価格：

9,780万円

面積：

171.41㎡（建物）
213.67㎡（敷地）

鎌倉には住宅街の中に砂利道が多いように思います。そこを進んでいくと意外と奥が広かったり思いがけない出会いがあることも。今回の物件も交通費の多い車道から、こんなところから入るの？という砂利道を進んだ場所にありました。住宅街にぽっかりと空いたエアポケットのような物件です。

砂利道は狭い部分で約2.1mと大型の車だと入ってくるのも難しそうな幅。いわゆる旗竿地や行き止まりの袋小路ではなく、反対側の道にまで続いているというのが面白いところです。途中に電柱やゴミ置き場があったりするので、車で向こう側まで通り抜けるのは至難の業です。

そんな道に平行して横に長い家が今回の物件です。手前にはコンクリで舗装されたがらんとした空間。車2台とボードラックを置いても余裕がありそうです。少しだけ違和感があったので航空写真で確認してみると、以前は2つの建物があり、それを取り壊して庭や駐車スペースをつくったようです。この効果もあってかエアポケット感が際立っています。

さて、家の中に入ると広いリビングの中央に一段下がった土間のようなスペース。そこに大黒柱然と薪ストーブが鎮座しています。これからの季節は、ラグを敷いてクッションに座り炎の揺らぎを見ながら過ごす時間が増えそうですね。

1階の天井は化粧梁がある分、全体的に低くて空間に守られている印象ですが、ストーブのスペースだけは吹き抜けでハイサイドライトから光が差し込んできます。2階は勾配天井で天高が高く、同じ家の中でメリハリが効いています。個人的に好きなのは勾配天井の仕上げで合板を目透かし貼りにしている部分です。

やはりというか、住宅街の中という立地で砂利道側には塀があるため、リビング側には光が届きにくい箇所もあります。明るさが必要ならダイニングや2階に移動しましょう。暗さを利用してホームシアターを楽しむというのも手かもしれません。

場所は江ノ電の腰越駅から徒歩1分ほど。漁師町の風情が残る町並みに、時折り江ノ電のガタンゴトンという音が心地いいエリアです。そんな中にぽっかり空いた空間を楽しみましょう。