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外典とは? わかりやすく解説

がい‐てん〔グワイ‐〕【外典】

読み方:がいてん

キリスト教で、聖書正典含まれていないが重要である文書アポクリファ

⇒げてん(外典)


げ‐てん【外典】

読み方:げてん

古くは「げでん」》仏語仏教以外の書籍外書(げしょ)。⇔内典


外典

読み方:ガイテン(gaiten)

キリスト教で、聖書正典に対して正典近く重要ではあるが、それと区別されている文書


外典

読み方:ゲテン(geten), トツフミ(totsufumi)

仏教で、仏典以外の書物


外典

読み方:ゲテン(geten)

仏典以外の書籍


外典

作者バリー・ユアグロー

収載図書一人の男が飛行機から飛び降りる
出版社新潮社
刊行年月1996.7

収載図書一人の男が飛行機から飛び降りる
出版社新潮社
刊行年月1999.9
シリーズ名新潮文庫


外典

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/12/14 04:55 UTC 版)

外典(がいてん)またはアポクリファ(Apocrypha)とは、ユダヤ教キリスト教関係の文書の中で、聖書正典とされる『旧約聖書』39巻、『新約聖書』27巻以外の文書のことで、旧約外典、新約外典がある[1]

「Apocrypha(アポクリファ)」とはギリシア語απόκρυφος(隠されたもの)に由来する言葉である。対義語は「正典」または「カノン(Canon)」。

概念

「外典」とは、聖書におさめる主張もあったが、正典から除外された文書群のことを指している。それに対して同じように使われることがある「偽典」というのは、そもそも聖書として認められたことがない文書のことを指して用いられる。

ユダヤ教での扱い

ユダヤ教の「正典」(キリスト教徒における旧約聖書)は、エルサレム陥落後の1世紀末に行われたイスラエル南西部のヤブネ(ヤムニア)において開かれたヤムニア会議において確認された。ここにおいてファリサイ派ラビたちによってヘブライ語の正典が確認され[注 1]、それ以前に成立していたギリシア語七十人訳聖書におさめられていた文書の一部が正典ではないとみなされて除外された。

キリスト教での扱い

旧約聖書

キリスト教における旧約聖書の正典・外典の位置づけは諸教派により異なっている。宗教改革以前のキリスト教会には、旧約聖書の正典・外典という区別はなかった。伝統的キリスト教会は、ヤムニア会議以前に成立した古代ギリシア語訳の七十人訳聖書、ないしその翻訳を旧約聖書の正典としていた。

正教会

正教会は、ギリシア語の七十人訳聖書に収められている文書の全てをカノン(正典、英語: Biblical Canon)として受け入れ、奉神礼において使用し尊重している[2]

ただし、定理(教義)確定の主要な出典としては用いていない[2]

カトリック教会

カトリック教会においては、使徒伝承によって教会は聖書正典を識別するとされる[3]

旧約聖書の正典のリストは、トリエント公会議において確定され、この中にプロテスタントにおいて外典(アポクリファ)と分類されたものも含まれることが確認された。ギリシア語の七十人訳聖書に収められているものが基になっている[4]。カトリック教会は、あくまでそれまで使用していた聖書を正典として確認したものとしており、「外典であったものを正典に付け加えた」とは認識していない。

なお、1987年日本のカトリック教会と(一部の)プロテスタント諸教会による共同事業により発行された新共同訳聖書では、旧約聖書の外典の一部の文書を「旧約聖書続編」として収録しているが、その「序文」において、これらの文書は初期のキリスト教徒らがギリシア語を用いるユダヤ教徒から聖なる書物として受け継いだとしている[5]

プロテスタント

マルティン・ルターヘブライ語本文から聖書を訳した際に、ヤムニア会議の定めたテキストと、カトリック教会が使っていたラテン語聖書(ヴルガータ)との異同に気付いた。ルターはこれを外典と位置付けた。

プロテスタントは聖書の内的権威を教会が確認したとする。ヘブライ語聖書正典に外典が付け加えられたのは七十人訳聖書によるが、この時、外典は正典と区別されていた。新約聖書記者も外典からは引用していない[6][注 2][要検証]。ローマ・カトリックはヴルガータに含まれたものが聖書だと主張したが、宗教改革者はヘブライ語聖書に含まれているもののみが旧約聖書である、と主張した[7]

プロテスタントの一部の教派からは、ローマ・カトリックはトリエント公会議で旧約聖書と外典の区別を取り除き[8]、それまでキリスト教会は39巻の旧約聖書を正典としていたのに対し、ローマ・カトリックは聖書に裏づけの無い煉獄等の教理を裏付けるために、同公会議で聖書正典に外典を付け足したと解釈される[9]

新約聖書

新約聖書の正典の選択は、古代教会の自己規定の確立と連動するかたちで確定していった。一般に正典の基準として以下の4つの基準がよくあげられる。

  1. 使徒に由来するものであること
  2. ある地方にとどまらず、広く教会全体で受け入れられていること
  3. 典礼において用いられてきたものであること
  4. 内容が正統信仰と整合性を保っていること

歴史的には2世紀マルキオンが独自の視点から旧約聖書を排除し、聖書の「正典」を編纂した。このため、マルキオン派英語版など異端への対抗上、キリスト教正統派における「正典」を決める必要が生じ、教会内での議論を経て、367年アタナシオスの書簡において、初めて27文書が選択された。この基準は397年のカルタゴ会議において正式に承認されている。

東方教会では10世紀までに事実上正典が確定している[注 3]。東方教会で最後まで扱いが議論されたのは『ヨハネの黙示録』であったが、西方で支持されたこの文書は最終的に東方でも正典と認められた。西方では、ルターの宗教改革の影響で、16世紀から17世紀にかけて、正典の公式な定義が行われた。カトリック教会では1546年トリエント公会議において聖書の正典・外典の定義が再確認された。プロテスタント教会でも17世紀の中盤に同じ27文書を正典と認めている。

なお、新約聖書外典の中には、『トマスによる福音書』のように異端であるグノーシス主義の思想が見られるものや、『ヤコブ原福音書』、『トマスによるイエスの幼児物語』など四福音書に書かれていないイエス誕生前のマリアやイエスの幼少時を記していて、カトリックの教説に取り入れられたものもある[要出典]

また、新約聖書に入らなかった文書のうち、内容に問題はなく使徒の著作でないことのみが問題とされた使徒の弟子(使徒教父)による文書は使徒教父文書と呼ばれる。

一覧

旧約外典一覧

新約外典一覧

脚注

注釈

  1. ^ ヤムニア会議で正典と確認されたヘブライ語本文を、8世紀以降、マソラ学者が母音記号等を加えたものがマソラ本文といい、全24書である。書の数え方として22冊と言うものもあるが、マソラと同じであるがヘブライ語のアルファベットと同数という意味もある。という数え方もされた。
  2. ^ しかし、新約聖書の『ユダの手紙』では、外典とされる『エノク書』が引用されており、この記述は正確性に疑問が持たれる。
  3. ^ 東方教会で最終的な決定と認められるための条件である全地公会議での議決は受けていないため教会法的には未確定との立場もありうる。

出典

  1. ^ 『ビジュアル図解 聖書と名画』中村明子、西東社, 2016. p120
  2. ^ a b The Old Testament Apocrypha (Excerpt taken from "These Truths We Hold - The Holy Orthodox Church: Her Life and Teachings". Compiled and Edited by A Monk of St. Tikhon's Monastery.)
  3. ^ (日本カトリック司教協議会教理委員会 2002, p. 38)
  4. ^ CATHOLIC ENCYCLOPEDIA: Canon of the Old Testament
  5. ^ 新共同訳聖書 序文 p(Ⅲ) 日本聖書協会
  6. ^ (尾山 2003, p. 25)
  7. ^ (マクグラス & 高柳 2000, p. 194)
  8. ^ (マクグラス & 神代 2002, p. 244)
  9. ^ (尾山 2003, pp. 26 f)
  10. ^ キリスト教要素が強い部分について。cf.(荒井 1997, 巻末の「新約聖書外典一覧」)

参考文献

関連項目

外部リンク


外典

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/17 05:52 UTC 版)

史的イエスの資料」の記事における「外典」の解説

Nag Hammadi library」および「New Testament apocrypha」も参照 新約聖書外典には通例2世紀以降とされるキリスト教関連文書がかなり含まれていて、その中のグノーシス主義的な福音書学者の間で大きな関心集めている。1945年ナグ・ハマディ文書発見され以来学術的に大きな関心寄せられ多く学者グノーシス主義的な福音書研究し、それについて書いてきた。 しかし21世紀学者の間では、グノーシス主義的な福音書初期キリスト教信仰発展光を当てるかもしれないが、史的イエス研究にはほとんど貢献しない認め傾向である。なぜならグノーシス主義的な福音書通常いわゆるQ文書似て説明的ではなく語録構成されていること、信憑性著者名疑問があること、さらに様々な部分新約聖書の対応箇所依存していることが挙げられる史的イエスに関する現代の研究グノーシス主義的な文書から離れユダヤ教古代ギリシャ・ローマ世界キリスト教正典という3分野資料比較焦点向けられている。 例えばバート・アーマン(英語版)は、ナグ・ハマディ文書一つトマスによる福音書』のグノーシス主義的な記述史的イエス研究にとってほとんど価値がないと述べている。なぜならばトマスによる福音書』の著者は、例え十字架刑のようなイエス身体的な経験あるいは信者身体的な存在重視せず、身体的な出来事よりただイエス教え秘密に興味あったからである。ナグ・ハマディ文書一つである『ヨハネのアポクリュフォン(英語版)』は、2世紀支配的な傾向に関する研究や、『ヨハネの黙示録第1章19節を参照しているとして『ヨハネの黙示録』の著者に関する研究役立ったが、地上におけるイエス生涯についての話ではなく大部分昇天後の幻となったイエス教えについて書かれている一方でEdward Arnalのように、『トマスによる福音書』はイエス教え初期キリスト教徒の間でどのように伝えられたかを理解するのに引き続き有用であり、初期キリスト教発展光を当てていると主張する学者もいる。外典の中のイエス言葉は、キリスト教正典にあるイエス言葉重複しているものもあるが、正典にないものアグラファ呼ばれるアグラファ少なくとも225あるが、研究者のほとんどはアグラファ大部分信憑性について否定的な結論出していて、史的イエス研究資料として使うことにほとんど価値がないとみている。Robert Van Voorstは、アグラファのほとんどはまった信用できない述べている。学者の間でもアグラファ信用性については見解分かれていて、200以上あるアグラファの内、イエス真正言葉とされるものは最多18最少で7であり、その他はまず価値が無いとされている。外典文書研究続けられているが、学界一般的な意見では、起源不確かなものが多く、ほとんどの場合価値の低い後世文書であるため、史的イエス研究にはほとんど役に立たない

※この「外典」の解説は、「史的イエスの資料」の解説の一部です。
「外典」を含む「史的イエスの資料」の記事については、「史的イエスの資料」の概要を参照ください。

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