誘導装置
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/29 08:07 UTC 版)
電子工学の発達により魚雷に搭載可能な誘導装置が登場したことで打ちっ放し能力を備えた魚雷が登場した。これにより潜航中の潜水艦に対しても魚雷を命中させることが可能になり、それまでの主流だった爆雷に替わる対潜兵器としても使用されるようになった。また通信装置を搭載し命中以前に自爆させたり、デコイに惑わされないように軌道を修正したりするなど対艦ミサイルのような使い方も可能となった。 音波誘導 敵艦の発する音を追尾するパッシブ型と、自ら発した音波の反射で目標を追跡するアクティブ型がある。打ちっ放しが可能であるがデコイにより欺瞞される可能性がある。 有線誘導 後部から通信用ワイヤーを延ばして艦船から直接操作する。命中以前に自爆させたり軌道を修正したりすることが可能だが、ワイヤーの長さや発射管との角度に制限を受ける。電線の代わりに光ファイバーを利用する例もある。 現代では、有線誘導の他に音波誘導などを併用したハイブリッド誘導方式もある。そのような魚雷では、途中までを有線で誘導して敵艦を補足後に誘導ケーブルを切り離し、音波などによる誘導に切り替えることが可能。射程や機動を誘導ケーブルによって制限されることはなく、音波誘導のみに比べ欺瞞に強い。 無線誘導 第二次世界大戦中にはアメリカ海軍が電波で誘導する方式を実用化したが、ナチスの妨害電波により失敗が多かった。対抗策としてヘディ・ラマーとジョージ・アンタイルによりスペクトラム拡散技術が考案されたが当時は実装が難しく、特許が秘匿されたことで主流とはならなかった。
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「誘導装置」の例文・使い方・用例・文例
- ロケット駆動のミサイルで、その行き先を飛行中に無線信号または内部自動誘導装置のいずれかによって変更することができるもの
- 赤外線(ジェットエンジンの放出として)を放射する目標にそれを向ける誘導装置付きのミサイル
- 重力爆弾に縛りつけることができる精密爆弾誘導装置で、結果的にダム爆弾を誘導爆弾に転用する
- 赤外線自動誘導装置をもつ空対空ミサイル
- 計器着陸装置という,航空機の着陸誘導装置
- ナビゲーション装置という交通誘導装置
- 航空機用の経路誘導装置
- PAPIという,航空機用の経路誘導装置
- 人工衛星などの誘導装置を搭載したロケット
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