で、階段を登ることができる。
  • PackBot Scout - 接近が困難な危険な場所で、1人の兵で操作運用可能な偵察用ロボット。静止画カメラを搭載していて、撮影した画像を操縦システムに送ってくる。イラクとアフガニスタンで実際に運用された。この研究はDARPAの援助を受けている。
  • PackBot Explorer - Scout の進化したもので、音声と動画カメラを備え、他にもいくつかのセンサーを備えている。人質救出の際の偵察や戦闘によるダメージを調べるのに使われることを想定している。
  • Swarm - 群知能研究のために開発された。このプロジェクトもDARPAの援助を受けている。
  • Warrior - 2008年完成を目指して現在開発中[10]。重量 250 ポンドで凹凸の激しい地形を毎時12マイルの速度で移動でき、100ポンド以上の荷物を搭載可能。爆発物処理、戦場での死傷者搬送、消火活動などへの応用が考えられる[11]
  • RGator - Deere & Company との提携による製品。小型多用途車にロボット機能を搭載したもの。自律的に設定した地点まで(障害物を回避しつつ)移動する機能と遠隔操縦による半自律動作が可能。

テレビ番組

書籍

関連書籍

  • 『「共創力」 ルンバを作った男コリン・アングル』(著者:大谷和利)(2020年10月29日、小学館)ISBN 9784093887908

脚注

関連項目

外部リンク


われはロボット

(I, Robot から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/10/26 14:44 UTC 版)

われはロボット』(I, Robot )は、アイザック・アシモフSF小説短編集。1950年に刊行された。ロボットSFの古典的名作。

『われはロボット』は早川書房から出版されている小尾芙佐訳の題名であり、東京創元社からは伊藤哲訳で『わたしはロボット』、角川書店からは小田麻紀訳で『アイ・ロボット』の題名で日本語訳が出版されている。また岩崎書店からジュブナイル版が、『くるったロボット』の題名で出版されている。(現行タイトルは『うそつきロボット』)。

概要

アシモフの初期のロボットSF短編をまとめた物。本書において有名なロボット工学三原則が示され、アシモフはロボットSFの第一人者としての地位を確立することになる。

USロボット社の主任ロボ心理学者スーザン・キャルヴィン(カルヴィン)の回顧録という形になっており、彼女かもしくは同社の新型ロボット実地テスト担当員のドノヴァン&パウエルのコンビが各エピソードの主役を務めている。この回顧録を聞き取ったのは、インタープラネタリー・プレスの男性記者である。彼のメモによるとキャルヴィン博士に初めて会ったのは、彼女が75歳のときで、82歳で亡くなるまでのあいだ、何度かインタビューしている。

ロボットが一見して三原則に反する様な行為を行う事件が起こり、その謎をスーザン達が解明していくというミステリ仕立ての作品が多く、これが後に、SFミステリの傑作としても名高いロボット長編『鋼鉄都市』へと繋がっていく。

アシモフが当初考えた本書のタイトルは『Mind and Iron(頭脳と鉄)』であった。それに対しノーム・プレスの編集者は『I, Robot』を提案し、それはイアンド・バインダーが短編の名前として使っている、と、アシモフは言ったにもかかわらず、「Who cares?(かまうもんか)」という編集者の意見で決められた。[1]

続編として短編集『ロボットの時代』がある。後にアシモフのロボット短編を集めた短編集『コンプリート・ロボット』に、本書収録の全短編が再録されている(ただし各作品間のキャルヴィンのエピソードは除く)。

2004年ウィル・スミス主演で映画化された(邦題『アイ,ロボット』)。

収録作品

ロビイ(Robbie
子守りロボット「ロビイ」は、少女グロリアのお気に入りだった。しゃべることはできないが、かくれんぼや駆けっこで遊んでくれた。ある日のこと母親が、父親の反対を押し切ってロビイを手放してしまった。代わりに犬を与えたが、グロリアはすぐに飽きてしまった。グロリアは元気をなくし、ふさぎ込むようになった。見かねた父親が、気分転換にニューヨークに連れていくことにした。グロリアは「ニューヨークにロビイを探しに行くの?」と喜んだ。ニューヨークに着いた一行は、さまざまな場所を訪れたが、グロリアはロビイのことが気になって、少しも楽しめなかった。ある日、父親がロボット工場の見学を提案した。ロビイのようなロボットが工場で作られたことを見せれば、グロリアも納得するだろうと。
堂々めぐり(Runaround
水星の採鉱施設で二人の男が、悩んでいた。セレニウムの貯蔵所へ行かせたロボット「SPD13号」(愛称はスピーディ)が、5時間経っても戻ってこないのだ。スピーディが発する信号を追跡すると、貯蔵所に近づいたり離れたりしながら、その周りを回っているようだ。ここでは太陽の電磁波が強くて、無線通信も使えない。人間が外に出て、直接スピーディ会って命令するしかないが、彼らの宇宙服では高熱に耐えられないので、そこまで行くことはできないのだ。施設には旧式のロボットが残されていたが、それを動かすためには人間が乗り込んで命令しなければならない。その操縦席は、ロボットの背中にむき出しになっているので、やはり高熱にさらされることになる。
われ思う、ゆえに…(Reason
伊藤哲訳のタイトルでは「理性」。宇宙ステーションに届いた部品からロボット「QT1号」が組み立てられた。しかしQTは、人間によって作られたことを信じず、地球に30億人が住んでいることも信じなかった。さらに、温度や気圧、放射線強度の変化に弱い人間は「間に合わせ」の生き物であり、自分は「完成」されたものだと言い出した。
野うさぎを追って(Catch that Rabbit
伊藤哲訳のタイトルでは「あの兎をつかまえろ」。小惑星の鉱山に送られたロボット「DV5号」は、6台のサブ・ロボットをコントロールすることができた。人間の目の前では完璧に動作するDVだったが、人間がいなくなると仕事を忘れて、サブ・ロボットたちと意味もなく行進するのだった。
うそつき(Liar!
ロボット「RB34号」は、人間の心が読めるのではないか、と研究所の人々は考えた。ポジトロン頭脳を製造するときに、何らかの偶然が起きたらしい。人々はそれぞれに、自分の悩みや希望をRBに質問した。人間に危害(心も含む)を加えることのできないRBは、それぞれの質問者に有利で都合のよい回答をするのだった。
迷子のロボット(Little Lost Robot
伊藤哲訳のタイトルでは「迷子の小さなロボット」。ハイパー基地に着いた貨物船から、一台の「NS2号」ロボットが逃げ出した。このロボットはロボット工学三原則のうちの、第一原則が改変された実験型で、人間に危害を加える可能性があった。基地に前からいた62台のNS型に紛れ込んだ1台を、何としてでも見つけなければならないのだ。
逃避(Escape!
キャルヴィンの勤めるUSロボット社の、ライバル企業の大型人工頭脳が壊れた。どうやら星間航行用のエンジン設計をさせたところ、壊れたらしい。人間に危害が及ぶようなエンジンの設計は、ロボットにはできず、命令がジレンマになったのだ。ライバル企業は、同じ入力データを使ってUSロボット社の人工頭脳に設計してもらえれば、莫大な謝礼を払うと言ってきた。こちらの人工頭脳も破壊しようという企みなのか・・。
証拠(Evidence
バイアーリーは有能な地方検事であるが、妙なうわさが立っていた。それは彼がロボットだというものだった。彼の飲食している姿を見た者は、一人もいなかった。ある集会で、バイアーリーに「俺を殴ってみろ」と執拗に挑発する男がいた。彼はしばらくためらっていたが、最後には男を殴った。それを見たキャルヴィンが言った「彼は人間です」。ロボットならば、人間を殴って危害を加えることなどできない。ロボット工学三原則で禁じられている。だが、これには裏があった。ロボットがロボットを殴ることは、全く問題にならないのだから。
災厄のとき(The Evitable Conflict
伊藤哲訳のタイトルでは「避けられた抗争」。地球は東部地区、熱帯地区、ヨーロッパ地区、北部地区の4ブロックに分けられていた。それぞれの地区にはマシーンと呼ばれる大型ロボット頭脳が設置され、さまざまな計画を立て、問題を解決していた。ところがマシーンの出す計画が、遅れ始めたのである。人類にとって不利な状況にあるならば、マシーンを止めなければならない。

書誌情報

和訳

児童書

脚注

  1. ^ 『はだかの太陽』新訳版序文、P13より(2015年5月、ISBN978-4-15-012007-8)




固有名詞の分類


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