市販車
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1963年、市販車第1号となる「マーコススパイダー」を発表する。これはマーコスGTベースのオープン・カーで、アダムス兄弟がウッドン・フレームに手を加え、フォード製1.5リットルエンジンを搭載したモデルだった。内装も市販車両として通用させるための内貼りが施され、キット・カーとしては750ポンドで売り出されたが、一般からの評判は芳しいものではなかったため、販売台数は少なかったと見られる。 しかし翌1964年、ジェム・マーシュとアダム兄弟の奥の手とも言える「マーコス1800GT」が発表される。シャシーこそフランク・コスティン設計のウッドン・フレームを改良したものだったが、インボード・ブレーキや新設計のサスペンションを装備。そして悪評だったFRPボディーはマーコスGTのデザインから一転、アダムス兄弟がデザインし直したスリークなスタイルで「醜いアヒルから生まれた白鳥」とジャーナリストから称賛を浴びた。エンジンはボルボ製1,780ccエンジンが搭載されていた。このエンジン最高出力は114PSで、マーコスGTのフォード製エンジンが発生した最高出力60psから一気にパワフルなものへと変わったが、装備の充実とともに車重も増加したために性能面ではマーコスGTと特に変わりはなかった。完全なロード・カーとして生まれ変わった「マーコス1800GT」の登場でクラブマン・レースから遠ざかり、スポンサー的存在であったアマチュア・レーサーたちも自然と離れていくことになるが、ワイルドなデザインはアメリカ合衆国に受け入れられ、輸出で順調にメーカーとしての業績を伸ばした。 1967年、コスト削減のため搭載するエンジンをフォード製、ロータスコーティナ用の1.5リットルへ変更。サスペンション等も安価なパーツに交換されたため、実質の性能は低下してしまった。この「マーコス1500GT」の生産台数は82台とされる。 翌1968年、フォード製1,599ccOHVエンジンに変更され「マーコス1600GT」となった。 この年、前モデルの「マーコス1500GT」のスペシャル・モデル、「マーコス1650GT」も製造された(一説では3台)。エンジンを排気量1,650ccにボアアップ、さらにクリス・ローレンスがメカチューンを施し圧縮比が高められ、1基だったウェーバー・キャブレターも2基装備し最高出力140PSを発揮した。 さらに1968年これらの「マーコス1500GT」系と、後に登場する「マーコス2リットルGT」と平行して、ディアック用2,994ccV型6気筒エンジンを搭載し、4輪ディスクブレーキに変更された豪華版「マーコス3リットルGT」も生産された。このモデルの最高時速は201km/h、0-60mphは7秒であった。 翌1969年、「マーコス1500GT」系はコーセア用2リットルV型4気筒エンジンに変更され、「マーコス2リットルGT」として生産されている。 このようにマーコスのエンジンは需要や供給に合わせて目まぐるしく変更された。
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市販車
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1960年代以降は市販のスーパーカーやスポーツカーにも、ミッドシップを採用する例が見られるようになった。しかし、前述(#一般的な乗用車における特徴)のような特性から一般的な乗用車として大量生産されたものは極めて少なく、乗用車としては特殊なレイアウトという扱いだった。しかし、1970年代以降前輪駆動(FF)の小型乗用車が大量生産されるようになると、そのパワーユニット(いわゆる「ジアコーサ配置」)を車室の後部にそっくり移設するという手法により、大量生産されるものも見られるようになった。 市販された世界初のミッドシップ車は、1960年代のマトラ・ジェットとされる。これにデ・トマソ・ヴァレルンガ、ロータス・ヨーロッパ、ディーノ・206/246、マトラ・M530、ポルシェ・914などが追従した。これらのエンジンはいずれも排気量が2 L弱であり、生産台数は100前後~数千台程度が多い。914はフォルクスワーゲン社との共同企画ということもあり、数万台が生産された。 続いて排気量4 L前後のハイパワーなエンジンを積んだ、いわゆる「スーパーカー」たちが登場する。代表的なところでは、365GT4BBに代表されるフェラーリ車、ミウラに代表されるランボルギーニ車や、前述のヴァレルンガに続くデ・トマソ・マングスタ及びパンテーラなどがある。珍しい事例では、初代から長年フロントエンジンを貫いてきたシボレー・コルベットが、2019年のフルモデルチェンジでミッドシップに変更されている。 これらのスーパーカーで使われているV型12気筒のような細長いエンジンをミッドシップに縦置きし、その後方にトランスミッション、デフと順に並べると、乗用車としては後部が長すぎる車になってしまう。そのためカウンタック以降の全てのランボルギーニ車では、後車軸直前に前後逆に配置したエンジンからその前方の左右乗員間に置かれたトランスミッションに動力を伝え、そこから車両後方に折り返してドライブシャフトを後車軸のデフに接続するという配置(車両前方からトランスミッション-エンジン-デフの順に並び、エンジンと平行にドライブシャフトがある)とするなどの工夫をしている。この配置には、フロアシフトのシフトレバーが乗員横のトランスミッションに直接繋がっているためシフトフィールが良いという利点と、シャフトを通すためエンジンの位置が上がるという欠点がある。 前輪駆動の量産車のパワーユニットを流用することで量産車にミッドシップを採用する手法はフィアット・X1/9が先鞭をつけ、量産車のパワーユニットやトランスアクスル、サスペンションなどを流用できることから価格を安く抑えられ、ミッドシップを一般大衆の手が届く存在とした。ポンティアック・フィエロ、トヨタ・MR2、MG・MGFなどもこの手法で作られたミッドシップ車である。 その他、ルノーは前輪駆動車である5の後部座席を取り払い、そこにエンジンを搭載することでミッドシップ車とした「5ターボ」を製作し、WRCのグループ4 (Group 4) ホモロゲーションモデルとして販売した。後年にはクリオ(日本名:ルーテシア)をベースに同一の手法で製作した「クリオ・ルノー・スポール V6」も販売している。また、グループB時代のWRCにおけるミッドシップ4WDの競技用車両も、同様の手法でエンジン位置を変更している。
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市販車
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「プレッシャーウェーブ・スーパーチャージャー」の記事における「市販車」の解説
1985年にオペルがセネターの2.3 LディーゼルにPWSを装着した例が最初と思われる。しかし、その生産台数は少なく、始動バルブのカーボン除去を怠ると始動不良を起こすことや、ローターのベルト交換を怠り、ベルト切れを起こすなど、多分に実験的な要素が強いものであった。 続いてマツダのカペラディーゼルに搭載されたが、オペルでのトラブルの例が解決できていない時期の採用であった。このPWS付ディーゼルエンジンはガソリンエンジン並みの高い性能であったが、やはりオペル同様にこまめなメンテナンスが必要不可欠であり、それを熟知していないオーナーの不注意によるトラブルが増えて行き、このモデルと、その後継車種クロノスを最後に、PWS付エンジン搭載車の生産は行われておらず、一般的なターボチャージャーに変更された。
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市販車
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/05/26 05:09 UTC 版)
1950年代初期にようやく実用車は普及しスポーツカーの需要が生まれつつあった。1952年パリサロンに「コーチ」を発表した。DBレーシングスポーツをロードバージョンにしたようなモデルで、パナール・ディナがFFのまま2座クーペになっている。ボディはスチール製になっており空力もレース用程徹底していなかったが、スポーツカーに飢えていたフランスの若者に絶大な人気を博した。エンジンは最初610ccと750ccが用意され、後に851cc、48hpが主力モデルとなったが、その他851cc、42hp、最高速度155km/hの850スタンダード、851cc、58hp、最高速度165km/hの850GTルクス、954cc、72hp、最高速度185km/hのGT1000などがあった。1955年にはボディを低く改良するとともに繊維強化プラスチックを採用した。1960年にはカブリオレモデル「ル・マン」を作った。 ここまで車両設計はルネ・ボネ、会社経営はシャルル・ドゥーチェが受け持って来た。このまま行けばアルピーヌのようにスポーツカーメーカーとして確固たる地位が約束されていたが、シャルル・ドゥーチェは元々エンジニアでもあり、この頃設計思想に関しても興味を持ち始め、前輪駆動の自動車を製造するかミッドシップエンジンの自動車を製造するかでルネ・ボネと対立するようになった。結果シャルル・ドゥーチェは1962年に会社を去りSERA-CDを設立、DBは解体してオトモビル・ルネ・ボネになった。
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市販車
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/30 06:51 UTC 版)
2012年モデル ルノー・ゾエの市販車モデルは、2012年ジュネーヴ・モーターショーで発表された。2010年のコンセプトモデルによく似たデザインは、同社のクリオ(日本名:ルーテシア)よりやや長い4,080 mmの5ドアのスーパーミニとしてJean Sémériva(Semeris)がデザインした。2012年12月、限定された数量でフランス国内の顧客へ向けて納車が始まった。ルノーは2013年第1四半期に工場の稼働率を上げられるように計画している。最初にゾエが納車されたのはアルノー・モントブールフランス産業再生大臣であったフランスでは、ゾエの価格は、6,300ユーロ(8,300ドル、約882,000円)の奨励金が適用される前の初期価格の状態で20,700ユーロ(27,250ドル)となり、それに月々のバッテリー料金が加わる価格となる。年間走行距離が12,500 km(7,800マイル)であれば、購入して最初の36ヶ月間のバッテリーのリース料金は、包括的な故障対応を含んで月額79ユーロ(104ドル)となる。 ゾエは22 kWhのリチウムイオンバッテリーパックを持ち、[88 PS(65 kW・87 bhp)を出力するモーターで駆動する。最大トルクは220 N·m(22 kgm、162 lb-ft)で、最高速度は時速135 km (時速約84マイル)、航続距離はNEDC(新欧州ドライビングサイクル)基準で210 km(130マイル)に達する。ルノーは、ゾエは郊外の使用で、寒冷地では約100 km(62マイル)、温暖な環境では150 km(93マイル)走行することができると推定している。ゾエは「Caméléon Charger(カメレオンチャージャー)」と呼ばれる単相から三相交流まで対応できる充電装置を内蔵し、30分でおよそ80 %の充電ができるなど、30分 - 9時間でどのような電力のレベルでも対応できるようにしている。 2016年9月に開催されたパリモーターショーで、大幅改良を施されたゾエが発表された。「ZE 40」と呼ばれる大容量バッテリー(二次電池)を搭載し、NEDC基準では1回の充電で最大400 kmの航続距離に達するとした。10月に発売されたマイナーチェンジ後のゾエの実際の航続距離は、300 km程度に留まるようであるが、いずれにしろNEDC基準で210 kmとしている2012年発売の初期モデルの航続距離より改善されている。 2016年のマイナーチェンジを受けて航続距離が延びたモデルについて、政府からの補助金を適用する前のバッテリーの購入金額を含まないフランス国内の販売価格は23,600ユーロとなる。そのモデルに搭載されるバッテリーのリース料金は、走行距離が7,500 km(4,700マイル)までの条件を付けた場合は月額69ユーロとなり、走行距離を無制限にした場合は月額119ユーロとなる。 2019年モデル 2019年に2回目のマイナーチェンジが実施された。バッテリーの容量が52kWhに拡張され、航続距離はWLTPモードで最大390kmに達する。内外装のデザインが変更され、ダッシュボードの中央にはApple CarPlay・Android Autoに対応した9.3インチのタッチパネルを搭載した。メーターには10インチのTFTインストルメントクラスターと呼ばれるモニターが採用された。
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市販車
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/30 08:17 UTC 版)
「フェラーリ・250TR」の記事における「市販車」の解説
最も初期型となるTR/57は、1958年までに19台製造され市販された。 ボディは主にフロントドラムブレーキの冷却目的でいわゆるポンツーンフェンダーを持ち、グリル脇から切れ込むようなデザインを持っている。デザイン及び製作はスカリエッティで、全アルミニウムによる叩き出しで製作されていた。なお同じボディを持つ250モンツァと呼ばれるモデルも存在する。 ブレーキは前後ともアルフィン付ドラム。
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